【お盆のお飾りの仕方】これでお盆も大丈夫(浄土真宗本願寺派)
今回は、「お盆のお飾りの仕方」について解説致します。
お盆を迎える準備に、ご参考にしていただければ幸いです。
▼動画でもご覧いただけます
なお、浄土真宗本願寺派のお飾りの仕方になりますので、ご注意ください。
改めて、皆様こんにちは。僧侶の神崎修生です。
私は、福岡県糟屋郡にある信行寺(浄土真宗本願寺派)の副住職をしています。
仏教やお寺、僧侶を身近に感じていただきたいと思い、ブログや動画の配信をさせていただいています。
お盆のお飾りの仕方
さて、「お盆のお飾りの仕方」についてですが、結論からいうと、本願寺派においては、平常時よりも少し華やかにお飾りいただくということになります。
初盆においては初盆用の棚を組まれることもありますが、通常のお盆においては棚は組まず、お仏壇をお飾りしていただければ結構です。
お仏壇のお飾りの仕方
お仏壇のお飾りの仕方ですが、平常時は三具足(みつぐそく)になっているものを、お盆などの特別な時には五具足(ごぐそく)にします。
五具足とは、ロウソク立て一対、香炉、花瓶(かひん)一対の、あわせて五つの仏具のことです。
香炉とはお線香をたくもので、花瓶とは本願寺派では「かひん」といい、花立てのことです。
お仏壇の中に前卓(まえじょく)という卓をおき、その上に打敷という布をしきます。その上に、外側から花瓶一対、ロウソク立て一対、真ん中に香炉という並べ方で五具足をおくことになります。
なお、お仏壇は形式やサイズによって、置けるものが異なるため、飾り方を一様には説明できません。
五具足が置けるのは、一定以上の大きさのお仏壇になります。
五具足が置けない、もしくは五具足がない場合は、三具足でお飾りください。
三具足とは、ロウソク立て、香炉、花瓶の、三つの仏具をいいます。
三具足の場合は、前卓の上に右側からロウソク立て、真ん中に香炉、左側に花瓶を置きます。
お盆などの特別な時には、前卓の上に打敷をしきます。
▼お仏壇の飾り方について、さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
お供え物
本願寺派において、平常時のお供え物は、お仏飯(おぶっぱん)をお供え致します。
お仏飯とは、仏様にお供えをするご飯のことです。仏飯器(ぶっぱんき)にご飯を丸く盛り、仏様の前にお供えします。
お仏飯は、正式にはご本尊である阿弥陀如来の前に一対、向かって右側の親鸞聖人(しんらんしょうにん)の前に一つ、左側の蓮如上人(れんにょしょうにん)の前に一つの、計四つをお供えします。
略式で、阿弥陀如来の前に一つお供えする場合もあります。
▼ご本尊やお脇掛けについては、こちらに詳しく解説しています
お仏飯をお供えするタイミングは、朝に仏様に手を合わせる時にお供えするのが一般的です。
もし、朝に時間がなかったり、朝はご飯を炊かないという方は、昼食や夕飯の前にお供えして手を合わせるのも良いでしょう。
お仏飯をお供えするのは、我々がいただいている恵みに感謝するという意味もありますから、手を合わせお参りを終えたら下げて、できれば食事としていただいてください。
お盆をはじめ、お彼岸やお正月、ご命日、ご法事の時など、特別な時のお供え物ですが、お仏飯に加えて、お餅、お菓子、果物などをお供えすると良いと言われます。
季節らしさを出す場合は、果物を季節に応じたものにしていただくことも良いでしょう。
昔は、お菓子は落雁(らくがん)や羊羹(ようかん)などをお供えすることが多かったようですが、それはそれらが昔は貴重な食べ物であり、特別な時に特別な食べ物をお供えしていたということが言えるかと思います。
お菓子や果物は、これでないといけないということはありませんが、敬いの気持ちをもって、していただくと良いでしょう。
また、霊具膳(りょうぐぜん)と言われるお膳や、精霊馬(しょうりょううま)というキュウリやナスに爪楊枝や割り箸をさしたお供え物は、多宗派や地域の風習からされるものですので、本願寺派においてはお盆だからといってお供えする必要はありません。
また、お供え物の飾り方ですが、お仏壇の中は、お供え物であふれるようにはせず、できるだけすっきりさせておくことが良いと言われます。
お仏壇の中にお供え物をする場合は、お供え物を供笥(くげ)の上に盛り(置き)、対にしてお供えすると綺麗です。
お仏壇の中に入らない場合には、お仏壇の横などに台を置き、台の上にお供え物を置くとよいかと思います。
お花
お花は、仏具の花瓶(かひん)に四季おりおりのお花を生け、お供えします。
毒花やとげのあるお花などは用いません。
お盆は、これでないといけないというものはありません。
夏のお花やほおづきなどを入れていただくと、お盆らしい雰囲気が出てくるかと思います。
提灯
提灯をお飾りすると、お盆らしさがぐっと増しますよね。
お盆に提灯をお飾りするのは、先に往かれた方が、お盆にあの世からかえってくる際に迷わないように明かりを灯すという意味があると言われます。
ただ、浄土真宗の世界観では、先に往かれた方は、阿弥陀如来によってお浄土という仏様の国に迎えとられ、仏様(還相の菩薩)となられ、我々を常に見護り導いてくださっていると味わうことができます。
そして、往き来する際に、迷うようなことはないと考えます。
そうした世界観からすると、迷わないようにと明かりを灯す必要は、必ずしもなく、玄関先に迎え提灯などをしなくても問題はありません。
ただ、提灯をしないと寂しいという方もおられることかと思います。室内のお仏壇の脇などに、提灯を飾られても構いません。
お盆やお彼岸などの文化、風習は、仏教や浄土真宗で全てを説明することはできません。民俗的な要素が多分に入り混じって育まれてきたものです。
先に往かれた方への想いや、文化伝統を大切にしながら、仏様の教えに照らし合わせて、大事にしたいものです。
仏様は、時には苦しみ、時には悩みながら生きている我々を、温かな慈悲の心で包み、智慧の光で照らしてくださっています。
そうした仏様の知恵の光や、慈悲の温もりを、提灯の灯から味わって見られてはいかがでしょうか。
今回は、お仏壇のお飾りやお供え物など、お盆のお飾りの仕方についてお話をさせていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。
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最後までご覧いただきありがとうございます。
合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
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