毒親と毒娘
好きでもない酒をバカみたいに飲みはじめて、一ヶ月ほどが経った。キャバ嬢なので、働いていれば自然と酒を飲むことができる。しかし働いていないとやることがない、そして、なんだか虚しくなったり不安が大きく押し寄せてくるので、酒に逃げるしかなくなってしまったのだ。
昼間から酒を飲んで目が覚めたらまた酒を飲んで…そんなことができたら、一体どれほど楽だろう。酒を飲めば不思議と眠くなる。眠剤に頼らなくても、2〜3時間ほどだが眠ることができるのだ。アルコールは本当に毒にもなるし薬にもなる。
最近はつまみを持ってくるのも面倒なので、塩を舐めながらストロングゼロを飲むことにしている。なんとなく9%のアルコールだけだと吐き気が勝るが、塩さえあればなんとかなるような気がしているのだ。実際、気休めなのだろうが。
最近は午前6時に寝て昼の14時ごろに起きる生活をしている。別段、困ることはない。両親は私が眠っている間に買い物に行っているし、起きて空腹なら昨晩の残りの米に焼き肉のタレをかけて食えばいいだけだ。要するに、眠ることと飲食、それから喫煙しかしていない。
本当に怠惰だと毎日思っている。アル中になることを危惧する母親には毎度どやされ、私の不安はその度に大きくなる。母親の気持ちだってわかるのだ。娘をアル中になんてしたくない、言うことを聞かせたいと、それくらいはわかっている。けれどももう私も二十一になる。そろそろ親の所有物でなくなってもいいのではないかと、少し不満を抱えている。
母親は毒親と呼ばれるものなのだろう。思えば昔から母親は私の行動を監視し、制限してきた。誰かと遊びに行くときには高校を卒業するまで誰と、どこに、何時までと伝えなくてはならなかったし、今でも財布の中を見たがる。母の母親(私の祖母)が母に対して無関心だったばかりに、私にはそんな思いをさせまいと母は母なりに必死なのだろう。
毒親と縁を切った、そんなブログを目にすることがある。けれども母親と過ごした楽しい記憶も少なくはないから、縁を切りたいとは今のところ考えていない。そりゃあ、喧嘩した時、刃物を向けられた時はこんな家出ていってやる!と叫んだりはするものだが、何せ私も母親も精神病なのだ、お互いに自制が効かなくなる。その時はありったけの暴言を吐き散らして、次の日の朝にはお互いに謝るという日々が続いている。
母が毒親なら、私は私で毒娘なのだろう。
今まで散々親には迷惑をかけた。自殺未遂で心臓が止まり、戻ってきたときの母親の顔は特に忘れられない。
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