ねえ、笑っている? 私の靴を隠された時に、自分の授業も受けずに一緒に探してくれたね 私が一軍の女に色が白いって理由だけでいじめられている時に、庇ってくれたね 嬉しかった、本当に 裸足じゃ寒いからって靴を貸してくれたね 26.5のバレーシューズは大きかったけど、嬉しかったよ お前のためにやってるんじゃないと言いながら、自分は靴下で、寒かったことを知っているよ 代わりに温めてあげるよと抱きしめたら、離せと言いながら振り解かなかったね 君の不器用な愛を、知っているよ 出身で色が白
言ったことが全て反対になる世界で、そこは2階建ての駅の中でした。自分の名前を取り戻せたら、もとの世界に帰れるという駅でした。 わたしは名前が思い出せなかったので、案内役のお兄さんと一緒に、迷い込んだ友達や知り合いに名前を教えて返すしごとをしていました。 あるとき駅の端っこで、骨董品のようなものを売っているお店を見つけました。ふらりと迷い込んでみると、ポケモンのイーブイの形をした鉱石でできた置物がありました。 そこで私は、自分の名前を思い出しました。 お兄さん、私自分の名前を
少し、少しだけ、自分語りをさせてください 好きな人がいました。好きな人、と言う表現なんかじゃ表せないくらい、わたしは彼を愛していました。 彼の望むことはなんでもしました。時には、望んでいないような願いも叶えました。 私は彼の神様になりたいと考えていたのです。 どれだけ彼に尽くしても、彼は私を愛することはありませんでした。彼は人を愛すことのできない星のもとへ生まれてしまったからなのです。 それならそれで仕方ないと思い、わたしは彼を愛し続けました。生涯分の愛のすべてを捧げた
キャバクラを3ヶ月で辞めた。辞めさせられたというべきか。今年1月のことだった。 同期で入った女の子二人に嵌められ、これは見事にまあクビになってしまった。自分の客を取られたとか、私のことが気に食わなかったとか。まあ理由なんて何でもいい。とにかくクビになった。稼ぎのいい店だったのに、そこだけは少し残念だ。まあ客も大してついていなかったからいいのだけれど。 というわけで2ヶ月ほどニートをした。その間にオカマバーにハマった。どこか居場所が欲しかったのかもしれない。場末だが90分
5ヶ月のニートを経て、ようやく労働に復帰した。相も変わらず夜の世界だ。 だが待遇が全く違って、これにかなり驚いた。まず今までの店はドリンクバックなどなかったのだが、これが存在する。そこだけでも驚いたのに、頑張りに応じて時給が上がるのだ。今までの店舗のように出勤日数に応じてではない。しかも最低時給でも今までのフル出勤より高い。 そして何より嬉しいのが、スタッフがしっかり女の子のことを考えて働かせてくれていることだ。つらいことがあればすぐ相談に乗ってくれるし、アフターケアがきちん
最近、拒食がひどくなってきた。食欲もわかなければ、食べても全部吐いてしまう。それはきっと自分が醜いってわかってるから。これ以上醜くなったらおしまいだってわかってるから。もう終わってるのに、まだおしまいがあるなんて神様もひどいことするよね。 そのせいか文章を書くのも時間がかかってしまって、いまいち考えがまとまらない日々が続いている。昼過ぎに起きて、適当に動画を見て、酒を飲んで死んだように眠る。毎日これの繰り返しだ。もう働こうとかそんなことも思えなくなってしまった。本当はそんな
最近、何かに執着することがなくなった。 最後にまともな食事を摂ったのは先週の土曜日。それからはアルコールばかりの暮らしだ。別に空腹も感じない。体重の減るスピードに、思わず渇いた笑いがこぼれる。 眠剤をアルコールで流し込んだ後は、次の日の夕方まで死んだように眠っている。そして、懐かしい人ばかり夢に見る。目覚めてから記憶をたどり、こんな人がいたなあくらいの人が、毎日夢に出てくるのだ。 そして今日、大好きだった人が夢にいた。記憶の整理も、いよいよ終わりの段階に近づいているのかも
(夢の話、オールフィクションです) 次のニュースです。 東京都A市で、女性がアパートの4階から飛び降りました。 近くに遺書のようなものもなかったこと、また同席していたふたりの友人からも自殺の兆候は見られなかったということで、警察は事件と事故の両方から捜査しており——。 被害者のB(仮名)は専門学生で、特に変わったこともなく毎日登校していたという。 しかし死亡した時に立ち寄っていた友人、Cは素行が良いとは言えず、学校をサボっては遊びに明け暮れていたという。この正反対にも思え
人を愛する、ということがいまいちなんだかわからなくなってしまった。 できるだけ客観的に振り返ってみると、この人に彼女ができたら嫌だな、とかは思うこともあった。けれどもその人に無償の愛を注げるほど好きなわけでもない。きっとただの依存先としか見ていないのだろう。そんな自分を依存するものとしか見ていない人間を、誰かが愛するはずもなく。 気づけば愛することも愛されることもわからなくなっていた。思うと私は一方通行の恋愛しかしたことがないから、愛されるなんてもっとわからない。けれど、確か
忘却することをもって愛としよう。 わたしは、大好きだった人のことを忘れることにした。本当に人生を狂わされるほど好きで、愛していて、叶うことなら自分のものにしたかった。叶わぬ願いになってしまったのだが。ずっと手篭めにして、手元に置いておきたかった。 けれどそれは叶わぬ願い、あなたの足の腱を切って永遠にわたしのものにしたかったけれど、わたしはよわいからそんなことをできるはずもなく。 だからわたしは、あなたを忘れることを、愛と信じよう。 忘却することは、ときに人を傷つけ、守ること
タイトルの通り、仕事を辞めた。先週末のことだ。 実質飛ぶような形で辞めることになってしまったが、正直仕方なかった部分もあるし、悪いことをしたとは思っていない。 その顛末を書いていこうと思う。 4月からだっただろうか、上司が変わって、店長も変わった。それが終わりの始まりだった。元々肉体も精神もボロボロで、いつ壊れてもおかしくなかったところに追い討ちが来た感じだ。 まずシフトの自由が効かなくなった。水商売のいいところは、自分の体調やら予定やらに合わせて基本週ごとにシフトを組める
とにかく人間の最終的に行き着くような客にばっかり好かれる。そういう店ではないのに無理矢理触られたり、パンツの中に手を入れられたこともあった。そのたびに私は裏でめそめそして、私の尊厳が汚されたってずっと泣いている。 キャバ嬢は、人間扱いされちゃだめなのだろうか。 そればかり考えている。泣いていても慰められることはない。お前に隙があるからだって責められる。一応私だって人間なのに、どうしてそんなふうに言われなきゃいけないのだろうっていつも考える。 きっと同じ思いをしている女の子もた
ついに何でも誹謗中傷したいマンに目をつけられた。 レイプや夢の話の記事に意見とも呼べないような誹謗中傷がコメントされていて、誤字もあるし中身もスッカスカのコメントだったので削除したのだが、ついに私もこういった人間に目をつけられるようになったか、と思った。 正直、少しうれしかった。 わざわざ暇と時間を使ってまで、私の拙い文章を読んでくれたことがうれしかった。最後まで読まないととても書けないようなコメントだった。批判されるほどに、私の文章は誰かに届いたのだ。それが少しだけうれ
目を開けるとそこには、ふたりのこどもがいました。 聞くに彼らは、「あらた」「あさひ」という名を授かっていると言います。ですが周囲に彼らの両親の姿は見当たりませんでした。それをうっすらと二人に問うと、「親など初めからいなかった」と答えるのです。そうであれば彼らは何から産まれたのか、私は探究心が尽きませんでした。 はじめに彼らは私を「入浴」させました。薄いTシャツのあらたとあさひの身体はやわく陽に透けて、まるで陶器づくりの人形のようでした。ふたりの姿形はよく似ていて、違うとこ
エヴァを観てきた。その中で特に気になって、演出が上手いなと思った部分があったので書いてみようと思う。もう誰かが書いているかもしれないが。 あらすじは割愛する。第三村で心身喪失したシンジが出会うのが、鈴原トウジである。彼はかつての委員長と結ばれ、子供を設けている。そのトウジが委員長、そして娘のつばめがいる家に帰ってくるときに口ずさんでいる歌がそう、吉田拓郎の「人生を語らず」なのである。 この曲の歌い出しは『朝日が昇るから起きるんじゃなくて 目覚める時だから旅をする』である。
最近、季節の変わり目だからか希死念慮が悪化している。相変わらず心を殺して別人が働いている。だが休みの日に天井とYouTubeを見るの繰り返しで、気付けば涙を流して酒を飲んでは疲れて眠っている。そんな日々が続いているのだ。 これはまずいと思ってはいるのだが、休みの日に外に出る気にもなれない。そもそも着替えるのも億劫だし、化粧なんてもってのほかだ。今日も、数少ない友人からの誘いを断ってしまった。(事情は説明したが) どうしてこんなふうになるまで生きているのだろう。仕事柄、厳しいこ