西陣織を学ぶ(後編)
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さて、西陣織という1つの文化や杼(ひ)という西陣の文化要素を違うかたちでも残していきたいとする情熱に当てられた私は西陣織を知りたいと思うようになった。
西陣織
「多品種少量生産が特徴の京都(西陣)で生産される先染(さきぞめ)の紋織物」の総称。
国の伝統的工芸品。
西陣で西陣織を知る事は簡単で、資料館がいくつもあるし、見学をさせて頂ける事業者さんもある。
だから、いつでも行けると考えていた中に緊急事態宣言の発令があった。
そのため、公共施設である資料館のほとんどが閉鎖している現状にあった。
「西陣織を知るなら西陣織会館に行け」と言われていたのだが、こちらも
緊急事態宣言下にあるために休館中であった。。。
(現在も緊急事態宣言下にあるため閉鎖されている)
見学から体験もできる。更に、着物の着付けイベントも行っている。
どうしたものかと悩んでいる時に、「おりなすかん」なる場所があると教えられた。
おりなすかんは「織(おり)成(なす)館(かん)」と書くらしい。
それが西陣にあって、いつもお世話になっているLaughter coffeeさんの近くにあるらしい。。
(Laughter さんのカフェオレがおすすめです。
カフェオレについて書いた記事はこちらから・・・👇)
さて、話がそれたので戻す。
どんな場所なのか、何を見れるのか事前情報が全くなかったが、2つだけ教えてもらえた事があった。
それは・・・
①渡文(わたぶん)さんという事業者さんが作った場所
②手で織られた西陣織が見られる
と言うことだけだった。
情報が少ないがお構いない私。無鉄砲な私。。。
ネットで調べるより行く方が早いなと思い、実際に行ってみた。
場所はここ・・👇
外装の写真はこちら。
暖簾をくぐり、受付でチェックイン。
入館料は1人500円。
入っていきなり、能の衣装を復元した着物の登場。
(私のずぼらが発動したため写真がありません。直す。。。)
綺麗な着物の出現に驚いていると、2階にある手織り工場へ通された。
実際に作っている職人さんがガイド役として担当して頂けた。
職人さんは実際の織り方や道具の説明を丁寧にしてくれた。
ただ、驚いたのは工場には織を織っていくための機械があった。
手織りと聞いていた私は、機械があることに「本当に手織りなのか?」
と疑問を持った。
だが、職人さんが機械の前に座って実演をしてくれたおかげでそれは解消した。
まず、並列にならんだたて糸に対して側面からよこ糸を通すためにたて糸を持ち上げる。この際に、足でペダルを踏むことで糸が持ち上げられる。
次ぎに、手でよこ糸をたて糸に絡ませていく。
最後に整えて、たて糸を持ち上げる。よこ糸を通す。これを繰り返していくことによって糸が模様をもった布状に織られていく。。
一見、原始的な方法に見えるが、非常に繊細で神経を使う方法だろう。
なぜなら、たて糸は紋紙(もんし)と呼ばれる紙に穴が開いていてそれ通りに持ち上げられる。
しかし、デザインは表面に出るのではなく、裏面に写し出されるため、鏡を使って、発注通りのデザインかどうかを確認しなければならないからだ。
手間がかかる作業だ。
神経がすり切れない訳がないだろう。
たて糸とよこ糸をただ絡めていくだけでは美しい西陣織はできないことを発見できた。
手元にある布はただの布だが、こうやって布になる過程を見ると糸の一本まで凝視しなくては職人さんを努力を見逃すようでもったいないという感情に当てられている。。。
さて、今回はイベントに参加し、共感し、西陣織の一部を知る事ができた。
面白かったし、充実した西陣生活を送れたと思う。
こうやって身近にある学びのきっかけを拾えて、実践できるのが西陣の良いところだ。伝統の眠る町に住んでいる特権だとも言える。
もちろん、これは西陣に限った話ではないだろうが、私は西陣に住んで、tクさんの人と関わることができて初めて気づくことができた。
西陣に来てよかった。もっと西陣織について知りたいな。
少し長くなったがこれで終わり。
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渡文株式会社ホームページ
織成館ホームページ
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