21歳と夏と青春小説。
投稿のタイトルを「君と夏が、鉄塔の上」にかけたようなものにしたかったのですが、どうにも難しく文章を書き始めている次第です。
私は都内の女子大学に通う21歳です。人生最後の夏休みを迎え、例年なら海やプールに行って遊んでいたはずなのですが、今年はできないのでお家で三人称の実況動画(マインクラフト生放送)を見ながらこうして読書感想文を書いてみるのもいいかなと。「鉄塔さん」のファンなので"サイン本"当たらないかな~という下心と私が書いた文章を読んでもらえる嬉しさとでおおむね読書感想文とは言い難い内容になりそうなのですが、21年間で培った語彙を駆使して2020年の夏と「君と夏が、鉄塔の上」を振り返ろうと思います。
私がこの小説を読むきっかけは未来屋書店での賽助先生のコメント動画です。8月上旬書店に赴き、書籍を購入しました。丁度就活中で最終面接を3日後に控えていた時、すべてが終わったご褒美に読もうと決めて購入。その一週間後に無事に内定を頂き清々しい気持ちで物語を読み始めました。そんなこんなで2020年の夏の思い出と言えば、自分の将来が決まったことと伊達という主人公を介して鮮やかで儚い夏の思い出を自分の人生に起こった出来事のように書き加えたことの2つです。
私の中学3年生の夏といえば、1・2年生で勉強をさぼりにさぼりまくってきた結果どん底にあった成績を少しでも上げて高校に進学すべく、毎日のように塾に行き勉強しかしていなかった為、特段楽しかった思い出はありません。丁度空白の夏休みだったので、人生の学生時代が終わるこのタイミングにとても不思議でキラキラした思い出を加えることができて嬉しい限りです。
私は伊達が鉄塔好きなのも、比奈山が霊の一件で学校に来なくなったことも、帆月に94号鉄塔の上の椚彦が見えたことも全部最初から決まっていたことだったように思います。ひと夏の運命が引き合わせた偶然のような必然ってあるものだと思うのです。私がこのタイミングでこの本を手に取ったことも例外ではなく、これから社会人になろうとしている私に大事なことを教えてくれました。流れに身を任せて目の前で起こることに挑んでいく勇気です。きっと、伊達は少ししか話したことがない帆月と比奈山と夏休みの大半を一緒に過ごすなんて思ってもいなかったし、鉄塔という趣味が自分に他人との繋がりを作ることになろうとは予想もしていなかったしはずです。関わらないという選択肢だってあったはずなのに、最終的には建設中のマンションの屋上から羽のついた自転車で飛ぼうとするくらい目の前の事に夢中になって必死に挑んだのです。誰にでも真似できることじゃありません。伊達という人物を通じて勇気を貰いました。前述したように、私は来年の春から社会人になります。15歳の頃からぼんやりと憧れていたデザイナーという肩書きを背負って。この道が自分に向いているのか、これでいいのかなんて分かりません。でも、伊達のように今目の前ので起こっていることこら目を反らさずに、自分の気持ちに正直に夢中になりたいと思います。私の近くにある鉄塔が私にも不思議な縁や体験を連れてきてくれるかもしれないと思ったら、少しわくわくした気持ちになりました。私がこの物語に出会えたように、世界はまだ知らない事や出会いで溢れているはずです。
いつか帆月が言った「それは知ってるなんて言わない。行ったことも、やったことも奴が意味ないなんて言っちゃだめよ。やってみて初めて”ああ、これは意味なかったな”って分かるんだから。」という言葉をいくつになっても思い出そうと思います。私の人生という物語が誰にも真似できない素敵なものになるように。
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