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風姿花伝(ふうしかでん) 能楽というエンターテインメントの基礎を作り上げた男の言葉
室町時代の能役者・世阿弥(ぜあみ)の執筆した
「風姿花伝(ふうしかでん)」は
能をいかに興行的に成功させるかという工夫の数々を、
実演者としての立場から説いた書である。
この記事では本文を現代語訳したものを
さらにさくっと読めてしまう文にしたものです。
何かを切り開いた偉人の言葉は現代に読み返すことで
迷いやすい様々な道から選択できるようになる手助けになります。
ご興味のある方は本当の現代語訳参考リンクを一番下に
貼り付けてありますので読んでみてください。
<第一 年来稽古条々(ねんらいけいこでうでう)”三十四、三十五歳編”>
この頃が能のもっとも油の乗った時期である。
この時期に、この風姿花伝の心得の一つ一つを会得して上手になっていれば、
きっと認められ名声をとることができるだろう。
もしこの時期に認められず、名声も思うように手に入れていないのであれば、
いかに上手に芸ができても、いまだ本当に花を知らない芸人だと理解をするべきだろう。
もし芸の極みを理解することができていなければ、
40歳を超えてから、その芸は下降線をたどっていくことになるだろう。
芸が向上するのは35歳まで、下降するのは40歳を過ぎてから。
繰り返すが、この頃までに芸の極みを獲得しておかねばならない。
そしてまた自重しないといけない。
この時期は過去の舞台を数々思い出して、これから先の芸の演じ方も
あらかじめ考えておく時期である。
こういう時期に芸の奥義に達していなければ、
この後に天下に認められることは難しいだろう。
次回は「第一 年来稽古条々(ねんらいけいこでうでう)”四十四、四十五歳編”」です。
武蔵の「五輪書」とは違う考え方も多くもっていて、
人それぞれで正しい道など昔からないんだなと、改めて思います。
英語でも「Flowering Spirit」「Kadensho」などの題名で出版されているそうです。
世阿弥がこの書を書いた経緯や、この書が出版されるまでの経緯も面白いので
また別記事にしてアップしたいと思います。
ではでは。
参考
https://roudokus.com/Fushikaden/01.html