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岩波文庫の永井荷風『断腸亭日乗』に私のnoteが引用される!

 先日、永井荷風『断腸亭日乗』が岩波文庫として出版されました。今まで抄録は岩波文庫に入っていましたが、今回は全編が収録予定で今後続々と刊行される予定とのことです。『断腸亭日乗』のすべてを閲覧するには今まで『荷風全集』(特に1990年代に岩波書店から出版されたもの)を参照するしかなかったので気軽にアクセスできるようになるのはありがたいです。(『荷風全集』は国会図書館デジコレに収録されていますが館内限定公開。)

岩波文庫の表紙

 それだけではなく、今回の文庫の目玉は圧倒的なボリュームがある註釈です。ボリュームのある註釈では、以下の記事で紹介した柳田国男『明治大正史世相篇』(角川ソフィア文庫、2023年)が非常に良かったので、今回の『断腸亭日乗』も楽しみにしていました。

 そこで、この註釈を確認してから購入しようと思って近くの書店に行って立ち読みしてみると、拙noteでも度々紹介している平澤哲雄の註に以下の写真のような記載があるのを見つけました。

どこかで見た名前ですねと思ったら、なんと私の名前が出ていました!

 これには驚くと共に恐縮してしまう。今回言及いただいたのは平澤の年譜とそれを補完した以下の記事です。

 そもそも私が平澤に対して調査を行うきっかけとなったのが、以下の記事で紹介したように『断腸亭日乗』に平澤のことを発見した(注1)ことですので、そのきっかけとなった本やその分野の研究にわずかながら寄与できたことは非常に嬉しいです。

 私のnoteは相変わらずどなたに需要があるか不明なマニアックな話題が中心ですが、今回のようにいつどこに活用されるか分からないので今後も継続して発信いきたいですね。

 余談ですが、上記の記事は当初南方熊楠がポーランドの初代大統領にもなったピアニスト・パデレフスキーに言及しているというだけで終えるはずでしたが、同じ箇所で熊楠が平澤のことを詳しく説明しており気になって調べ始めたら底なし沼でしたという裏話があります。熊楠にはめられた(?)とも言えそうです。

 ところで、今回の註によれば、平澤は雑誌『婦人画報』の主幹をつとめていたようです。この情報は知らなかったのでこの雑誌も今後調べてみたいですね。(いつになることやら)

(注1)『断腸亭日乗』で平澤に言及した部分は以下の記事でも紹介している。

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Theopotamos (Kamikawa)
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