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江戸文化研究者・松川弘太郎の生年が判明―素晴らしき次世代デジタルライブラリー

 以前以下の記事で江戸文化研究者・松川弘太郎という人物のことを紹介したが、この人物の生没年はよく分からなかった。しかしながら、お恥ずかしいことに今さら存在を知った次世代デジタルライブラリー―国会図書館デジコレに収録されている一部の書籍の本文を全文検索できるサービスである―を使用して調べると松川の生年が分かった。

調べてみると、松川は俳人でもあったようで『現今俳家人名辞書』宮地貞頴編(紫芳社、1909年)に松川が立項されている。以下に引用してみたい。

碧泉 松川弘太郎 東京市日本橋区久松町二永田方。呉服商店員。別号虹雨、芳⊡。明治二三年八月十一日生。出生地同市本所区林町(⊡は解読不能。筆者により一部を現代仮名遣いにあらためた。)

松川が1890年8月11日に東京で誕生したことが分かる。上記の記事で松川は東京高等歯科医学校の総務部教務課につとめていたと述べたが、この職に就く前は呉服商で働いていたようである。

 『現今俳家人名辞書』に掲載されている「俳人・松川弘太郎」が私が調べている「江戸文化研究者・松川弘太郎」と同一人物であるかどうかという疑問が出てくるかもしれない。江戸文化研究者・松川が発行していた雑誌『江戸往来』第2巻第2、3号(1928年)(注1)に「江戸の七不思議」という文章を松川碧泉は投稿しているが、碧泉はおそらく江戸文化研究者・松川の筆名でもあるのだろう。そのため、私が調べている松川は江戸文化研究者であり、俳人でもあったと言えるだろう。

 ところで、冒頭に紹介した次世代デジタルライブラリーはもの凄い検索ツールで検索すると今まで私が知らなかった情報が結構出てくるので、検索していて非常におもしろいツールだ。今さら私がすすめるまでもないかもしれないが、今まで分からなかったことを知ることができるかもしれないのでこの記事を読んでくださった方々もご自身の関心のあることをぜひ調べてみて欲しい。検索ワードをそのままで知らなかった情報が出てくる可能性が高い。私も次世代デジタルライブラリーを使わなければ今回の情報にアクセスできなかった。

(注1)『江戸往来』に関しては、以下の記事を参照。




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