趣味人・伊藤喜久男のルーツは岐阜県?
以下の記事で紹介した趣味人・伊藤喜久男だが、伊藤の小伝である串間努さんの「日本における、趣味誌発行の歴史 第五回 伊藤喜久男さんのこと」(串間努編『旅と趣味』第6号、2011年)によれば、伊藤は東京生まれであるが、父は岐阜県の出身であるという。
串間さんの小伝では、伊藤の父が岐阜県のどこの出身であるかまでは述べられていなかったが、私の手元にある資料で伊藤のルーツを示している可能性のある記述にあらためて気が付いた。この記述は以前以下の記事で紹介した今井源之助編『全国蒐印趣味家名簿』(神戸スタンプ同好会、1936年)の伊藤の項目にある。あらためて写真を掲載しておきたい。
伊藤の項目に「当地駒野出身者也」という記述がある。上記の伊藤の記事で紹介したように、伊藤は東京の本所出身であるので、伊藤は「駒野」出身ではない。そこで岐阜県のことではないかと推測して調べると、岐阜県海津市に駒野駅という駅があることが分かった。そのため、「当地駒野出身者也」は伊藤の父が岐阜県の駒野出身であるということを意味しているのではないだろうか。
ところで、串間さんも紹介しているが、岐阜県は趣味人と関連の深い地域であるのが興味深い。串間さんによれば、喜久男と共同で『蒐集時代』を発行したことのある伊藤竹酔の父が岐阜県の出身であるようだ。拙noteではおなじみ(?)の人物である『土の香』を発行していた加賀紫水、この雑誌をはじめ様々な趣味誌に投稿していた鷲見東一も岐阜県の出身である。
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