レゴ:クリップによるズレ問題を解いてみた
前回記事で「クリップとバー」の組み合わせによる接続方法を取り上げました。このとき本文で触れなかった注意事項として「クリップの向きによってズレが生まれる問題」を補足しようと思います。
クリップには、①ヨコ向き(水平向き)と②タテ向き(垂直向き)、③上向きの3通があります。このうち、②縦向きと③上向きのクリップを使うときには、クリップ位置の違いに気をつけなければなりません。
特にスタッズの方向転換(SNOT)を行うときに、この違いがシビアになります。以降、具体的にどのような問題が起きるのか、順番に説明します。
1. ヨコ向きのクリップの場合
ヨコ向きクリップは、クリップの中心が付け根のプレート部分の延長にあります。このため、すべての部分が1プレートの厚さに収まっています。
例えばバーを挟んでヨコ向きクリップは背中合わせにしたときに、お互いにピッタリと接地します。1プレートの無駄なくきれいに方向転換を行うことができます。
2. タテ向きのクリップの場合
タテ向きクリップ、そのクリップの中心がプレートのやや上、正確に言うと1/2プレート分だけ上にあります。
これにより、バーを挟んでタテ向きクリップを背中合わせにすると、お互いに1/2プレートづつ隙間ができてしまいます。きれいな方向転換ができません。これが「タテ向きクリップによるズレ問題」です。
また別の事例を取るなら、タテ向きクリップをヨコ向きに使ったとき、その位置は①のヨコ向きクリップをそのままヨコ向きに使ったときとはズレます。(言葉でいうとややこしいので、下の画像を見てください)
上の図では「1スタッズ = 2.5プレート」の原則を利用して、緑色の構成は幅が5プレート=2スタッズ分であり、黄色の構成も幅2スタッズ分となります。どちらもクリップが使われている箱の大きさは同じですが、タテ向きクリップを使った構成では若干棒の位置が箱の中央からズレます。両者は同じものにはならないのです。
3. 上向きのクリップの場合
最後に上向きのクリップはどうかという話をします。上向きクリップは一見、クリップはベースとなるプレートに対してきちんと中心に収まっている様に見えます。ところがこの上向きクリップも、上方向に1/2プレート分、クリップの中心位置がズレているのです。
これにより、バーを挟んで上向きクリップを向かい合わせにすると、こちらもお互いに1/4プレートづつ隙間ができ、全体で1/2のズレになってしまいます。きれいな方向転換ができません。これが「上向きクリップによるズレ問題」です。
上図の構成例では、バーの厚さは1プレート分のため、使われているパーツ数だけで言えば本来は5プレート分=2スタッズ分になるはずです。しかしながら、上向きクリップとバーの間に隙間が1/4プレート分あるため、5プレート分とはならず、合計で5と1/2プレートとなります。
ズレ問題に対処するには?
A. 違うパーツを使う
こうしたズレの発生が気になるケースでは、タテ向き・上向きのクリップを使うのを避け、別のパーツで構成できないかを検討しましょう。
例えば [2] で挙げた方向転換をしたいのであれば、クリップではなく「3面ポッチ」のブロックを使うという方法もあります。こうすることで、隙間をまんべんなく埋める事ができます。また厚さが5.5プレート分も必要ないのであれば、より少ないパーツで構成することも可能です。
これらの代替案では、仕上がりの幅・高さのサイズは全く同じですが、隙間ができることなくすべてがパーツで埋まるので、横から見たときにキレイに見えます。
B. クリップの向きを変える
タテ向きクリップでズレが発生してしまった場合には、クリップを方向転換をすれば解決するというケースもあります。例えば以前に紹介した、バーを介してブロックの向きを交互に組み替えるワザをもう一度みてみましょう。
上の図では、ベースの白い部分はヨコ向きクリップを使いつつ上向きに、緑と赤の部分はタテ向きクリップを使いつつ横向きに組み立てられています。このとき緑と赤で使われているパーツの高さは同じですが、赤の方は、ベース部分からはみ出してしまいます。
緑の方がベースとピッタリ位置が揃っているのは、「ヨコ向きクリップの、クリップ中心から端までの距離」と「タテ向きクリップの、クリップの中心から端までの距離+プレート1枚の厚さ」が同じであるという性質を利用して、構築をしているからです。
この性質をうまく使って、タテ向きクリップをどちらに構えるかによって、ズレを解消できないか検討してみましょう。
今回は、クリップ位置の違いから生じる位置のズレ問題とその対処法として他のパーツを採用した解決例を取り上げました。クリップは非常によく使うパーツなので、こうして向きによる違い理解しておくと、作品づくりがよりスムーズになるかもしれませんね。
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それではまた次回。
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