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知りすぎることによって生まれる「副作用」

先を予測するための「論理」を明確に言語化することができる、頭がよくて経験も豊富な人は、ネガティブな予測をもとに自制したり、無計画に前進しようとする集団を抑止することができたりもします。反対に少数派ですが、特に若い世代の人の中には、経験や知識が乏しいがゆえに理論や予測の言語化ができず、「なんとかなるっしょ」的ないい意味での勘違い、思い込みなどを発動させてどんどん行動できる人もいます。

そしてさらに人数は限られてくるのですが、こういうなかば無鉄砲な人材が世にイノベーションを起こすことがあります。もちろん想像を絶するような苦労や、再起不能に近い失敗を何度も繰り返した結果ですが、会社を興して巨大な企業に成長させた例は結構あります。GAFAやNetflixなんかはその最たる例ではないでしょうか。

大河の一滴」にはこんな一節があります。

人間というものはいいことをイメージし、喜びを感じると細胞が活性化して、生命力がいきいきとよみがえる。実際、細胞が活性化して免疫力が高まり、神経シナプスが活発に関係し合う。

脳を鍛えるには運動しかない」にも興味深い解説が載せられています。

つねにストレスにさらされ、コルチゾールが過剰な状態が続くと、シナプスが蝕まれる。老化したニューロンによってストレスへの抵抗力が落ちるので、先手を打つべき。

先手とは「運動」すること。もしくは何かに「挑戦」すること。運動や挑戦を続けることで脳の回復力が増し、老化とともに減少するドーパミンの分泌を復活させることができます。

つまり何が言いたいかというと、「勘違い」や「思い込み」によっていいイメージ(成功する、うまくいく)を誘発させたり、チャレンジを促してドーパミンが大量に分泌され、前向きに行動し続けることができるということ。「勘違い」や「思い込み」をうまく活用して仕事の成果やQOLを高めていくことは可能なんだと思います。

サッカーやスポーツの試合では、キックオフ前に「モチベーションビデオ」を選手たちに見せることがあります。割と感動的な音楽や動画、写真、言葉などを駆使して編集されたビデオは、一般人である私がみても感傷的になってしまう。そして同時に(いい意味での勘違いが起こり)ドーパミンが分泌されて実際に選手のパフォーマンスが向上するというのは、印象だけではなく科学的にも正しい現象です。

勉強しすぎて、知識が増えすぎて、いろんな予測ができて「身動きが取れなくなる」ということは結構あります。勉強したり知識を増やすことは悪いことではないのですが、このような「副作用」があることを自覚することが大切。ネガティブな予測ができたら、その対処法を考えた後は開き直って(勘違いや思い込みを誘発させて)どんどん行動していくべきだと思います。

久保大輔




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