あなたの思い込みは間違ってるかも
学生に3回のテストをうけてもらう実験。
1回目のテストの結果は
みんな平均点。
その後、テストの攻略方法を教えられ
一生懸命勉強に励んだ学生たちは
2回目のテストに挑みます。
結果のいかんを問わず、
グループ1の学生には
「成績は変わらなかった」と伝え、
グループ2の学生には
「上位5パーセントに入った」と伝えました。
そして最後のテストでは、
グループ1の学生が
大きく成績を伸ばした半面、
グループ2の学生は
かなりの成績低下がみられました。
これは一体どういうことなのでしょうか?
■知能
に対する価値観は
2つに大別されます。
ひとつは「固定的知能観」
個々人の知能とは
もって生まれたものとして固定されている
と考えるものです。
もうひとつは「拡張的知能観」
能力は経験や努力を重ねることによって
高めることができる、という考え方です。
人生や仕事が「うまくいかない」とき、
前者は「自分に能力がないからだ」と考え、
後者は「成功は自分のがんばり次第」と信じることができます。
つまり前者は
努力しても自分を向上させることは不可能
という偏った思考によって
成長速度が遅い傾向がみられる一方、
後者は「今の私にはまだ難しいけど、努力すれば」
という前向きな思考によって
加速度的に成長の向上がみられる傾向
があります。
冒頭の実験で、
3回目のテストで大きく成績を落とした
固定的知能観をもつ学生は、
2回目のテストでの好成績が
「ありえない」と不安に襲われていたことが分かりました。
「成績は変わらなかった」
と伝えらて3回目のテストで成績が伸びたのは、
不安に襲われることなく、
がんばって勉強した攻略方法が生きた結果と言えます。
■これは勉強に限らず、
たとえばダイエットなどでも
同じパターンが確認されていて、
運動したり食事制限をすることによって
順調に体重が減ってくると途端に
「オカシイ…こんなはずはない」
といってなぜか急速に不安がわきあがって、
ドカ食いをしてしまいます。
拡張的知能観をもっている人
が聞いたら信じられない行いをしてしまって、
リバウンドをくり返して
目標が達成できません。
短期的な目標にしたがって
うまく体重を落とせていることを
「何をしたからうまくいったのか」
と自らの生活、運動を振り返り
プラスの情報をさらなる成長につなげ、
体重の低下が鈍化すれば
「なにが原因か?」
といってネガティブな結果に
真正面から向き合って対策を練る。
拡張的知能観を持つ人は
努力次第で誰でも成長できる
という信念がありますので
ポジティブな結果はもちろん
ネガティブな結果でさえも
目を背けることなく真摯に受け止め
次なる行動に落とし込むことができ
成長は2字曲線を描くように
急速に実現されていきます。
■運動することによって
神経細胞から前頭前野や海馬を活性化させることが
科学的にも証明されています。
脳神経線維の結びつきは、
学べば学ぶほど可塑性を増していきます。
つまり「学習とは変化することである」
という主張は単なるメタファーではなく、
物理的な事実だということ。
脳はオープンエンドなシステムであり、
何歳になっても学習によって鍛えることができますが、
逆にいえば、
使わない機能はどんどん
委縮、退化していきます。
自分が知っていることとできることとの間に
大きなギャップがあると、
脳はそれに対処しようと
構造を変化させ、
過酷な状況に出会うと、その事態に立ち向かい、
その事態への対処法を最適化させます。
間違いは思考の本質であり、
間違いは概念形成の核心。
学び、専門知識を育てる際に
間違いをおかすのは、
それが理解するために必要だからです。
間違いを禁じることは
疑うことを禁じるのに等しく、深い思考を奪います。
■固定的知能観と拡張的知能観。
メカニズムからして本質的には、
後者しかありえないのが脳ですが、
人の意識によって
その可能性が大きく左右されるという事実に驚きました。
無意識に「固定的」と思い込んで、
それに基づいた思考と行動を続けていると
成長が制限されるという事実。
逆にそんな情報を仕入れることで、
誤った思い込みを書き換え、
脳の可塑性を最大限に活かすこともできるわけです。
勉強や学びによって常に、
固定概念をアップデートする必要性を感じた一日でした。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?