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「センス」で差別化し、生き残る

昨日は

「かっこいい」

が実現する条件について書きました。

「条件」としていますが、
全体的にはフワッとした内容だったと思います。

読んでくださる方々に、
できる限り納得していただけるような文章
にまとめるべく自分なりに努力はしてみたものの、

ノウハウや方法論
を期待して読んでくださった方にとっては
消化不良だったかもしれません。

そしてそれは、
そういうもの」だとも思っています。

■「センスがいい」とは?


「あの人はセンスがいい」
よく耳にするフレーズです。

服装のセンス、インスタグラムの写真のセンス、
ディナーのお店を選ぶセンス、言葉遣いのセンス、
モテるセンス、経営のセンス、企画のセンス、、、、

サッカー選手の
私服姿をとってみても、

「センスがいい」

と感じる人とそうでない人
があったりしますが、

ではその違いを説明してください
と問われても、非常に難しい。


センスとは、引き出しの多さ

そしていつ、どこでどの引き出しを開けて、
何を取り出すのかが的確

これもセンスだと思います。

そしてセンスは、
センスのいい人を観察して取り入れて、

試して失敗してを繰り返すことで
磨かれていくもの。

教科書があり、説明文があって
読んで理解すれば身につく、

というものでは決してありません。
(教えることもできない、とも言えます)


センスのいい服を着ている人を観察し、

「なぜこの色と形を組み合わせるのか」

といった「なぜ」をいちいち考えては、
自分なりの解釈を与えて、

「じゃあ自分だったらどうする?」

と考え、試してみることで
センス磨きが始まります。

服の色や形などといった
「具体例」をそっくりそのままマネる、

という単純な話ではありません。


「モテるための必勝法」

が書かれた雑誌を読んで、
そのまま同じことをしてもモテるようにはなりません
(というかますますモテなくなりそうです)

他者の具体例の背後にある論理
(身体でいうところの「骨格」)を見出し、

自分の事例に置き換える。

他者の骨格のみ取り出して
自らの「肉付け」を行うわけですが、

自分の骨格とは「違う」ので、
自分の肉ではかみ合わない部分がでてくるわけです。

微調整を行い、実践して、
うまくいかなければ「なぜ」を発動させて

その理由を考えて、
次の実践に活かす。

そんな繰り返しの試行錯誤
が求められます。


■時間軸に配列して勝負するセンス

マーケティングを学び、
さまざまなセオリーを暗記して、

それらを単純にビジネスに応用しても
おそらくうまくいきません。

意気揚々と海外留学を終え、帰国した私。
サンガで知識を応用した大半の施策は大コケでした。

(※英国留学→京都サンガで勤務10年)

「このままではヤバい」

なりふり構わず
現場でファンと触れ合い、声に耳を傾け、

声を取り入れた企画を試しては失敗し、
失敗の要因を分析(言葉にして骨組みをつかむ)して、

改善案を次に生かす(次第に失敗率が減り)
という数か月の試行錯誤を経てようやく

数字が上向きはじめました。


ではなぜ、急に謙虚になって
試行錯誤するようになったのか。

それは「センスのある人」
に出会ったからに他なりません。

センスある人のそばにいて、
観察と「なぜ」を繰り返し、

自らに実装させることで
少しずつ「センス」が磨かれていったのでしょう。


少し話が逸れますが、

私は「本を読む」ことが習慣であり、
読んだ本を短くまとめることも習慣にしています。

そして人と話をすることも好き(趣味)
だったこともあって、

サポーターに会い、対話を重ね、
文章にまとめる(それをメルマガで配信する)
という施策をサンガで行うことにしました。

するとサポーターから
たくさんの反応をいただくことになり、

昨日記したデザイナーとの出会い、
そしてグッズ売上増が実現。

ファンクラブ会員も激増し、評価され、
という「好循環スパイラル」にはまったわけですが、

ひとつひとつの行動は
特に目新しい施策ではありません。

しかしながら、

デジタルマーケティングのような
クールな施策ととは対極にある古臭くて泥臭い施策を

「時間軸」に「配列」
することで勝負できた
のだと思っています。

趣味を強みに解釈(心理的変化)
人に会う、声を聞く、書く、配信する(行動変化)
評価される、楽しくなる(心理的変化)
出会い、あらたな実践(行動変化)
売上増、評価アップ(物理的変化)
より楽しくなり、さらに行動(心理的変化)


という螺旋的発展ストーリーで、
飛び道具は一切なし。

ちまたにあふれる「●●で売上倍増」
といったノウハウにはない

ストーリー

を作り出せた要因は、
センスによるところが大きい。

もちろん、
私にセンスがある、という話ではなく、

まだまだ修行中の身、
であることを誰よりも自覚した上で、

センスを身につける試行錯誤の数々が、
結果として大きな成果につながった

ということを
お伝えしたいのです。

ケガの功名や思いもよらない失敗も
多々ありましたが、

それをやりすごすことなく
意図的に改良改善、そして実装させる

というシステムを動かすことで
大きな成果につながった好例だと思っています。


■結局は「ミッション」

そして振り返ってあらためて思うのは、

日ごろ何を考えて仕事をしているか

その心構えが大切だということ。

誰の課題を解決したいのか。
そしてどんな世界をつくりたいのか

そんなミッション
を持っているかどうかです。

情報やデータをいくら集めたところで
未来を予測することは不可能。

大きなリスクに直面したり、
難しい判断を迫られたときに

サクッと前進できるかどうかは、
その人に信念や思想があるかどうかなのです。


ビジネスをしていると、
予期せぬあれやこれやに苦慮します。

昨今のコロナ禍もそのひとつでしょう。

しかしながらそんな
非連続な状況をいかにしてくぐりぬけられるか。

本質を見抜き、洞察する力を備え、
謙虚に解釈し、行動に移すこと。

これらもセンスとしか言いようがありません。

ノウハウや方法論、
スキルではどうにもならないことがたくさん。

ビジネスは
センス抜きに語ることができません。

あれもこれもとスキルを欲ばっても、
どこまでやってもキリがない。

ミッションという方向性から逸れることは
あっさり捨てる。

前向きな割り切りも必要でしょう。


■情報のコモディティ化

インターネット上にあふれる情報。

情報大爆発社会で我々は、
誰もが発信者となり、情報を提供し、

逆に、情報は無料で手軽に
受け取れる環境に生きています。

ということは
具体的ノウハウ系、ウルトラC的アイデア系の話は、
誰もが一度や二度聞いたことがある、

ということではないでしょうか。

そして次々に
あたらしいノウハウやアイデアが開発され、
世の中に拡散される。

昨日見聞きしたアイデアが
一気に陳腐化。

仕入れたアイデアの
鮮度が落ちるスピードが異常に速い。

なのでできるかぎり普遍的で
応用範囲が広い話をしたいと思うのと同時に、

簡単には身につかない、
けれども一度身につけば

一生廃れることのない
センスや「かっこいい」について

これからも考えて、書いていきたい。

モヤモヤしてしまうことも、
書いている私ですらありますが、

それでもそんな情報こそが
VUCAな今の世の中における

決定的で唯一の差別化要因
につながるのではないかと思っています。


※本稿は以下文献を参考にしました。
戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉
(楠木建)




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