未来は予測できないという制約がイノベーションを生む
「いつもおしゃれですね」
「今日も絶好調ですね」
会うといつも
こんな感じでホメ殺してくれる人がいるとします。
悪い気しないですよね?
そして、日を変えてまた
この人に会うとなったとき、
皆さんはどんな心境
になるでしょうか?
服装を気にしたり、
疲れているのに元気に振る舞ったりして、
「おしゃれでいたい」
「絶好調の自分でいたい」
そんな気持ちになって
体裁を気にしてしまうかもしれません。
人は、
自分の行動を合理化するために
意識を変化させる生き物。
「認知的不協和」
は、米国の心理学者、
フェスティンガーによって提唱されています。
■朝鮮戦争のとき、
米国人捕虜が
ことごとく共産主義を肯定するようになったそう。
では中国共産党は
彼らに何をしたのか?
「共産主義は敵」
という信念があった
米軍兵に対し、
「共産主義のいいところ」
を紙に書かせました。
「共産主義を肯定した(文を書く)」
という、自分がしてしまった事実は
二度と変えられませんから、
自分の信念を変えることによって
事実と信念の「不一致」を低減しようとします。
これが中国共産党による
洗脳のカラクリだと言われています。
■イソップ寓話の
「酸っぱいブドウ」では、
ブドウを獲れなかったキツネが
「あのブドウは酸っぱくておいしくないはず!」
と強引に考えることで
自己を正当化しました。
聖書では
「貧しい人は幸いである」
と書いてありますし、
「労働者は資本家よりも優れている」
と説いたのは
共産党宣言です。
価値基準を転倒させたり、
逆転した価値判断を主張することによって
平等性を確保しようとするのは、
「高級フレンチよりサイゼリアの方がおいしい」
とかなんとかいって
超貧乏だった学生時代に
なんとかして女性を口説こうとしていた
僕にもなんとなく
心当たりがあります。
■ここまで書いてきたのは
ちょっぴりネガティブですが、
ポジティブな面に目を向けるとどうなるか。
「得点王になる」
シーズン前に
ファンに宣言することで自分を追い込み、
結果的に
パフォーマンスが向上する。
「営業成績トップ」
を掲げたスタッフが、
一貫した人間に見られたいという意識を強めて、
その立場を維持しようと
猛烈に営業して成果をおさめる。
人前で約束することで
「責任は自分にある」
と認める心理をうまく利用すれば、
学校の成績がよくなるかもしれませんし、
休日でも家事をこなし、
子どもの面倒をみる良きパパ
を演じられるようになるかもしれません。
とにかく人は、
言ったこと、思ったことと
実際はどうだったかが違っているとき
違和感を感じて、
(居心地が悪くなって)
どうにかして
帳尻を合わせようとするみたいです。
■一貫性ある行為、
一貫性を保つことによって
周囲の評価はある程度高まります。
約束したこと(宣言したこと)を
守って、実際にやり遂げたら
「あの人は口だけじゃない」
として尊敬される
ということはあると思います。
不確実性の高い現代において、
「予測の価値は減損している」
ことについて
一昨日まとめてみました。
過去の体験や実績、
数値をもとにした予測が、
あっさりと覆される世の中においては、
事後的に整理できる合理性が、
必ずしも事前に考えられた理屈を前提としません。
今にはじまった話
ではないのかもしれませんが、
十分に合理的とはいえない理由で
多くの人が「結婚」という、
人生において大きな選択をしたりする。
そのときのノリ、
といっていい過ぎですが、
「とりあえずこいつと一緒になるか」
ってやつ。
この人と結婚すれば
100%うまくいく!
という確信めいた見立てで
結婚しました!
と胸を張って言える人は
そんなに多くないのでは?と思ったりもします。
結婚生活がうまくいくかどうかは、
結婚後「どうやって帳尻を合わせるか」
その努力にかかっている
といっては言い過ぎでしょうか?
■未来を予測できない
そんな事実を所与のものとして
とりあえず「宣言」してみる。
宣言と事実の差異を補正しようとする
認知的不協和を利用して
懸命に努力するという
「つじつまを合わせ」で成果につなげる。
こう整理してみると
「流動的で可変的、不安定なシステム」
に放り込まれても
人は動揺せず、問題も感じない、
そう思えなくもありません。
というかむしろ、
未来は予測できない
という制約がイノベーションを生む。
そんな力強い解釈ができれば
事前の計画がうまくいかなくて
へこんで気持ちが萎えるなんてこと
逆に変だ!
と思えなくもない。
■目標
をもって遮二無二動けば
できないことなんてない!
どうにかなる(どうにかする)!
今日も過去に読んだ本を引っ張り出し
弱音を吐きそうな自分に喝を与えるべく
プラスの解釈をならべて
明日へのパワー充電に努めてみました。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます。
それではまた明日。
おつかれっした!
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