コミュニケーション能力は人生を激変させる
社内外に友だちがいて、良好なネットワークを築いている人は総じて、4年の間に収入が増えると言われています。皆さんは普段、どれだけ社内や社外の人とコミュニケーションをとっているでしょうか?安定した社内の対人関係をベースに、社外へのネットワーキングを行なうことは、たとえばビジネスにおけるスキルの習得などと同列、もしくはそれ以上に大切だったりします。
人との信頼関係を高めるためには、お互いの情報を握りあうととが大事。お金や健康に関すること、ネガティブな心境になったこと、楽しいこと、改善したこと、夢や目標、弱点やマイナス面、趣味や興味。特定の人の悪口は、自分自身の評価を下げてしまうからやめた方がいいでしょう。悩みや弱さを打ち明けられるということは、自分を客観視できている証拠であるとして謙虚さを認められるかもしれません。趣味を通じて学んだことを自分なりのエピソードを交えて話す、恥ずかしかった体験、罪悪感を覚えた体験をシェアするのもいいでしょう。ですが喋りすぎは禁物。自分語りはせいぜい3割程度に抑えるために、自分を表す3つのキーワードを用意しておくと便利です。
キーワードと、それに紐づく自己紹介。そして相手の情報収集。コミュ障だと自覚している人は特に、事前準備のひと手間があるかどうかで結果は大きく変わってきます。一貫性があれば信頼されやすく、相手との類似性を確認できれば友だちになりやすい。生まれ、育ち、学校。なんでもいいので相手との共通項を見出すことができれば話題は大きく膨らみます。そのために事前の情報収集は必要不可欠です。
プレイフルネス
どんな状況でも自分と周囲や環境に対して楽しい部分を見つけ出す能力、どんな状況でも遊び心を持って打開策を探る能力のことを指します。重要なのは楽しさや笑いを「2人の共同作業」の結果にすること。新しいプロジェクトの打ち合わせをしたり、営業先を訪問したり。とにかく2人だけの空間で、お互いにアドバイスしあったり刺激を受けたり学んだりする過程、時間を増やすよう心がけるといいでしょう。部下が数名いれば、全員でやりとりする時間を設けるより、個別に楽しさや苦しみを共有する瞬間を演出します。
私たちは、どこまでいっても人間ですから、「合わない人」との出会いを避けられません。ですがエクスプレッシブ・ライティングを使うと嫌な相手を許容できるようになります。1日の終わりに最低8分。不愉快だった出来事、不安に感じていること、仕事におけるミスなどを書き出します。そして書かれた文章を読み返すと、理性的な判断をつかさどる脳の前頭葉が働き、不安を処理してくれます。前頭葉は、感情や不安をコントロールする器官。自分自身の感情をコントロールすることで、他者を許せるようになるという理屈です。
「コミュ障でも5分で増やせる超人脈術」という本を読んで、実践することでコミュニケーションが超下手くそだった私も少しずつ変わってきたという自覚があります。一つひとつ丁寧に実践、検証と改善、自分仕様にカスタマイズすることでうまく周囲と立ち回れるようになりました。より詳細は本書に譲るとして、私の体験談も交えて、さわりだけ紹介してみました。おすすめの一冊です。
久保大輔