オンラインサロンは価値共創の営み
吉本興業では、
サッカー専用メディア「Runway」
にてオンラインサロンの運営を行っています。
課金型オンラインコミュニティでは、
一定数の文字量で
オーナーから定期的に発信があり、
メンバーがそれを楽しむという構図。
コメントを残すことができるので、
メルマガの双方向版みたいな感じでしょうか。
少しずつ関心が広がり、
「オーナーをやりたい」という問い合わせも増えてきました。
サロンを運営するには
4つのポイントがあり、
これがひとつでも欠けると苦戦します。
メンバー数の伸びはなかなか期待できません。
以下まとめてみました。
■ビジョンをもつ
オーナーは何をやりたいのか。
未来をどうしていきたいのか。
サッカーを通してどんな社会をつくりたいのか。
どんな価値を生み出したいのか。
経験や知識があっという間に陳腐化し、
予測することや最適化することが
時代遅れを招く激変の世の中において、
どんな目的で、
それはどなぜ大事なのかを
主体的に構想するという
「知的格闘」ができるかどうか。
人は、
目的がわからず、
それがなぜ大事なのかも語れない
そんなオーナーの発信を聞く「意味」を
見いだすことはできません。
共感できて、
自分の時間とお金と能力をささげたい
と思えるような唯一無二の、
こだわりが感じられるビジョンがなければ、
たくさんのメンバーと
コミュニケーションを図ることはできないでしょう。
■毎日更新する
月額が1,000円のサロンがあったとして、
毎日更新すれば、
一記事は約33円で
良質な記事をサロンメンバーに提供することができます。
週一回の更新であれば、
一記事が250円。
つまり発信頻度によって
お客さんに割高感を抱かせることになるということ。
これは価格戦略という文脈において
無視できないポイントになります。
また、オーナーがかかげるビジョンと、
その背後にある「意味」を形成するには
膨大な情報量が必要であり、
膨大な情報量を人々に浸透させていくためには
非常に長い時間がかかります。
あるべき理想像を追求する営みにおいて、
メンバーの共感が増幅され、
メンバーが奨励し、
あらたなメンバーに波及するような環境を
いかに生み出すのか。
オーナーのビジョンに感動し、
熱狂する機会をいかにつくるのかは、
毎日の、不断の発信次第
といっても過言ではありません。
■大量のインプットを心がける
毎日更新、
つまりアウトプットをおこなおうと思えば、
必然的に大量のインプットが要求されます。
日々の活動や仕事が
ビジョンの達成に紐づいていることは当然のこととして、
たくさんの人に会って話を聞いたり、
「これは!」と思う人の講演会に足を運んだり、
関連図書を読んだり。
パターン認識に陥らないよう、
経験に頼らず新しい情報に触れることも大切。
虚心坦懐に現状を観察し、
経験や知識は日々アップデートすることを心掛けなければ、
質の高いアウトプットは実現されません。
「分からない」ことから目を背けることなく、
「自分には合わない」と思うようなことでも
謙虚に耳を傾け、
ときにビジョンの実現には関連がなさそうな分野
にも目を向ける「遊び」を取り入れながら、
日々大量に
情報をインプットしていくべきです。
■集客する
ビジョンの成就は
ひとりでなされるものではありません。
多くの協力者のサポートが必要です。
価値を共創していく仲間の存在が必要です。
たくさんの人にサロンの存在を知ってもらい、
興味をもち、近づいてみたい
と思ってもらうような「場」を用意しつつ、
サロンまでの動線をデザインする。
「なぜサロンにはいらなければいけないのか」
は、興味がない人が
言語化できないのは当然。
サロンの価値=オーナーのビジョン
そうであるならばビジョンが何なのか。
目的とその目的をやる理由が明らかにすることが
無関心層に振り向いてもらう
唯一の手段です。
SNSを使い、
オーナーの熱量や振る舞いが
サロンの認知と期待値を高めていくのです。
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サロンに入るか入らないか。
ビジョンに共感するかしないかは、
当たり前の話ですがお客さんの自由。
人と人との関係と同じように、
その距離感は常に変化します。
メンバーを檻に閉じ込めるのではなく
心地よい環境をつくってあげて
自分にとって本当に大切な、
そして一緒に考え、行動していける仲間つくり。
その人たちが
どのようにして壁を超えて
熱量が高まって
自分にとっての資産となって
あたらしい仲間を呼んできてくれるのか。
今日はそんな価値共創の営みについて
論じてみました。
※本稿は以下文献を参考にしました。
熱狂顧客戦略(高橋遼)
ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式(山口周)
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