短期的なおカネより、長期的な信用を
試験勉強中に、
部屋の掃除をはじめた経験がある人
は少なくないと思いますが、
いわゆる「達成バイアス」と呼ばれる
心理学の現象に悩まされるのは
私だけではないでしょう。
毎朝トレーニングにいくのですが、
昨晩遅くまで打ち合わせがあったことと
朝の強烈な寒さと雨で気持ちが下がり、
iPadに手が伸びたら終戦です。
1時間ぐらいYouTubeを見続けて
トレーニングをサボってしまいました。
人は、長期的で重要なタスクよりも、
短期的で重要度が低いタスクに意識を集中させます。
余談ですが、
大事なことから目をそむけたくなる心理を
逆にうまくつかえば、集中力を高めることができます。
デキル人はあさイチで
一日のタスクを紙に書き出し、
シンプルで手をつけやすいものから
取りかかると言われています。
タスクが減っていくと
脳内にドーパミンが大量に放出され、
注意力やモチベーションが
引き出されていきます。
タスクを終えるごとに
集中力が爆上がりして、
返す刀で次のタスクに取りかかり、
一日のパフォーマンスが向上。
達成バイアスのおかげで
集中力がキャリーオーバーされるという仕組みです。
■「集中力」の文脈では、
既述のとおり短期的で重要度が低いタスク
に目を向けることにメリットがありますが、
「損失回避」という行動経済学に注目すると、
長期的で重要度の高いタスクはおろそかにできません。
人間だれしも、
得をしたいと思うけれども
損はしたくないと思うもの。
損をしたくないという思いは、
それと同額の得をしたいという思いより
倍以上強いと言われています。
Amazonで購入したベストセラー本は、
到着が2週間後であっても納得いきますが、
「翌日配達」と表示されていたのに、
何かのトラブルで2週間後の配達になると
俄然抗議したくなるのはなぜでしょう?
同じ結果であっても、想定外の待ち時間に
損失回避の心理が過剰に反応したということでしょうか。
損失回避という人の非合理な傾向は、
人類が十分な食料を確保できなかった時代
に起源があり、
今手元にある食料の方が、
この先獲得できるかもしれないもっと大きな獲物より
生き延びるためには重要でした。
私たちにはすぐ手に入る報酬に全力を傾ける
というDNAが備わっているようです。
ですが、
報酬の予感にすばやく反応する
無意識レベルのシステムによって
むやみやたらに
短期的な報酬を求めすぎてしまうと、
一年後の成果が少なくなってしまうかもしれない、
ということも頭に入れておく必要がありそうです。
売り込み過剰な営業をすれば、
営業成績がアップして
短期的には上司の評価につながるかもしれませんが、
クライアントの信用を落として、
以降は右肩下がりの成果となれば意味がありません。
マネタイズのポイントを
どこに置くのか?
いつどのタイミングでお金をいただくことが
信用毀損を回避して成果を得られるか?
ビジネスだけではなく人生においても
真剣に考えて、設計しておきたいですね。
■私は今、
サッカークラブの経営に携わっていますが、
代表者も含めて誰も報酬を得ていません。
金銭的、時間的コストは
けっこうな量になっていて、
普通の感覚だったら
続けるメリットを見出しにくい。
他にも仕事はあって、
リソースをそちらに向ければ
その方が
短期的には確実にもうかります。
ですがこのチャレンジには
大きな意義があり、
たくさんの人の心を豊かにしたり、明るくしたり、
前向きにしたり、
経済的にも恵まれた世界を創造する
可能性に満ちています。
即物的に、
いますぐ手に入る報酬はゼロですが、
未来に向けた信用を
せっせとつみあげている最中。
仲間が増えてきて特に大学生が多数。
明日はなんと高校生に会いに行きます。
「何か手伝させてください」
と一生懸命書いてくれたメールを見ながら飲む
赤ワインは最高においしかったです。
もし興味ある方がいらっしゃいましたら
まずはこちらまで連絡ください。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!