師匠のご厚意を受けて
独立初日。特にいつもと変わりのない朝のルーティンをこなし、クライアントの元へ移動しました。現状のヒアリング、課題の抽出、課題解決のアイデア提示。コンサルタントとしての第一歩でした。会社という看板を背負わずに、ひとりでクライアントと仕事をするのは初めて。緊張感と恐怖心でいっぱいでした。
現場では何も感じませんでしたが、帰宅した途端に疲労感に襲われる。いつもとはちょっと違う、よそ行きの仕事ぶりだったのかもしれません。少しほっとしていたところ、私が師事している方からメッセージが。開いてびっくり、「祝い花を送りたい」とお申し出くださいました。恐縮しましたが、最高に光栄な思い。ありがたく頂戴する旨、お返ししました。
私がこうして毎日発信したり、休むことなく仕事に打ち込んだり、「第二領域」として読書、運動に精を出したり。それはすべてこの師匠の影響を受けたものです。あこがれてあこがれて、でも怖くて怖くてなかなか一歩が踏み出せなかったけど、ようやく独立を決意できたのも同様。私の生きざまはすべて、彼のコピー(超劣化版ですが)です。
「営業=求められる人になる」
本当に必要としている人に、必要とされているものをお渡しすることが営業であると、師が発信するメルマガに記載されていました。営業と聞くと、数字を背負わさされ、未達の恐怖にさいなまれた担当者が、言葉巧みに、ときにクライアントを欺きながら、お客さんが必要もしていないのに商品やサービスを押し込むというイメージがありました。
そんな誤った思い込みがあったからでしょう。10年ほど前までは営業が苦手でした。まったく売れず、ついには行動するのが億劫になって、営業しているふりをして街をフラフラしていたこともありました。「営業=押し売り」という先入観が無意識レベルで思考と行動を制限していたんだと思います。そして営業成果は推して知るべし。
ですが、メンターに出会い、営業の何たるかを叩き込まれ、「営業=求められる人になる」という機微に触れ、半信半疑ながらも実践を続けているといつしか、仕事で困ることはなくなりました。売り込まなくても自然に売れていく感覚。身震いするような結果が出るようになって、営業の本質を知ることになりました。
独立するということは、ひとりで船に乗って大海を突き進むこと。目的地に着くかどうか、それまでに船が破損しないかどうか、食料や衣類は?健康面は?すべては自分次第で、窮地に陥ったときに助けてくれる人はいないと覚悟を決めなければなりません。ですが、窮地に陥る前、平時平穏のときにいかに先人の知恵を借りて最善の準備ができるかどうか。航海が事なきを得るためには、すでに先を行く、経験豊富な達人にアドバイスを請う必要があります。
不安定で、波や風がちょっとでも強くなればあっさりと沈没してしまう心もとない船にのってオールを漕ぐ日々。船をいかにバージョンアップさせて、安定感を整えながら、適切な航路を進むか。そのためにまた、メンターのコンサルを受けに行こうと思っています。コンサルは「する」だけではなく「受ける」ことも怠らず、常に勉強しながら、あっという間に陳腐化する知識やアウトプットを磨き、取り替え、また磨いていきたいと決意をあらたにしています。
久保大輔