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結果がともなう「出来高」の設定ポイント


お昼から完全オフ。ちょっとお酒も飲みます。二週間ぶりくらいでしょうか?運動もオフ、ダイエットをしているわけではありませんがいわゆる「チートデー」的にいろんな食材を楽しみたいと思います。なので午前が超大切。起きてすぐnote執筆にとりかかったり、玄関やトイレ回りを掃除したりなど、あれこれこなしていきます。

今日はわりとお金を使います。ということでお金にまつわる話を少し。「随伴性マネジメント」は、報奨とインセンティブの制度を通じて、人が自分の行動を自分で管理できるようになるまでのプロセスを支援することを指します。要はお金で人を動かせるかどうか

スポーツでは「インセンティブ契約」という言葉でなじみ深く、成績に応じた追加サラリーを受けとれる仕組みがあります。固定費を抑えたい、チーム成績があがって見込めるスポンサーフィーを頼りにインセンティブを採用するのは、営業収入が低めのクラブに多いのが特徴。日本では特にその傾向があります。

鉄棒にぶら下がる実験。平均して50秒間、手を離すのをがまんできた人たちに、「がんばれ!」と声をかけると平均ぶらさがり時間が75秒に延びました。さらに5000円をみせて「過去2回より長くがんばれたらこれをあげます」と伝えると、なんと2分近くまで記録が向上しました。

同じようなお金の効果を測る実験は、果実園で。生産性を高めるには「出来高制」が理にかなっているという結果になりました。作業員は数字があがるのを楽しみに、目の前の単調な仕事に集中。全般に出来高制は、生産者と作業員のどちらにもメリットがあり、お金がモチベーションとしてうまく機能することが証明されました。

ただし金銭的インセンティブの効果については大量の研究があって、「ある水準を超えると」うまくいかなくなるというおもしろい考察も。単純作業ではなく、知的労働や複雑な技術を必要とする仕事においては効果が薄いそうです。3万6000人の子どもに総額10億円を支払うという実際に行われたアメリカの「成績向上プロジェクト」では、結果が裏目に出ました。

制度には当然反対する親もたくさん。知的好奇心や学ぶ楽しさを知るという観点から、賛成しにくいという側面もあったと思います。脅迫があったりと、膨大なお金には激しい感情を動かす力があることも確認されました。倫理的な問題はあったものの実施された大規模な実証実験では、確かに成功例も。ですが対象者全員の成績が改善したという有意性は確認できませんでした。

効果が見られた学校ではちょっとした工夫がこらされていて、「読書の数」に応じた報奨制度がそのひとつ。自分で選べて、自分のペースで読み、あとでテストを受けて読書をしたかどうかを証明する。読解テスト自体にお金は出ませんが、結果的にテストの成績がアップしました。

成績にお金をうまく機能させた学校では、「努力すればだれでもできる」課題をあたえ、達成させていました。一方、成績に改善がみられない、むしろ下げてしまった学校では「成績そのもの」にインセンティブを設定。ニューヨーク、ワシントン、シカゴの子どもたちはお金がほしくて仕方なかったと思いますが、ダラスとヒューストンでは、課題が具体的、かつ明確で、自分の努力次第でどうにかなる仕組みが子どもたちを生き生きさせました。

インセンティブを機能させるには、具体的な課題を達成することに金額設定をして、課題のやり方を明確にすることが欠かせない。

そんな検証結果が得られた実験でした。単によい成績に報奨するだけではあまり効果がないようです。結果をほめるより、プロセスをほめる方が、子どもの成長に貢献するという実験もあります。「前はできなかったけど、がんばったからできるようになったね」という褒め言葉は、「すごいね!天才だね!」という結果に視点を合わせた褒め言葉よりも、子どもの内発的動機を促進。次のテストでは、プロセスをほめられた子どもの成績が一様にアップ。一方結果をほめられた子どもは、そもそも次のテストを受けたがらなかったそうです。理由は、点数が下がることを怖れたから。その後長きにわたって「努力を怠る」傾向が見られました。

スポーツの現場においても、インセンティブが功を奏する場合とそうではない場合がありそう。ポイントは、結果に焦点を合わせるのではなく、プロセスをインセンティブの重要項目に指定することです。クラブや監督、GMのマネジメントの見せどころ。こういった科学的な根拠を基に出来高制度を活用しないと、クラブ経営は安定しないということも言えそうです。

久保大輔




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