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お客様に警戒される理由

From 安永周平

突然ですが、営業をしているあなたに質問です。

「昨日、何人と会いましたか?」

この質問、メットライフ生命で13年連続トップの成績を収めた辻盛英一さんが、営業マン向けの研修でよく受講生に向かってする質問なのだそうです。すると、質問された人の多くは「2人です」とか「3人かな?」とか答えるそうなんですが…そんな人達に辻盛さんはこう質問を続けるそうです。

「昨日、ご家族とは会っていないのですか?」
「友達には会っていませんか?」
「社内では誰にも会わなかったのですか?」

すると、多くの人が慌てて「いえ、会っています」と答えるそうです。じゃあなんで2人とか3人とか答えたのかを尋ねると「”昨日会った”というのは、お客様の数かと思いました…」と言うのだとか。営業をしている人からすれば仕方のないことかもしれませんが、実はここに大きな問題が隠されています。さて、この質問にはいったいどんな意味があるのでしょうか?

この話が意味することは何か?

実はこの質問で「お客様のことをどのように思っているか?」が分かるのです。お客様というのは、家族や友人と同じ”人”です。それなのに、この質問で2〜3人と答える人は、無意識のうちにお客様のことを「商品を買ってもらうための人」だと考え、大切な時間を共に過ごしたい家族や友人とは全く別の存在だとみなしているということです。

たとえば、自分の手帳や予定表に「その日に会うお客様の名前」と「アポイントの時間」を書き込み、商談が成立しないと「×」をつけて消す営業マンは少なくありません。これは「買ってくれない人はお客様ですらない」と考えているのと同じです。商談が成立しなければ、この世に存在しないかのように「×」で消されて終わりです。こんなこと、家族にはしませんよね?

お客様に警戒される理由

シンプルに言えば「営業=売り込み」と考えているということです。自分が売りたいもの、売らなければならないものを押し付けて売る…それが営業だと。そして、ハッキリと言葉に出さないまでも「とにかく買ってくれ」と、お客様にプレッシャーを与え、お金を払ってもらおうとします。辻盛さん曰く、営業マンの半数以上はこうした仕事をしているのが現状だそう。

事実、大抵の営業マンは商品知識を学ぶ程度の研修を受けただけで現場に送り込まれます。そのため「営業とは与えられた商品を売ることだ」と思い込んでしまい、せっせと売り込みを続けます。そして、営業すればするほど、お客様に嫌われる結果になります。そんな自分に疑問を感じて仕事が嫌いになり、辞めたいと考える人が続出するわけです。

注意:お客様は道具ではありません

こうした仕事をしている営業マンにとっては、お客様は「売上をあげるための道具」でしかありません。そして、目の前の相手を「商品を買ってくれるだけの人」とみなしている感覚は、無言のうちに相手に必ず伝わります。そのため、お客様からすれば「売りつけられるのでは?」と警戒し、あなたを避けるようになっていきます。

しかし、当たり前ですがお客様は道具ではありません。家族や友人と同じ人間です。そして、もし目の前の相手が「買わない」という選択をしたとしても、あなたがその人に知ってもらい、気に入ってもらい、信頼してもらえているのなら、知り合いを紹介してくれるかもしれません。

目の前の相手と家族同様に接する

あなたの目の前の相手は、顧客になってもらえることはないかもしれませんが、あなたの商品に興味を持ちそうな知人友人を紹介してくれる「紹介元」になってくれる可能性はあります。そして、それが叶うかどうかは、あなたの対応次第ではないでしょうか。セールスの普遍の法則で「他の条件が全て同じなら、人は知っていて、気に入っていて、信頼している人に仕事や紹介を回す」のです。

あなたを信頼する家族や友人は、あなたが誠実な仕事をしていれば知人・友人を紹介してくれるでしょう。逆に言えば、信頼がなければ仕事も紹介ももらえません。そして、信頼してもらうためには行動、アプローチの”順序”が非常に大切です。これはボブがよく言っていることですが、どんな順番で行動するか、どのタイミングでアプローチするか…というのは紹介や成約の結果を大きく左右します。

効果実証済みの順序は使えばいい

さらに言えば、これらはある程度はシステマチックに進めることができるのです。まずAという行動をして、次にBという行動をして、最後にCという行動をする。そうやって「A→B→C」の順序で行動する方が、「B→A→C」の順序で行動するよりも上手くいく可能性が格段に高い…こうしたことは現実としてあります。

これは、商談1つとっても同じです。どのような流れで商談を組み立てるか?どの順序で会話を進めるか?お客様が質問してきたら、どんなパターンで返すのか?こうしたことを事前に考え、ロープレで練習しておけば、契約・紹介につながる可能性は高くなります。こうした具体的なノウハウを学ぶことは、きっとあなたの営業成績を伸ばすことにつながるのではないでしょうか。

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