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年寄りに営業は無理なのか?

From 安永周平

以前、トム・ホプキンスの名著『営業の魔術』を読んでいたら、営業職と年齢の関係についての話がありました。ちょっと想像してみてほしいのですが…あなたが「トップセールス」と聞いてイメージするのは、だいたい何歳くらいの人でしょうか? これ、米国の話ではありますが、事例を見てみると面白いことがわかります。

若過ぎる人は売れない?


ロバート・バーンズ氏は、18歳まで父親の大牧場を手伝っていました。仕事は安定していましたが、熊手で干草をかき集めるよりも、自分がまだ見ぬ可能性を追い求めるため、営業職に就くことを決めました。そして、彼がホプキンス氏のトレーニングを受けて、23歳の誕生日を迎えた時のことです。

彼の年収はなんと50万ドル(約5000万円)以上になっていたのです。すごいですよね。若干23歳の彼に対して「君はまだ若過ぎる」なんて言う人がいますが、トップ営業に若過ぎるなんていうこと自体がナンセンスです。一方で、「年寄りに営業は無理だろう」なんて言う人も世の中にはいます。これは本当でしょうか?

年寄りに営業は無理ってホント?


ジャートルード・ナン…彼女は勤めている会社から、高齢を理由に辞めるように言われていました。そのため、彼女は1ヶ月近くフラフラとしていましたが、やっぱり何かをしたいと感じていました。

彼女は営業経験がなかったのですが、たまたまホプキンス氏のセミナーを受ける機会があって営業を学びました。それから7年後、75歳を迎えた彼女の年収は10万ドル(約1000万円)を超えて「今が人生で最高の時よ」と言いました。75歳、定年が60歳だとしたら15年もあります。学ぶ意欲さえあれば、未経験からでも売れるわけです。

20代前半でプロスポーツチーム買収?


ジミー・ウォーカー氏は、16歳の時に保険の営業を真剣に学び始めました。彼は全ての情熱を仕事に注ぎ、大成功を収めました。その報酬額は、プロスポーチチームを買収できるほどでした(実際に買収したわけではないようですが)。そんなことができる若者がいったい何人いるかは分かりませんが、彼は20代前半でそれをやってのけたのです。

また、デビッド・バーンスタイン氏は、若くして高級車の営業で全米トップ4に入りました。ホプキンス氏もボブ・バーグも、よく手書きの礼状をお客様に送ることに大切さを強調しますが、デビッド氏はそれを圧倒的な行動量と効果的な活用で大成功を収めたと言います。

営業に適齢期など存在しない


もうお分かりだと思いますが、こうしてみると、営業に年齢は関係ありませんよね。もちろん、見た目や貫禄などでちょっと得をしたり損をしたりするくらいはあるかもしれませんが…それらが根本的な「売れない原因」になったりはしないのです。どんな年齢であっても、必要なことを学び、実践していれば年収1000万クラスの営業にはなれるということ。

では、その”必要なこと”というのはいったい何でしょうか? 年齢に関わらず「トップセールス」の称号を手に入れるような人たちは、いったい何をしているのでしょうか? これについて、現代において最も成功しているセールスパーソンの1人であるアンソニー・イアンナリーノ氏は次のように言っています。

トップセールスに共通する行動


「提供されたものの価値をどう認識するかを顧客に委ねてはいけません。顧客は顧客で、それについて自分なりの価値を感じはしますが、顧客にどのような価値を感じて欲しいのかについて私たちが考え、それを他の商品やサービスとの差別化に繋げていくことが大切なのです。 」

ここでのキーワードは「価値」です。価格でもなく、特徴でもなく、コストでもなく…価値です。この価値についての認識が”ない”営業マンは、残念な行動を繰り返しながら嫌われる営業マンへ一直線です。これは対面だろうが、最近注目されているZoomを使った「オンラインセールス」だろうが同じでしょう。

価値を提供できない営業の特徴


たとえば、目の前の契約を取るために値引きをしたり、相手にとってそれほど必要のない商品や、場合によっては正直あまりオススメできない商品であっても「なんとか売ることができないか」と考えます。いつも自分の数字を上げることを最優先して、それによって自分の収入がいくらになるのかを考えているのです。

彼らは、今月のノルマを達成するために、あの手この手を使って見込み客を探します。相手の都合を考えずに電話をかけて一方的に話し始めたり、異業種交流会に言って名刺を配って回ったり(ヒドい人はその場で商品を売り込んだり)、興味もない友達に商品についてのメールやLINEを一斉送信したり…

彼らの頭の中は、自分の営業成績を上げて収入を増やすことでいっぱいです。言ってみれば「自分の利益」しか考えていないのです。そして、自分の思ったように数値が上がらないと、一気に不安になります。こうした余裕の無さは態度にも現れるため、友人・知人から避けられるようになることも多いです。もちろん、知り合いを紹介してもらえることもありません。

「価値」を与える営業になろう


もちろん、仕方なくこうした営業をしている人もいるでしょう。ノルマを達成するため、何より大切な家族を養うため、責任感の強い人ほどこの罠に陥ります。でも、こうしたやり方を続けている限り成果は上がらないでしょうし、仕事を続けるのも難しくなるはずです。だからこそ、アンソニー氏が言うように、重視するものを「価値」にシフトしていかなければいけません。

顧客があなたを選んでいる理由が「価格」であれば、もっと安く売る人が出てきた時にその人は離れていきます。しかし、あなたが選ばれている理由が、あなたが提供する「価値」であれば…価格は問題にならないことがほとんどです。なぜなら、他の誰にもできない、あなたにしか提供できない価値を与えているわけですから。

PS
価値を提供する人は結果としてお金の不安がなくなります…

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