生産性を落とす正体とは?
FROM ボブ・バーグ
最近は、各種専門家やコンサルタントのあり方にますます期待がかかるようになっている。彼らが、企業に勤めている場合でも独立している場合でもだ。その期待と同時にプレッシャーも相当なものになってきている。これによって、本来実現できるはずの生産性が実現されなかったり、本当に大切なことに注目することができなかったりといった弊害も生まれてしまっているのが現状だ。
「生産性」とは何か?
私たちにとって、生産性という言葉が持つ意味は「何かを成すこと」を指している。特に、正しいことを成す、あるいは成すべきことを成すことを指していると言える。しかし、成すべきことを成そうとするとき、重要度の低いことに気をとられてしまうというのもよくある話だ。ここで重要なのは、重要であることと重要でないことをはっきりと分けて、より重要なことに焦点を当てるようにするようにすることだ。そうするこで本来私たちが持つ生産性のポテンシャルを最大限に発揮し、結果として他者や世界に対してより多くの価値を与えられるようになる。
私自身にもよくあることなのだが、あまり重要でない仕事に忙殺されるということは珍しくない。目まぐるしいような忙しさに対処できるときもあれば、そうでないときもある。こうした効率についてピーター・ドラッカーはこう言ってる。「効率的であるというのは物事を正しく行うということであり、効果的というのは正しいことをするということだ」。また一方で、ブライアン・トレイシーはこう言っている。「もっともやりたくない仕事から手をつけろ」。無心になってその仕事に取りかかることで、てきぱきと仕事をすることができるということだ。
さらに、私が個人的に崇拝しているマーケティングの専門家ダン・ケネディは、何かをする前に必ずみずからに問いなさいと言っている。すなわち「今、自分という貴重なリソースを割いてするべき一番の優先事項は何か」という問いになる。私は彼のこの言葉を自分のデスクに貼り、常に視界の中に収まるようにしている。それを目にすると、「今あれをやろうか」と感じたことが本当はその場で取りかかるべきことではない、ということに気付くことがある。
生産性を落とす一番の仕事の正体とは?
ここで重要なのは、「何をするのが正しいのか」を把握することになる。さらには、「それをするのが正しい」ということをどのように理解するのかということだ。これについて「7つの習慣」で著名なスティーブン・コヴィーは、「緊急」と「重要」の定義を分けて、「重要だが緊急でない仕事」を優先的に片付けるべきだとしている。確かに「緊急さ」と「重要さ」は似ているようで違う。
私たちはふだん、「緊急で」「重要な」仕事を最優先で片付けるべきであると認識していて、しかもそうした仕事というのはあるとき突然自分の目の前に現れるように感じているが、実際にはそうした仕事というのは突然ふってきたものではない。こうした仕事が「重要だが緊急でない」間に手がつけられなかったから、緊急の仕事になっているに過ぎない。
なかには「緊急だが重要でない」仕事もある。この手のものに着手すると生産性が著しく落ちる。重要でないことよりも緊急のことを優先してしまうと、あとあと手が回らなくなってしまう。しかし、生産性を落とす一番の仕事の正体はこれではなのだ。「やっていて楽しく、かつ楽にできる仕事であり、自分で”きっと重要な仕事だ”と思い込んでいるような仕事」こそがその正体だ。そうした仕事に流れてしまわないよう、ときには自分を律することも重要になる。
-RR-
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