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我が子が「起業したい」と言ってきたときにこう答えたい模範解答

昨年末、前職の知人から「娘が起業したいと言っているので相談に乗ってやってほしい」と言われて応じたのですが、自分の人生を振り返る良い機会にもなりました。

改めて考えると起業するということは悪くない人生の選択肢だと思います。ですが人を選ぶ選択肢であることも確かです。

起業というのはリスクがある選択肢です。
それはよく言われる「日本は失敗者に厳しい社会だから」みたいなことではなく、成功するにせよ失敗するにせよその運命を左右するパラメータが少なすぎるからです。
企業の規模が大きくなればなるほど、その企業を構成するパラメータは増えます。事業のポートフォリオも豊かになるでしょうし、顧客基盤も大きくなるでしょう。こうしたパラメータの充実にはリスクを分散する効果がある。
一方で起業したばかりの企業を構成する主なパラメータは創業者個人の能力のみ。ですので創業者に何かあれば打開しようのない事態に陥りやすい

また、企業に失敗した後で創業者が再起しやすい社会だったとしても創業者はそれなりに時間を失っているでしょうし、踏み倒した借金もあるでしょう。つまり周りにも迷惑をかけているはずです。家族にも愛想をつかされているかもしれませんし、何より本人がつらいはずです。そういう「どん底な気持ち」になってしまうリスクは払拭できません。

起業しない選択肢=どこかに就職することと比べると、起業するコストも大きいと思います。

なぜか。
単純に「やること」と「気にしなくてはいけないこと」が圧倒的に多いからです。
「業」というものは単純ではなく、いくつもの構成要素を何段階ものプロセスで管理(マネジメント)する必要があります。

大企業で雇われてしまえば、最初は研修からスタートしますし、職場にはマニュアルがあるでしょう。先輩や上司も色々教えてくれますし、自分が会社に貢献できていなくてもお給料ももらえます。

一方で、起業すると様々なプロセスと構成要素を自分で管理する必要に迫られます。

プロセスで言うと
仕入れ→商品化→顧客誘導→購入(契約)

という流れになりますし、

構成要素で言えば
顧客、仕入れ先、材料、商品、経費、労働力

などになります。

これらを管理することを少数の人員(もしくは自分一人)でやるのは(あたりまえですが)とても大変ですし、たとえ一緒に起業するメンバーが多かったとしても、それはそれで仲間の意識共有が大変になります。多すぎる人数で起業した場合、内部分裂を起こして組織が瓦解していく例は少なくありません。

単純に考えて、起業するという選択肢を選ぶと、思考資源をめちゃくちゃ使うので、そのためのトレーニングを十分に受けていないと失敗する確率が高そう…というのは客観的事実として言えるんじゃないかと思います。
そのうえで多くの成功している起業家を見ると、上記のような大変さを乗り越える要素を持っていることにも気づきます。

僕の周りにいる人では以下のうち3つのうちのいずれか2つ以上の要素をもっている感覚があります。

①学生時代や若い頃から起業の準備になることをしていた(あるいは結果としてトレーニングになっていた)
②苦難を乗り越えるための精神的な支柱となるもの・ビジョンや反骨心、社会への怒りなどの「熱情」を原動力にしていた
③理解者や支援者、一緒に船に乗ってくれる人、自分にベットしてくれる人がいた

こうしてみると、起業するというのは中々大変なことではないかと思います。
では起業なんかしない方がいいかというともちろんそうではなくて、可能であればした方がいいですよと思っています。

なぜかというとこれも単純な話で、得られるものが多いからです。
「得られるのはお金でしょ」という人もいるもしれませんが、僕にとってはそんなものはたいしたことではありません。より価値があるのは「人間として重要な能力の向上」です。

あえて「人間として」と書いたのは、「人の気持ちがわかる能力」とか「人にその気になってもらう力」とか「人の役にたつことで幸せを実感する力」とかいういう能力が含まれていて、その比重が高いからです。

こうした能力は、真に人生を豊かにする能力であり、それがこんなに短期間で身につくというのは起業というリスクの高いチャレンジを選んだ人間がそのご褒美として手にできる最も大きな宝だと思います。

お金が儲かったとしてもある程度のレベルを超えてしまえばそんなに幸せとは相関関係がありません。そんなことよりも人間関係を豊かにするスキル、人の役に立って幸せを感じるスキルなどの方がよっぽど人生を豊かにする。

そう考えるとやはり僕は、自分のこどもたちにも「起業するのも悪くない選択肢だよ」と伝えたいなと思うのです。

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