〈スペシャルティコーヒー入門 13〉カッピングをやってみよう! 自宅でできる簡単手順
コーヒーの風味を評価判断する『カッピング』
手順さえ覚えてしまえば、ご自宅でも簡単に行なうことが出来ます。
通常の飲み比べから、一歩踏み入れたコーヒー豆の比較に、ぜひ挑戦してみてください!
◾️カッピングの役割って?
カッピングは、コーヒーの風味や味を評価するために行ないます。
コーヒーの品質の善し悪しを同じ条件下において判断します。
◾️カッピングの手順 1 [準備編]
■コーヒー豆
→評価したいコーヒー豆ですが、初めは1種類〜多くても3種類くらいで行なってみると良いでしょう。
慣れないうちは、一度にあまり多くのサンプルを比較しようとすると、途中で分からなくなってしまいがちです。
■耐熱グラス・カッピングボウル
→耐熱グラス・カッピングボウルは同じ大きさのものをご用意ください。
同じ大きさでないと冷め方やお湯の比率が変わり、比較がしにくくなります。
■カッピングスプーン
→専用のカッピングスプーンがない場合は、スープスプーンでも代用可能です。
吸い込むように口に運ぶので、深めのスプーンが使いやすいです◎
■お湯
→抽出用のお湯は沸騰したものを使用します。
それとは別に、スプーンを洗う用にピッチャーやボウルなどの別容器に入れたものもご用意ください。
◾️カッピングの手順 2 [ドライ]
それでは、カッピングを行なっていきましょう!
まずは豆を各10g計量し、中粗挽き程度に挽いていきます。
この状態で一度香りをチェックします。
粉の状態『ドライ』というタイミングでの評価です。
"評価"というと難しそうですが、まずはご自身で感じたままに表現すればOK。例えば『芳ばしい香り』や『深みのある香り』など、後から見たときに自分がわかるような言葉で表現できれば上出来です。
◾️カッピングの手順 3 [クラスト]
続いて、沸騰したてのお湯を注いでいきます。
タイマーをスタートし、挽き豆10gに対してお湯を約166gを注いでいきます。
お湯を注いでから1分程度経った頃、カップの表面に鼻を近づけて立ち上る香りを嗅いでいきます。
このタイミングを『クラスト』といいます。
先ほどの『ドライ』と比べて、香りより甘さを感じることが多いです。
◾️カッピングの手順 4 [ブレイク]
お湯を注いでから4分後、浮かんでいる豆を沈めるように撹拌し、同時にまた鼻を近づけて香りを確認します。
ここが『ブレイク』という評価タイミングです。
ブレイクでは封が切られたように香りが一気に解放されるので、豆ごとのフレーバーが強く立ち上ってくる、カッピングでしか味わえないアロマが楽しめます。
ブレイクの攪拌の仕方は、実はいくつかの違った作法があるのですが、THE COFFEESHOPではカップの底から粉と液体を持ち上げるように3回、という方法をとっています。これは、強く攪拌するしてもネガティブな味が出ないような焙煎を目指すためです。
カップ間で味が混ざらないよう、一つのカップをブレイクしたらスプーンを洗い用の白湯でリンスし、水気を切ってから次のカップのブレイクに移るようにしましょう。
■カッピングの手順 5 [テイスティング]
ここから『テイスティング』に移っていきます。
ドライ・クラスト・ブレイクまでは"アロマ”という香りのみの評価ですが、ここからは口に入れた時に感じる"フレーバー"(香りと味)、質感などを評価します。
ブレイクの後、表面に浮かんだ泡を丁寧に取り除きます。
この時も味が混ざらないように、1カップごとにスプーンを洗い、ペーパーで水気を落として次のカップへ、という流れで行なってください。
テイスティングはコーヒーが熱いときから冷めていくまでの過程も評価します。一般的に最初にお湯を注いで10〜12分経ったことから始めて冷めるまで続けます。
味の評価や感想、項目ごとの点数などは、テイスティングをしながら随時メモ。ROAST WORKS でのカッピングは以下のような専用のスコアシートを使用して記録しています。
ご家庭で行なう場合は、以下のようなコーヒーの記録アプリなどを使うのも便利ですね。
■まとめ
飲み比べから一歩プロの領域に踏み込んでみると、コーヒーを楽しむ幅がグッと広がります。
THE COFFEESHOPのオンラインストアでは、5種類のオリジンが楽しめるエントリーセットも販売しています。
本来はドリップ用のセットですが、もちろんカッピングにも使用できますよ。
カッピングを極めるのには訓練が必要ですが、単に楽しむために行うのももちろんアリですので、どんどんチャレンジしてみてくださいね!
次回のnoteからは、より詳しくカッピングを学びたい方向けに、フレーバーの表現や風味についての記事をお届けしていきます。
今回もお読み頂きありがとうございます!