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note デビュー!
思い返せば、いろいろ思い巡らせたことを文にするのが好きでした。
むかし、観光地のカフェや民宿などに、だれでも好きなことを書き留めておくためのノートブックがおいてあったりしました。今でもあるのかもしれません。ドラマ「海のはじまり」でも産婦人科医院においてありましたものね。
大学生の頃、研究室にそのようなノートブックがおいてあって、ほんとに他愛ないことをつらつらと書き留めていたりしました。そこに記されている文の半分以上はわたしが書いたものになりました。
就職したら、会社の独身寮の食堂にノートブックがあって、そこにもいろいろ書き込みました。すぐにノートブックのほとんどすべての文がわたしの書き込んだものになりました。わたしの書き込む量や頻度の著しさに、ほかの人の書き込む意欲が駆逐されてしまったかのようでした。ただ、ときおり食堂の栄養士さんが事務連絡を書いておられました。
海外駐在の後、日本に帰任したら、会社のセントラルサーバに「だれでもなんでも保存してよい」フォルダができていました。なにを書いて保存してもよいとのことだったので、やっぱり他愛のない想いをつらつらと書いては、ファイルにしてそのフォルダに保存していました。
仕事には一切なんの関係もないことばかりでした。
たしか、こんな内容のものを書いて保存したことを覚えています。
先月のある土曜日の夕方、歩道を歩いてたら前から原付が迫ってくるのがみえた。
え?え?どうしよう?
わたしはとっさのことに動けなかった。原付は立ちすくんでしまっているわたしの横をすりぬけた。すりぬけたちょうどそのときに、運転していたおばちゃんが、「しっかりしいやー!」と明るく笑いながら叫んだ。
え?あ、すみません・・・
わたしは思わず、小さな声でひとりごとのようにつぶやいた。
けどな。
よう考えたら、あのおばちゃんの原付、歩道走っとってんで。
しかも右側通行やった。
ヘルメットもかぶってへんかった!
もうむちゃくちゃやがな。道路交通法なんてまったく気にしてない。それでなにが「しっかりしいやー」やねん。なんでそんなえらそうに、しかもどこのだれとも知らんあんたにそんなこと言われなあかんねん。
今度おばちゃんに会うことがあったら、両手を広げて原付を停めて、交通ルールをとくとくと説いてきかせてやろうと心に決めて、毎週土曜日の夕方にはその歩道をなんども行ったりきたりしている。
こんな感じの文章のファイルを会社のサーバにいくつも保存していました。初めてそのフォルダに保存されたのがわたしのファイルでしたが、それから1か月たち2か月たち3か月たっても、わたし以外の人のファイルは保存されていませんでした。
まあ、こんなフォルダ、だれも使ってないんやろなと思いながらもつらつらと投稿を続けていました。
ほどなくして、わたしは転職を決め、その会社を辞めることをそのフォルダに投稿しました。
すると、「あのフォルダのエッセイ、大好きでよく見てました」 「あなたが退職して新たなエッセイが投稿されなくなるのが残念です」といったメールを何人かの方々からいただきました。
あ、読んでくれてる人いたんや。
もともと誰かが読んでくれていることはほとんど期待しておらず、自分が想ったこと感じたことを文にすることが楽しかったのですが、わたしの文を楽しみに読んでくれている人がいたとなると、それはそれでなんかしみじみとうれしいものでした。
それから年月を経て、同じようなことをするためにこの note を使ってみようと思いたちましたしだいです。
読んでくれる人がいればよし、いなければそれでもよし。
まずは自分の想いを文にするということ自体を楽しむことができればと思っています。