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僕が社会心理学を学びたいと思ったキッカケ

 元々、高校のころは理系クラスで、テニス部に所属していた。テニスに夢中だった。部活の後に、となり町のテニスコートに行ったり、家で夜に窓を鏡の代わりとして素振りをしたりしていた。
 

 テニス選手になれるとは思ってはいなかったけど、テニスに関われる仕事に付きたいと思っていた。当時、化学が割りと得意だったのと、テニスラケットの材料・素材(カーボンなど)に興味があったこともあり、材料工学を学びたいと理系に進んでいた。元々は、材料工学に興味があったのに、ここから心理学に志すようになったのだ。

 大学で心理学を学びたいと思った瞬間を今でも、鮮明に覚えている。高校2年生の修学旅行のバスの中だ。となりに座っていた友達も誰だったか覚えている。H田君だった。そこで、僕は唐突に「あ、心理学が学びたい」と彼に言った。

 でも、当時、なぜ(社会)心理学を学びたいと思うようになったのか、自分の中で理解できていなかった。というか、さっぱり、わからなかった。

「キッカケ」とタイトルにつけているが、実はあれが「キッカケ」だったと後になったわかっただけなのだ。

 その「キッカケ」とは、小学生の頃に受けた「いじめ」だった。小学2年生のときに、遊び友だちがバレー部に入ったのを機に、僕もバレー部に入った。その3年後に悲劇が起こった。5年生のころ、バレー部の中に仲良くしていた友達が二人いた。後にキャプテンになるリーダーになる別の人物が、僕のことを気に入らなかったのだろうか、主犯格となって、僕をいじめてきた。その人物の影響もあってか、仲良くしていたその2人の友だちが手のひらを返すように、いじめに参加するようになった。もう10数年近く前のことであり、記憶も曖昧だが、「この間まで、仲良くしていたのに、なんで急にいじめに加わるようになったんだろう」と、当時そう思っていた。

 日本では心理学は文系学問であり、理系から文転したいと当時の担任に伝えたものの、理系クラスのまま高校3年目を過すようにとのことだった。テニスに夢中だったこともあり、勉強不足もあり、一年間浪人して大学に入学することになった。

 大学では、部活にバイトに力を入れすぎて、学業は後回しにしていた。卒業に必要な最低限の単位を取るのみだった。(社会)心理学をしっかり勉強していなかったことや、就活のことも全然考えていないこともあり、大学院に進学することにした。

 大学院では、いろんな本を読んでいた。その中で山岸俊男先生の「心でっかちな日本人」の解説を呼んでいる時に、社会心理学を学びたいと思うようになったのは、小学生の時に受けた「いじめ」がキッカケだったと理解した。

 解説は長谷川眞理子先生によるものだった。以下のことが書いてあった。

 社会心理学は、個人が自分の中だけで完結しているときではなく、他者と相互作用するときの心理を扱う学問だ。他者との「場」の中にいるとき、人間は、一人だけでいるときとは違う行動をしたり、違う意見を述べたりすることがある。

 解説を読んで、「この間まで、仲良くしていたのに、なんで急にいじめに加わるようになったんだろう」という小学生のときの疑問が頭の中に今まで残っており、その答えを知りたい、だから心理学を学びたかったのかもしれないと、後付けかもしれないけど、そう思った。

仲良くしてくれていた友だち二人は、バレー部という「場」で、主犯格の彼のもと、いつもと違う行動をしていたのかもしれないと。



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the thinking monkey
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