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【読書×体験】「成瀬は天下を取りにいく」×成瀬に会いに大津へ行く
滋賀県知事になるのは、西川貴教より、成瀬あかりの方が先だ。
私は本気でそう思っています。
それくらい、この本の主人公・成瀬あかりは人を惹きつける魅力と、巻き込む行動力と、独特の理論と感性と、無限の可能性、絶大なる郷土愛があります。
私はこの本を、あんまり小説を読んでなかった時期に見つけました。
本屋で、はるか遠くを見るような、凛々しい横顔の女の子と「天下を取りにいく」という言葉を見て、手に取り、立ち読みした1行目で即買いしました。
本書の冒頭、成瀬はこんなことを言います。
島崎、私はこの夏を西武に捧げようと思う。
「あーもうこれは買うか、買うか、買うしか選択肢がない」と思いました。
そして、読後すぐに言ってまわりました。
「成瀬はすごい。成瀬は、本屋大賞を取る」
完全に成瀬に感化された物言いにもなっていました。
他の作品を読んでいないので、明らかな偏りです。
しかし、その後、成瀬は本当に本屋大賞を獲りました。
この小説が本屋大賞を獲ったのだけど、感覚的には成瀬あかり史に新たな1ページが加わったような気分でした。
そして、島崎同様、その瞬間に立ち会えた気がして、嬉しく思いました。
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私は完全に「成瀬熱」にうなされた結果、聖地巡礼まで行くことに。
滋賀には住んでいないので、車を飛ばすこと2時間半。
成瀬に会いにいけるのだと思い込んでいました。
夢と現との境目がない状態で、聖地・大津に乗り込んだのです。
※ここからは、一部の聖地を紹介しますが、ネタバレなところもあるので、今から読む予定の人にはおすすめはしません。
また、目次をタップすればその章に飛べるので、知りたい情報だけピックアップもいいと思います。
1.膳所駅
膳所と書いて「ぜぜ」と読みます。
ここが成瀬の本拠地です。
京阪膳所駅からJR膳所駅へと向かう階段を上がったところに…
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左:成瀬あかり 右:島崎みゆき
めっちゃでかい看板が!!!
あー!成瀬!!!島崎!!!
二人に会えたのです!!
私と同じように、成瀬に会いに来た人たちが2組ほどいました。
でも、地元の人の生活に寄り添い、足となる、普通の「駅」です。
週末の昼間の静かな駅に、数名の熱狂が混じっていました。
2.セブンイレブン大津膳所駅前通り店
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ここは、成瀬と島崎がゼゼカラとしてM-1予選から帰ってきて、立ち寄ったセブンです。
ここでアイスを買ったのかー!
ただそれだけのこと、何の変哲もない、ただのコンビニなのに、店内に入り、飲み物を買いました。
(「そこはアイスじゃないんかい」という成瀬のツッコミが聞こえそう)
それだけのことが、今までの人生で何万回やってきたこの行動が、特別なことのように思えました。
3.ときめき坂
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膳所駅から琵琶湖方面へ向かう途中にある坂がときめき坂です。
ここでふと、思いました。
成瀬たちは、とてもいい街で育ったんだな。
よくわからないけど、この風景を見てそう思いました。
4.美容プラージュ膳所店
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成瀬の「髪は本当に1ヶ月で1㎝伸びるのか」実験の終止符を打ったプラージュ!!
ただのプラージュだけど、成瀬の衝撃的な挑戦を知っていると、やっぱり特別感があります。
5.西武大津店跡地
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そう、成瀬が「あの夏」を捧げた西武の跡地です!!
今は大きなマンションが建っていて、作中の成瀬も買わないけど、両親と内覧に来ています。
小説の中では分からなかった立地状況は、現地にいくととてもよく分かります。
こんな大通りに面したところにあったのか、ここなら、近くにマンションも多いし、ちょっとした買い物での使い勝手はよかっただろうなと。
また、長らく大津の象徴的な建物だっただろうなとも想像できました。
あとは、成瀬の住んでいるマンションはここから歩いて5分くらいなので、あの辺かなーと考えながら歩くのも楽しかったです。
実は、このマンションの向かい側に、ゼゼカラが漫才の練習をしていた公園があります。
帰ってきてから知ったので、写真はありませんが、あんなところで女子高生2人が漫才の練習していたら、かなり目立っていただろうと思います。
6.フレンドマート大津テラス店(「成瀬は信じた道を行く」より)
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こちらは、続編となる「信じた道を行く」で出てくる、成瀬のバイト先です。
ここは聖地っぽさがありました。
なぜなら…
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等身大パネルがあるのです!
しかも、バイトの制服バージョン!!
さらに、「お客様のお声をお聞かせください」に模したメッセージボード!!
その上、バイトの制服を試着させてくれるサービスまである!
素晴らしい!これぞ、聖地の在り方!
そして、店内を巡回しながら、緑色のエコバックを持つおばあさんを探しました。
7.レッツゴーミシガン!!(ここがメイン)
お待たせしました!!
この小説を読んだ大半の人は思ったことでしょう!
ミシガンに乗りたい!
私も完全にそのクチになっていました。
もはや、ミシガン以外は乗りたくない!
まず、大津港に停泊するミシガンを見て、テンションは爆上がりでした。
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ひえー!!!かっけー!
もちろん乗船しました。
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内装もかっこよかった!!
3階でショータイムの席を取り、最上階のデッキへ行き、比叡山を眺め、トリックアートで写真を撮りました。
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もちろん、ちゃんと船尾の赤い外輪も見ました。
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これは巻き込まれた死にますね。
200歳まで生きることを考えている成瀬からしたら、かなりのリスクでしょう。
ショータイムも本当に楽しかったです。
あれは成瀬でなくても、肩揺らしますよ。
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歌うたったり、クイズしたり、盛りだくさんでした。
ここでスマホ触ってる方が難しい。
ミシガンは本当に楽しい時間でした!!
これから巡礼される方は、マストです。
8.旅を終えて
私は、大津へ向かう車中で、オーディブルで「成瀬は天下を取りに行く」を聴いて行きました。
(合計3回読んでます)
帰りの車で聴くと、やっぱり風景を知っているだけあって、イメージがイメージではなくなります。
本当に、成瀬が見ていた景色を見てきたわけです。
今まで読んでいても気にしなかった、成瀬の朝ランコースや、M-1の帰り道も分かるわけです。
聖地巡礼って、物語の輪郭がよりくっきり見せるのかもしれません。
そして、私と同じように聖地をまわっている人たちが年代も性別もまちまちだったことも印象的でした。
成瀬が、すでに老若男女に愛されていることを感じました。
そして、大津はとてもいいところでした。
滋賀に旅行に行くと話すと、「何をしに行くの?」なんて聞かれて、小説の聖地巡礼だと言っても、話は広がりませんでした。
でも、いざ行くと、なんとなく住みやすそうだし、琵琶湖はきれいだし、景色がひらけていて、気持ちよく、本当にいい旅になりました。
成瀬が連れてきてくれた、大津。
ありがとう、成瀬。また来るよ。
市民憲章通り、小説を通して、あたたかい気持ちでむかえられた気分でした。
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