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レンタルショップから学んだ事

今日はこの記事から。

TSUTAYAの一部店舗がレンタル事業から撤退するというニュース。

悲しい。

でも、違約金を払ってまで撤退するって事は相当な負担だったんだろう。

これから先の伸びしろも無いんだろうな。

ズラッと並んだパッケージから、選び、手に取り、持ち帰る。

この体験は他には代えがたいものだった。

あのワクワク感は配信では味わえない。

目利き力が問われます。

そして養われる。

最初は大人しく従うんです。

面で出されてる作品、コーナー展開されてる作品、スタッフのレコメンドなど。

お店の狙い通りの作品を借りてしまう。

でも、段々と気づく。

これは楽しくない。

作品がってよりも、選ぶって行為が。

面白いと分かってる作品を借りるのは驚きが無い。

あと、達成感も。

選ばされてるって事に気づくのだ。


次から探すようになる。

あの俳優さんは他にどんな作品に出ているのだろう。

あの監督は他にどんな作品を撮っているんだろう。

今はスマホですぐに調べられる。

でも、当時は店内にある検索機しかなかった。

あれがまたサクサク動かないの。

カックカク。

でも、もう選ばされるのはごめんだ。

自分で面白い作品を探すんだ。

そんな使命があるから、検索機の前に陣取って、プリントアウトした紙を持って作品を探しに行くんです。

これが楽しかった。

お目当ての作品を探しに行くし、これを借りるって決めている。

でも、目移りするんです。

あの俳優のこの作品。

それはもう頭に叩き込んだ。

すると、今日は逆にいいんじゃないか。

そんな気持ちになる時がある。

その作品を観る前になぜだかもう自分の物みたいに感じてしまって。

周辺にある面白そうなタイトルを手にとっては、作品紹介を読み、今日はこっちにするか。

と、気がつけば全く別の作品を借りている。

そんな事が一度ではない。

それで当たりを引いた時は最高の気分になり、失敗した時は大人しくお目当ての作品を借りていればよかったと後悔する。

この成功体験が探す楽しさを教えてくれて、失敗体験が戒めてくれる。

まだまだだぞと。


自分で探し自分で選ぶ。

これも慣れてくると外さなくなる。

すると楽しさが半減する。

ワクワク感が無いというか、ドキドキが無いというか。

面白いと思って持って帰るのと、

不安な気持ちで持って帰るのと。

借りるという行為は同じでも、別の体験をしてる事に気づく。

そこで思い出す。

「家に帰るまでが遠足ですよ」

遠い昔に言われた、あの言葉。

そうか、家に帰るまでがレンタルなのか。

じゃあドキドキ感をどう復活させようか。

また戻るしか無いか。

選ばされてる事に気づき、自分で選ぶ楽しさを知り、最後は戻る。

また、お店やスタッフのレコメンドを借りるようになりました。

でも、最初とは少し違うテンションで。

よし、のってやろう。

こんな気持ち。

温かい目で見るというか、

子供の成長を眺めるというか、

試してるというか、

胸を張っておすすめしてるんだな、じゃあ借りてやろうじゃないか。

何でか少し偉そうな気分になってるけど、こんな感じで。

すると幅が広がる。

自分では選ばなかった作品、選べなかった作品と出会えるようになる。

こんな体験が今の僕を作っている。


「面白い映画」検索。

ネットフリックスのレコメンド。

インフルエンサーのおすすめ。

これらが悪いとは言わない。

出会うきっかけ、興味を持つきっかけとしてはいいと思う。

でも、リアルには体験で勝てない。

自分で選ぶという経験は積めない。

物差しを誰かに渡す事は楽だ。

でも、楽をしてたら成長しない。

イージーモードではいつまでも上手くはならない。

リアルの場があるうちに足を運ぼう。

TSUTAYA全店がレンタルをやめる日は近いうちに来ると思う。

そしたらレンタルビデオショップなんてこの先出来る事はないだろう。

だから、今のうちに。

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