お客さんが相談相手にはなり得ない
孤独だ。
みたいな事を書くと、「相談してください」と言われる事があります。
お客さんに恵まれてるな。
ただ、申し訳ないけど、お客さんが相談相手にはなり得なくて。
松本人志さんが言ってたんです。
「ライブは違うと思う。ライブに来る客は笑いに来てる。それを笑わせるのは簡単。だからこそ、違う」
これと近いものがあって。
「相談してください」とか「話聞きますよ」と言ってくれるお客さんは常連さんで。
常連さんは、うちの事が好きだからこそ常連さんになってくれてる訳で。
だから、きっと僕が何を聞こうが肯定してくれると思うんです。
店主とお客さんには、距離が縮まろうが、どうしても飛び越えられない部分があって。
そこを保てるのが良いお店だと思うし、飛び越えてこないのが良いお客さんだとも思います。
お客さんに喜んでほしいのは嘘偽りない事実ですが、媚びるのは違うし。
お店に協力したいという気持ちは本気だと思うけど、同じ目線では語る事は出来ない。
だから、「孤独だー」と嘆く日があるんですが、まあ半笑いで言ってます。
思い詰めてる人もいるかもしれないけど、それは孤独だからではなくて、単に経営が上手くいってない場合がほとんじゃないかな。
孤独と聞くと心配になる人もいるみたいですが、結局は自分で折り合いをつけるしか解決出来ないですからね。
いや、解決は出来ないか。
辞めるまで。
特に僕みたいなプレイヤーも兼ねてる場合は特に。
でも、心配しないでほしいのは、孤独が嫌で辞める事はないって事。
それはそれ、これはこれ。
仕事は楽しいし、誰かに必要とされてるうちは続けられると思う。
でも、これはこのお店だからか。
誰も雇わず、商業施設に入ってる訳でもないし、ノルマがある訳でもない。
だから気が楽なのか。
というか、他の事を考えたくないからこのスタイルにしてるのか。
自己防衛の為の反拡大路線。
これはもっと広がっていい考え方だと思うんだけどな。
未だに売れたら拡大拡大って感じだけど。
カフェってもういらないと思うんです。
都内なんか特に。
うちの店の周辺なんてどう考えてもおかしい。
お客さんがもうカフェはいらないって言う始末ですからね。
店が増えるという事は、その分どこかから奪ってる訳で、結局は生きるか死ぬかの競争になる。
勝ち続けられる所はいいけど、そこはそこでいつか頭打ちになり、従業員の待遇を上げられず上が詰まり、それが不満で下は辞めていき、いつか店が回らなくなる。
そんな時の経営者の心境を考えると、辛いだろうな。
拡大して年収は増えたんだろうけど、やりたかった事、目指してた事ってそこだったのかなと。
まあ勝手な憶測だし、勝手な心配なんですけどね。
向こうからしたら、1店舗でやってても稼げないだろ!って思ってるだろうから。
うん、やはり経営者は孤独だ。
考え方は人それぞれで、それぞれが責任を負ってやってるから言葉も重く。
自分の考え方を正解にも不正解にも出来る力がある。
だからこそ、相談が出来ずに孤独になる。
やっぱり吐き出す場所が必要だな。
小さな飲食店の店主がぼやくプラットフォームなんかあったら面白いと思うんだけど。
相談でもなく、綺麗事でもなく、宣伝でもなく、もっと生々しいやつ。
でも、みんな半笑いで話してるみたいな。
自分だけじゃないってだけで、心は軽くなると思うし、それを覗きたい人も多いだろう。
切ない気持ちのゴミ捨て場。
どう?誰か?やらない?