二日酔いに負けないぞ!キング オブ コンビニしじみ汁を探せ【KUKUMU】
最後の一軒が余計だった……。
なんとか終電に乗って、ようやく辿り着いた最寄り駅。アルコールの呼気でマスクが充満している。余計に酔いが回りそうだ。いっそタクシーにでも乗ってしまいたい。
いやいやいや、家まであとちょっとじゃないか。今日の会計ですっかり軽くなった財布の中身を握りしめ、私はふらふらとコンビニに吸い込まれた。
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お酒は好きだけど、二日酔いは大っ嫌い。わかっているんです、飲み過ぎなきゃいいってことくらい。それでもやっぱり楽しくなってしまう時ってあるでしょう?
こんな時、決まって欲しくなるのが「しじみ汁」。ぱっぱらぱーの酔っぱらいにもできる最低限の抵抗です。
気絶するように眠る前にいただく、お守りのようなお夜食。さぁ、幾度となくしじみに救われてきた女、よしザわと最高の一杯を探しに行きましょう。
本当にしじみ汁は二日酔いを救ってくれるのか?
お酒を飲まない人でも、”しじみ=肝臓に良い”というイメージはあるのではないでしょうか。
古くは江戸時代より、「酔を解(かい)す」と酒呑みに親しまれてきました。そして、その効能は既に科学的にも証明されています。
しじみにはアミノ酸の一種、「オルニチン」がたっぷり。
肝臓に蓄積された"毒"を分解する時に、お手伝いをしてくれる成分みたいです。
この"毒"というのが、身体のなかでアルコールを分解した時に発生する物質「アセトアルデヒド」や、疲労感の原因となる「アンモニア」。
お酒をたくさん飲んでしまうと、肝臓はその分たくさん解毒しなければなりません。想像するだけで気分が悪くなる、二日酔いの症状――吐き気や胃もたれ、頭痛、身体の火照りなど――は肝臓で処理しきれなかった"毒"が、血液を通じて体に回ることで起きると言われています(諸説あり)。
つまり、二日酔いにならないためには、"毒"が肝臓にとどまっているうちにオルニチンをぶっこんであげれば良いわけです。しじみ汁なら水分補給や塩分補給もできて一石三鳥。試さない手はありません。
この記事を読んでいるお酒呑みの皆さ~ん! 「しじみは朝より夜」ですよ!
コンビニのしじみ汁を比べてみよう
結論、二日酔い予防には「オルニチン」。
明日も元気に過ごしたいなら、オルニチンが多く入っているしじみ汁を選べば良いのでは? 比べてみようではありませんか。
本当は生のしじみを買ってきて作るのが一番ですよね。でも、こちとら家に帰るのだけで精一杯ですから、対象範囲は狭く、深夜でも駆け込めるコンビニのしじみ汁だけを集めてきました。ご承知おきください。
セブン、ファミマはそれぞれプライベートブランドの商品。ローソンはオリジナルのしじみ汁がなく、その代わりに私の近所の店舗では「カップ生みそずい しじみ汁」(旭松食品)と「しじみ70個分のちから」(永谷園)が売られていました。今回は、この4種類を比べてみます。
基本情報
セブンとファミマのスペックはほとんど同じ。自社商品ではあるのですが、どちらも「ハナマルキ」と共同開発した商品となっています。「おみそならハナマルキ」とはよく言ったものです。こんなところにもいるなんて!
「しじみ70個分のちから」だけ内容量が少ないのは、殻付きしじみではなく乾燥したしじみを使っているからです。比べるのが少しかわいそうな気もしますが、「しじみ」を語っているからには土俵に上がってもらいましょう。
しじみパワーのチェック
この表の通り、「カップ生みそずい しじみ汁」は、オルニチン配合量が不明! 他の商品には表記してあるので、ぜひ知りたいところですよね。わかります。
旭松食品さんのお客様相談室で聞いてみました。
残念! ご丁寧にお答えくださって、ありがとうございました。
商品名でインパクトがあるのは「しじみ70個分のちから」ですが、実はセブンとファミマの方がオルニチン量を多く含んでいるんですね。
ちなみに、配合されているオルニチンは100%しじみ由来という訳ではなく、微生物の発酵によって生成されたもの。どうやらしじみから受ける恩恵よりも、微生物から受ける恩恵の方が大きかったようです。ありがとう、小さき生物たちよ。
「生みそずい」の正確なオルニチン量はわからないのですが、しじみの数が多いことに加え、しじみエキスも配合されているので、しじみ由来のオルニチンは十分に含まれているのではないかと睨んでいます。
どっちにしても、オルニチン重視であれば殻付きタイプのしじみ汁を買うのが良さそうです。
細かいことはいいから食べてみよう!
いよいよ実食。具と味噌を紙カップに入れてお湯を注いだら、コンビニで貰った割り箸でよく混ぜます。
一人静かな夜のキッチン、ゆっくり広がるお味噌の匂い、殻がカチャカチャぶつかり合う音……。
さぁ、いただきましょう。
7プレミアム カップみそ汁 しじみ
まずはセブンのしじみ汁からひと口。
あぁ……おやさしい……。
なぜか人って美味しすぎると、しかめっ面になりませんか?
セブンのしじみ汁はお味噌にコクがあるのに味は濃くなく、身体によく馴染みます。しじみの風味と味噌の風味のバランスが良いです。身に味はほぼありませんが、その分だけ汁によく溶け込んでいるのでしょう。
オール中に最も眠くなる午前3時台や、始発で帰ってきた朝にもぴったりです。
ファミリーマート しじみ
さて、共通点が多いセブンとファミマ。味に違いはあるのでしょうか?
期待薄のまま口にしてみると、明らかにセブンとは違う風味が!
なんだかしじみ感が強い気がします。
気になって原材料を確認すると、セブンはしじみエキス粉末に加えて、こんぶエキスとかつおぶし粉末が使われています。対して、ファミマはかつおぶし粉末のみ。ベースとなる出汁の数が少ない分、しじみをストレートに感じられるんですね。
お肉とワイン、揚げ物とハイボールなどなど、ガッツリ食べた日の夜は、海を感じられるファミマのしじみで疲れた内臓を労ってあげようと思いました。
ローソン カップ生みそずい しじみ汁(旭松)
こちらはローソンで買えた殻付きタイプ。
味噌もしじみもしっかり! 旨味の中に苦味があります。
食塩相当量が高いこともあって、味が割と濃ゆいです。
セブン同様、しじみ+こんぶ+かつおの合わせ出汁ですが、しじみの風味が頭1つ抜けています。身の味もセブンやファミマの"ハナマルキ系"とは違って、噛むとほんのり味がしました。
お酒を飲むと、濃い味の物が嬉しいんですよね。
ひと口ずつゆっくり飲みながら、ペットボトルの水をお供に。きっと次の日の朝はスッキリ起きられることでしょう。
私はこいつが1番好きです。
ローソン 1杯でしじみ70個分のちから カップみそ汁(永谷園)
最後は、パワー溢れるお名前と黄色のパッケージが特徴的なこちら。
カップ以外のシリーズもたくさん売られています。
ちょっと入っているだけなのにネギの存在感たるや。
身は小さいものの佃煮みたいな味が付いていて、しじみ単体の味で勝負するならダントツ1位です。
案の定、殻付きに比べると汁全体のしじみ感は弱いですが、美味しい味噌汁なのでお米が食べたくなりますよ。
飲み会の帰り道、シメのラーメンはなんとか我慢できたけど、もうちょっとなにか食べたい時ってありますよね。そんな日は、これと一緒におにぎりも買っちゃいましょう。
酒呑みの夜をつつむ、頼もしい一杯。
紙カップを両手で持ってふーふー冷ましながら、しじみ汁をそっとひと口。思わず「はぁ……」と息が漏れます。
ゲラゲラ笑って、ぐびぐび飲んで、今日もたくさんおしゃべりしたなぁ。お店での楽しい時間を思い出しながら、またひと口。
1日の疲れが緩まって、さっきまで飲んでいたレモンサワーの味も忘れてしまいそう。
やっぱり飲んだ後はこれなんです。あとは頼んだよ、肝臓くん。