【こころ #73】専門職としてピアサポートを支えたい
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冨澤 涼子さん
現在、秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻の准教授を務める冨澤さんの専門は、精神領域の作業療法。こころ?からだ?どっち?と思った私に、冨澤さんはわかりやすかった。
「例えば、鬱の人って、前を向いて歩かず、人の視点を感じたくないから目線を下げて歩く。そうすると猫背になって体も痛くなる。だから、何もやる気がなくて、横になっていく悪循環。認知行動療法で考え方を変えようとしても、すぐに変われないし、すべての人に当てはまるわけでもない。一方で、人って、体の重だるさを取り除いて体が軽くなると、じゃあ何かやってみようかなって思うものでしょ。どっちからアプローチするか」と言われ、納得感が半端ない。
そんな冨澤さんは、精神科病院への勤務を経て、精神・神経分野におけるトップの研究機関である『NCNP(国立精神・神経医療研究センター)』に勤めた。
そんな中で、臨床研究を踏まえたエビデンスに基づく介入をしても、よくならない患者さんを見てきた。医療職から見ればリカバリーして退院したように見えても、力があるのに希望を見出せずに闇落ちしてしまったり、退院後1か月も経たないうちに自殺してしまう患者さんさえいた。
「専門職の力だけでは必ずしもうまくいかない」
一方で、海外では、同じ経験をした障害当事者による「ピアサポートが資格化され、診療報酬も出ることで、治療の一環として導入されていた」
思い出せば、患者さんから「(同じ経験をしていない人間に)何がわかる」と言われたこともあり、病院の喫煙室では患者さん同士が愚痴を言って励まし合っていた。医療者が言うよりも「同じ経験をした人間が言うだけでやってみようかな、と思える現象が起きていた」
医療職による治療や支援はもちろん大事だ。でも、「ピアサポートが組み合わさることで、1+1が3にも5にもなる」ことを確信した。
では、どうするか。病院内に限らず、そんなピアサポーターを生んでいくには、そもそも「他者の同じ経験に助けられた体験と、そして自分の経験から助けることができた体験」があるという土台が必要だ。そして、その土台が培われるのは、当事者の仲間が集う当事者団体なのだ。
ただ、海外では当事者団体が強い力をもっている一方で、日本では当事者団体の運営資金もままならないのが現実だ。そんな中で、住む場所も異なる当事者同士がオンラインで集い支え合う形でうまく運営されているのが、第12話でご紹介したhoshuさんが管理人を務める、240名超の統合失調症当事者が参加するLINEグループ「すきゾ!」だ。
冨澤さんは、こうしたうまくいっている実践例を基にガイドラインを示していくことが、専門職の役割だと考えている。そして、さらにそうした当事者活動に基づくピアサポートによるリカバリー効果について研究を通じてエビデンスで示すことで、海外のように診療報酬も出る世界につなげていきたい。
ピアサポートによる効果について、「サポートした相手に効果があることはもちろん、サポートした人自身にも効果がある」と冨澤さんは話す。言い換えれば、「精神障害を経験したことが、誰かのためになり、それがかつて苦しんだ経験を自分の強みに変えてくれる」のだ。
こんな素敵な経験のバトンがあるだろうか。冨澤さんには是非、ピアサポートによる効果について、研究を通じたエビデンス構築を実現してほしい。そんな実践が必ず制度を動かす。Inclusive Hubもそんな当事者経験と制度改善のサイクルに貢献したい。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
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