カホン・シンバルの我流セッティングを語る件
私ってぇ、なんでも形から入るタイプじゃないですかぁ?(笑)
知らんがな!
そう、あらゆる趣味を形と道具から入る方なもので、矢鱈とモノが増えるタイプの人間です。
数年前に、左腕がいよいよ使いにくくなってきてアコースティックギターを断念しました。
それでもなんとか大好きな音楽に関わり続ける、しかも演奏者として頑張れる方法はないかしら?と思った時に、後輩から薦められたのがカホンという打楽器です。
その後輩と一緒に、生意気にも名古屋市内のバルやライブハウスでちょっとしたライブに出演させていただきましたが、当時はその後輩から借りたカホン1本で、ひたすら与えられた楽曲の練習をしておりました。
昨年、約30年振りに関西に戻ってすぐに始めたことは、アリス・トリビュートバンドを楽しんでいた仲間への連絡。アラフォーの頃に福岡市で組んでいた相方は今も北九州に居るのでなかなかジョイントできないし、今後長く続けていくには在阪の仲間にお願いしてメンバーに加えてもらうのがいいかなと…
ただ、アリスというのは男声デュオのアコギ2本とドラム(ときにボンゴやコンガ)という編成なので、そこにカホンという異質な打楽器が加わることは、なかなかチャレンジングなことでした。そこを敢えて、『本気で取り組むなら一緒にやろうよ』と声掛けいただいた先輩達のユニットに加わることとなり、実は今日も小さなライブに出演してきたところです。
さて、そのカホン。
上述のとおり、単体で充分に存在感がありそれを極めるべきところなのですが、どうしても何か追加してみたくなる…
アリスといえば、矢沢透さんのドラム!
そうだ、カホンでドラムの代わりを務めるにはどうしたら???
実はカホンも、面板を叩く位置によってはバスドラムっぽい重低音が出せるし、上の方を叩けばスネアっぽい音も出せるのです。あくまで『っぽい音』ですが…
ただ、ドラムにとって大きな構成を占めるシンバルとハイハットの音は出せない。
いやシンバルに限っていえば、カホン用に掌で叩く専用のシンバルが売られているのです。
というわけで昨年秋には、一般的とされる10インチの『ハンド・スプラッシュ・シンバル』を1枚購入したのですが、そこは形にこだわる私、この春にはさらに8インチのものも1枚追加で買ってしまったわけです…
関西でのライブ出演は3回目ですが、シンバルは既に2枚になりました(笑)
では、カホン奏者としてその2枚のシンバルをどのようにセッティングしているのか?
全くのド素人である私が、ネットでドラムパーツカタログを眺めながら我流で組み立てたシンバル・セッティングパターンを、笑いながらご覧くださいませ…
1.シンバル1枚のセッティング
尤もオーソドックスなパターンで、カホンの横にシンバルスタンドを置いて、そこに10インチのハンドスプラッシュを1枚、セットしています。
シンバルスタンドをカホンの右か左かどちらに置くかは、シンバルをどちらの掌で叩きたいか、そのクセがあると思いますので、叩きやすい方でよいかと思います。
シンバルの反対側には、譜面立てを置いています。
カホンで譜面?
…と疑問に思われる方も多いでしょうね。カホンには音程も和音もありませんので『五線譜』は要らないのですが、実はカホン専用の『カホン譜』というものは存在します。とはいえ、ライブでそんな譜面を目で追ってる人は見掛けませんね。
私はといえば、WORDで作った歌詞カードに赤ペンで、『ドン・ドドン』とか『タッツカツターン』とか、シンバルを叩く位置には『パシャーン』とか、自身で口ずさむイメージを書き込んだものを書き込んで、演奏中にもチラ見しています。
2.シンバル1枚に譜面立てが欲しい時のセッティング
私のように、どこでシンバルを叩くかを忘れないようにどうしても歌詞カードを立てたい場合、上の写真のように譜面立てを使うと場所の制約があることと、譜面とシンバルが左右に分かれる為に視線の移動が大きいことが不便となります。
そこで私が考案した方法(苦肉の策ともいう)は、シンバルスタンドの1番上のシャフトを抜いて、譜面立ての1番上の譜面台のパーツを差し込む方法です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、譜面台もシンバルスタンドも伸縮の為に3本構成になっているものが多くて、それぞれネジを緩めればスポっと抜ける構造です。
そして実は、シンバルスタンド(TAMA)の一番先の最も細いシャフトの径が9.0mm。譜面立ての一番先の最も細いシャフトの径が10.0mm。
本来なら譜面台の根元の方が1.0mm太い為、差し込めないはずなのに、何故かきっちり入ってしまったという奇跡のフィッティングでした。
かつ肝心のシンバルは、シンバルを斜めに増設するパーツを追加してシンバルが自身の真正面に来るようにセッティングしています。
3.シンバル2枚の場合のセッティング
10インチのシンバルを買って機嫌よく叩いておりましたが、楽曲のレパートリーが増えてくるとシンバルの音色にもバラエティが欲しくなってくる。あと、スティックで叩く場合は連打もし易いのですが、カホン用シンバルは基本的に掌で叩きますので、連打がしにくい。
そこで、2枚目としてひと回り小さい8インチのシンバルを買い足してみました。
かといって、シンバルスタンドをもう1台置くわけにもいかず、どうしたものか?と考えたときに、そうか、譜面さえ見ることがなければ手持ちのパーツでシンバル2枚保持できるなということで、こういう形になります。
4.シンバル2枚に譜面が欲しい時のセッティング
でもやっぱり…
譜面というか歌詞カードの『ドンドコドン』とか『パシャーン』とか朱書きしたシートを見ながら、2枚のシンバルを叩きたいなぁと考えたときに、またまた面白いパーを見つけました。
『屋上、屋を重ねる』といえば、『重複して無駄なものを作る』という例えですが、まさに『シンバル上、シンバルを重ねる』作戦!
10インチシンバルの上方に8インチシンバルを重ねる、しかも真上に重ねるパーツもありますが敢えて10cmほどズラして重ねる。
これにより、連打しても2枚が干渉せずに、叩き分けることが可能になります。
ただし、見た目はかなり冗長になりますし、なによりバンドのセッティングや撤収の時の手間もけっこう掛かります。
チューニングが要らないのが打楽器のメリットですが、出し入れはやはりギターには敵いませんね…
まさに、挿し木に接ぎ木、音楽界の盆栽状態…
最後に、個人的に気付いたことを一つ…
10イントだ 8インチだとはいえ、綺麗な音を出す為には結構な力で叩ききる必要があり、シンバルスタンドには相当のダウンフォースが加わります。
ここに紹介したシンバルスタンドは、プロ仕様の重厚なものではなく、メーカーラインナップの中でも普及品クラスの為、斜めのアームを使った場合、演奏中に倒れてくる危険性もあります。
少しでも転倒を防ぐ為には、斜めのアームをできるだけ短めにしてやることと、三脚のうちの1本を、叩く力の掛かるベクトルに合わせることが有効かと思います。
言葉では伝わりにくいところですが、理解できた方は是非試してみてくださいませ。