カラオケBOXで『朝カラ!』と称してテレワークする人が増えている件
火曜日は音楽ネタの日。
カラオケBOXが、あの手この手で集客を競っています。
けっして広くはない個室に複数名が集い、防音の必要性ゆえに換気良好とはいえず、また歌唱という大声発散行為が必然的に行われる密室ですので、自ずと『3密』の主犯格のように扱われてきました。
第7波がやや収束を見せ、居酒屋や立ち飲み屋が盛況になりつつある昨今でも、『2次会の禁止』や『5名以上の飲み会自粛』を下命している企業が多く、即ち2軒目需要で成り立っているカラオケ業界は不況が続いているという状況です。
その中でも他の飲食店に比べて閉店・撤退が少ないのは、基礎体力のある大手チェーンが多く、また規模の割りにバイトスタッフの人数が抑えられること、冷凍食材が中心のため廃棄ロスが少ないことが挙げられるかと思います。
そんなカラオケ各社がこぞって狙っているのが、早朝から午前中の時間帯です。
例えば、『JOYSOUND』では『朝カラ始めました!』と銘打ち、午前7時から最長4時間で1,000円という破格のパックを提供。
ドリンク・フードは自由に持込み可。部屋についても自由に選ばせてもらえます。
通常、カラオケBOXのビジネスモデルは、部屋料金よりもドリンク・フードで売上・利益を稼ぐ組立てですが、敢えてそこを諦めてでも稼働率を優先する戦略。尤もその時間帯はワンオペの店舗も多いと思われ、飲食オーダーに振り回されるよりもフロント業務に専念する方が安全であるともいえますね。
こうした早朝パックの事例は他にも、カラオケ『まねきねこ』の『朝うた』や、『ラウンドワン(カラオケ)』の『朝割』等がありますが、先に紹介した『JOY SOUND』の商品名は、その名も『朝活パック』です。
即ち、もはやカラオケを提供する場としてではなく、テレワークや会議需要を取り込もうという魂胆。
テレワークは習慣づいてきたが、家族と同居だと落ち着かないし、単身者でも自室は誘惑が多いしエアコン代も馬鹿にならない。
かといってスタバでは機密情報を発話できないし、自身のパーソナルスペースも極めて狭い…
それを考えると、4時間1,000円のカラオケBOXはなかなかに素敵なワーキングスペースなのでしょう。
店側は、『カラオケBOXだからカラオケ客を取り込もう』という考えに囚われていないか?
利用者は、『カラオケBOXだからカラオケを歌いに行こう』という固定観念に縛られていないか?
自由な発想で、このコロナ不況を乗り越えたいものですね。
はい、音楽ネタのはずが社会ネタになりました(苦笑)