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寓話『3人のレンガ職人』で4人目を目指したい件

曜日ごとのカテゴリー、月曜日は本題であるキャリア系のお話しです。というか、本来はキャリアについて毎日ブログを書き綴るつもりだったのですが、まずは週1回だけでスタートしています(苦笑)
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職場では昨春56歳にして役職定年となりましたが、出向先でのエリアマネジャーという職名は継続して拝命しています。

あ、『役職定年になりました』と伝えると、『え、もう定年なんですか?』と驚かれることも多いのですが、バブル期に大量採用を繰り返した大企業では、50歳代半ばで管理職を強制的に退いて椅子と権限を明け渡し、組織を若返らせる人事制度があります。
その制度の中で、出向元本籍会社での職位と給与賞与が下がりましたが、出向先である ここ名古屋事業所の中では引き続き責任者を仰せつかっており、仕事始めの1/5(水)にはメンバー全員に年始メッセージを送ったりするわけです。

年始メッセージは誰に求められているわけでもなく、自主的に出しゃばって全員に送りつけていますので、読まされる方は迷惑千万ですね(苦笑)
中高の始業式の校長先生の挨拶よろしく、ごく一部の真面目な生徒を除き誰も聴いちゃいないって感じですが、ちょっとは年長者らしく気の利いたことを話そうとして、ネタを考えます。
今回はイソップ物語から『3人のレンガ職人』の寓話を紹介することにしました。


時は中世、とあるヨーロッパの町で。
旅人がある町を歩いていると、重たいレンガを運んでは積み、汗を流している3人のレンガ職人と出会いました。
旅人は3人のレンガ職人にそれぞれ、『何をしているのですか?』と尋ねました。

1人目のレンガ職人は、
『親方に言われてレンガを積んでいるんだよ。もういい加減うんざりだよ』と答えました。
2人目のレンガ職人は、
『レンガを積んで城壁を作っているんだ。大変だけど、報酬がけっこう良いものでね』と笑顔で話してくれました。
3人目のレンガ職人は、
『ここに大聖堂を建てるって言うんで、その基礎にレンガを積んで壁を造っているんだ。後世に残るデカイ仕事だよ!』と答えました。

3人のレンガ職人は、携わっている作業は全く同じですので、報酬(個数単価もしくは時間単価)も変わりません。しかし、当人の動機・モチベーションというか、働く意識が全く違います。

1人目は、ただ言われたからやる。言われなければやらない。組織の歯車。作業としての仕事、労役としか感じていません。
2人目は生活の為にお金を稼ぐことが目的であり、さらに効率よく儲かる仕事はないかと常に探している。
3人目は、『後世に残る歴史的事業に参加している』という自負と志を抱き、明確な目的意識を持って働いています。

『皆さんはどのレンガ職人に仕事を頼みたいですか?』
もちろん、模範回答は3人目ですね。
『皆さんはどのレンガ職人を目指しますか?』
模範回答は3人目なのでしょうが、正直、多くの中堅サラリーマンは2人目のように働いているのが実情ですね。

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さらに、『3人の10年後』に言及している伝承もあります。
1人目は、10年前と同じようにブツブツ言いながらレンガを積んでいました。
2人目は、より時給の高い仕事を見つけましたが、危険な屋根の上で働いていました。
3人目は、その現場の施工管理者を任されるようになり、のちに完成した大聖堂には彼の名前が刻まれました。

心理学のテキストでは、このイソップ寓話を、米国の臨床心理学者アルバート・エリスの『ABC理論』(認知行動療法)として説明できるようです。
【出来事】ではなく【捉え方】がその感情を引き起こすというのが【ABC理論】です。

上図はこちらのサイトから拝借しました。

『3人のレンガ職人』で言うと、3人の【出来事】は同じですが、その【捉え方】によって違った感情が生じます。その感情によって【結果】が変わることがあるということです。

心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる

松井秀喜氏の座右の銘より

さて、せっかく『プロティアンキャリア理論』を学んでいる私としては、寓話に含まれていない『4人目のレンガ職人』の在り方を考えてみたいと思います。

4人目のレンガ職人は、毎日のレンガ積みという単純作業の中にも何か工夫の余地はないかと常々考え、レンガ置場からキャリーで運ぶ時の個数×回数を最適化してみたり、中腰の姿勢をラクにする方法を研究してみたりと、創意工夫を怠りませんでした。
そして、人事異動で現場監督に抜擢されたり、さらには違う部門に配属された後も、要員配置や企画立案に自身の経験を活用し、大聖堂の建立に貢献しながら自身のキャリアも充実させていきました。

レンガ職人がレンガ積み技術を極めて『レンガ職人の神』として称えられるのも人生。
レンガ職人がレンガ積みを離れて、次にどんな仕事・環境に投げ出されても、自分を失わず柔軟に強かに対応していくのが、プロティアンな生き方。
20代・30代の若手に説法しても聴く耳持たないとは思いますが、50代の私も遅ればせながらその精神を大事に、残された会社生活とこれからの自分のキャリアを切り拓いていきたいと思います!

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