憧れのPIRELLI P-ZEROを履いてみた件
このポストが格納されているマガジンが、『★ええ歳こいてクルマ好きの部屋』。
テーマは『クルマ好きオヤジの戯言』
若い方々とクルマについて語る機会が減りました。
社内の後輩もそうだし、なんならカーディーラーのセールス諸氏でさえ、40歳代はまだいろいろな話しを知っていますが、それ以下の若いセールス氏は自社の販売マニュアルを超えた知識もクルマに対する興味もそれほど持ち合わせていません…。
そんな昨今にタイヤのことを語って興味を持ってくれるのは、やはり同世代のオヤジだけなんだろうなと悟りつつも、自身の備忘として書いておきます。
『タイヤ交換に関する日記』、つまりタイヤの『交換日記』です(苦笑)
タイトルに書いてありますが、PIRELLIのP ZEROと聞いてワクワクする人がどれほどいらっしゃいますでしょうか?
いやワクワクしなくても、おぉ~!と反応してくれる人がいかほどいらっしゃるのでしょうか?
筆者と同世代のバブル経験世代、学生時代や20~30代の頃に合コンに明け暮れ、最初の自己紹介の折に女性陣から必ず『クルマ、何乗ってるんですか?』と訊かれ、男性陣の中のルックスの順位・ヒエラルキーが所有車両のステイタスによって逆転される、或いは逆転してきた我々世代にとって、タイヤというのはクルマそのものと同じくらい興味と所有欲の対象でした。
尤も当時から、クルマのヒエラルキーは女性陣にも分かりやすかったものの、タイヤのブランドやサイズについては男性だけの興味対象であり極めてオタクな世界でのマウンティング対象物ではありましたが…
さて、P ZEROです。
上記のバブル期にはクルマ自体が日・独・英・米・仏・伊と百花繚乱のなかで、タイヤメーカーもまた、日(BRIDGESTONE/YOKOHAMA…)・独(Continental)・英(DUNLOP)・米(GOODYEAR)・仏(MICHELIN)・伊(PIRELLI)と多彩なメーカー・ブランドが日本に押し寄せ、特に PIRELLI はイタリアというファッション性に加えて古くから F1や WRCでの輝かしい戦績もあり、当時から輸入者オーナー或いはスポーツ系ユーザーには一定の人気を誇っていました。
当時の主力ブランドは P6、および P7。
そして、Porscheのほか Lamborghiniや Ferrariといったスーパーカー向けに開発された P ZEROは、Super Premiumなスポーツタイヤとして当時の若者層にとっての垂涎の的でありました。
さて前置きはここまでとして、筆者のタイヤ交換です。
これだけ熱く(暑苦しく)クルマやタイヤのことを語りながら、筆者宅のマイカーは購入6年で走行距離が約18,000kmという『飾り物』状態です。
もちろんタイヤの溝も減っておらず、いわゆる『七分山』という健全な状態。
通勤やお仕事そのもので使用されて、3年ほどで数万キロ走行され、溝が減ってツルツルになり掛けているタイヤとは対極の状況にあります。
ただ、タイヤのショルダー部には無数のヒビ割れが生じており、ゴム製品としてマズイ状態にあることは素人眼にも分かるような状況ではありました。本来、黒っぽいはずのゴムが灰白色に硬化し、柔軟性も弾力もないほどに劣化しているのは明白です。
タイヤはクルマ本体と一心同体で、日々、振動による撓みや捻じれ、紫外線や雨水や泥汚れを浴びながら、過酷な環境の中で日毎に劣化していきます。
その劣化速度を遅くするべく、賃貸住まいの時は屋根付き駐車場を希望し、戸建ての時は車庫屋根を設置して、降水や紫外線によるダメージを軽減させてきました。また、市販のタイヤWAXをマメに塗布して紫外線をバリアしてきました。
その効果もあって、タイヤのサイドウォール(側面)にはヒビ割れが生じていないものの、先述のようにタイヤWAXが施せないショルダー部分に、まるで『耳なし芳一』のように紫外線攻撃を受けてヒビ割れが生じてしまったわけです。
そのタイヤは、新車納入時から工場で純正装着されていた PIRELLI SCORPION VERDEというブランドで、まさかの PIRELLIタイヤ!
学生時代から憧れていたあのピレリが標準装着されていたので、新車納車時には小躍りするくらいに興奮していました。
(因みに新車装着タイヤはどのクルマにも2~3種類が選定されていますが、工場出荷時に装着される為、購入者がチョイスする余地は殆どありません…)
SCORPION=サソリですので、さぞかし荒々しいスポーティなイメージが先行しましたが、調べてみると、VERDE=緑ということで今流行りの環境重視なエコ指向ブランドでした。
それでも、PIRELLIブランドはバブルオヤジをニンマリさせるに充分な威光を放っています!
というわけで、そのヒビだらけの PIRELLIタイヤを履き替えるに際して、次のタイヤブランドを何にするか?で約2ヶ月は検討しました。
(世の中の8割がたの方なら、『タイヤ、替えなきゃダメですよ~』と言われてすぐ、ディーラーかオートバックスでお任せで替えてもらうんでしょうけど…)
そこで見つけたのが、件の P ZEROでした。
どうせスーパーカー向けの超プレミアムなお値段でしょ?と思ったら、案外そうでもない。
もちろん、カー用品店のチラシに載っているような4本で数万円のレベルではないけれども、無理したら買えるやん!
でも、一般道をチンタラ走るのがメインで、たまに高速道路に乗っても時速100km/hをキープしている自分にとって、スポーツタイヤは要らんでしょ!と思ってたら…
なんと P ZEROブランドの中に、“SPORTS”と “LUXURY”という2つのシリーズが展開されている!
これって、P ZEROの新登場当時から知っている筆者にはかなり違和感ある設定なんですね。P ZEROなのにスポーツ性能よりも静音性とか乗り心地重視!という何か矛盾したような、ブランド名が破綻したようなマーケティングが…
ま、矛盾してようが破綻してようが、あの憧れの P ZEROで静かで乗り心地がいいのが、夏ボーナスを投入すれば買えるのであれば、もうこれしかないね!という感じで、通販サイトの購入ボタンをポチっと…(これまた今ドキの買い方!)
というわけで、先日近所のピットでその P ZEROを装着してもらい、計100kmほどの慣らし走行(ひと皮剥く、と表現します)を終えてきました。
今回、タイヤサイズは新車装着時と全く同じ 235/50R19。
違うのは、ロードインデックス(荷重指数)が99から103に。これは90もあれば車重2.4tまで耐えられますので大差なし。
速度記号は従来と変わらずV表示で時速240km/hまで。
そして今回、敢えてXL(Extra Road)規格を試してみました。
説明は割愛しますが、簡単に言えばサイドウォールを強化して、耐荷重や撓みに強くした構造です。正直、100km程度の試走では、通常(非XL)との差異は分かりません。
あと、製造記号が 0224ですので2024年の第2週、できたてホヤホヤですね。
これは販売サイトでは『先入れ先出し』の原則の為、基本的に非公開ですが、いろんなヒアリングを駆使して最も新しいタイヤをゲットしました。
なにしろまた数年、溝が減るよりヒビ割れが先!という環境で乗りますもので…
かくして、お気に入りのタイヤに履き替えてご満悦のなか、用もないのにドライブ。
さながらお気に入りのレザースニーカーが、靴底はまだ擦り減ってないのにトップのレザーがカピカピにヒビ割れてしまって泣く泣く買い替えるのにも似ています。
そしてスニーカーと同様、新しいうちは雨の日には外出していません(笑)
こうしてオヤジのクルマライフは、クルマに無関心な一般の方には理解し難い行動を見せながら、当人はニマニマして日々のストレスを解消しております!