旅路
祖父母の家に行って、帰ってくるところです。
これを読んでいる人、今日はどんな一日でしたか。今日もつらかったかな、お疲れ様でした。
閑話休題。
父方の家庭は皆耳が遠いんです。父も、お祖父ちゃんも、父の兄も、お祖母ちゃんも。それゆえ、会話やら何やらの音は全て大きく、わたくしには聞こえる訳です。気にしなければいいのですが、わたくし大きい音とはどうも苦手なので、遠い事も相まってあまり行くことは無いんです。
さて、耳がいい人がせっかくいる中で、耳の遠い人達はどうするでしょう。簡単なことです、わたくしを会話の仲介役にするんですね。これがまた、人助けと思えればいいものの、わたくしはどうも疲れるので苦手でした。聞こえないことは悪いことじゃありません、仕方の無いことです。なりたくてなった訳じゃないんですから。でもやっぱり、苦手なもんは苦手です。大きな声を出すことも苦手ですから。
今朝、少し嫌なことがありまして、話してもいいですか。
お祖父ちゃんが、わたくしの名前を呼んだんです。家族の誰に話しかけるよりも、大きな声で。一瞬破裂音かなにかかと思いました。思わず目をきゅっと閉じて、こらえました。普通程度に聞こえることは知っているのです。単に、お祖父ちゃんなりの戯れみたいなものだったんでしょう。わたくしには少し、つらいものだっただけです。朝が弱いもので、寝起きで頭が働かずにぐったりしていたものですから、きっと大声で呼んだんでしょう。聞こえてるよ。お祖母ちゃんは軽く宥めてくれました。わたくしも、嫌だと言えればよかったんですが、耳の遠い人に、大きな音や声は苦手だと言うなんてとんだ皮肉になりかねません。何より、大声を出すのが嫌でしたしね。そんなこんなで、少し気分の優れない朝でした。
聞いてくださってありがとう、あなたのかかえているものが少しでも軽くなりますように。
思いつきですが、わたくしの好きな曲を書いておきます。気が紛れたらうれしいです。
アダルトチルドレン/カンザキイオリ