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花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき

私の好きな詩の一つに
花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき
があります。「放浪記」で有名な林芙美子さんの詩です。

高校生の時に国語の先生から聞いたのが最初だったと思います。
長いあいだ二行の短い詩と思っていました。ところが、
以前にこの詩について調べた時に、こんな記事に行き当たりました。

2009年9月5日の時事通信によると、

 「放浪記」で有名な作家の林芙美子(1903~51年)の未発表詩が残されていたことが5日までに分かった。詩には、芙美子が色紙などに好んで書いていた「花のいのちはみじかくて…」の一節が含まれている。これまで確認されている芙美子の原稿や書簡などにこの一節はなく、原典の可能性もある。
 詩は12行で、原稿用紙に万年筆で書かれていた。保存されていたのは、「赤毛のアン」の翻訳者、村岡花子さん(1893~1968年)の東京都内の遺族宅。孫の村岡美江さんによると、芙美子と親交のあった花子さんの書斎に古くから額に入れて飾られていたという。
 筆跡を調べた北九州市立文学館の今川英子副館長(近代文学)は「丸みを帯びた特徴的な字で、芙美子の筆跡に間違いない。書かれた時期ははっきりしないが、『花のいのちは…』の一節の原典の可能性もある」と話している。・・・

https://plaza.rakuten.co.jp/noncaffeinetensi/diary/200909050003/#goog_rewarded


詩は全部で12行あり、贈られたお相手は赤毛のアンの翻訳者村岡花子さん。びっくりです。2014年のNHKの朝ドラで広く知られるようになりました。

林芙美子 直筆の原稿

風も吹くなり
雲も光るなり
生きてゐる幸福は
波間の鴎のごとく
漂渺とただよひ

生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり

林芙美子

人生苦しいこともあるけれど、光もある。
生きている幸せと希望の詩だったんですね。

村岡花子は林芙美子よりちょうど10歳年上です。
このお二人かなりの親友だったのではないかと思われます。
お互いに共感できる友達ってちょっとうらやましい。
いったいどんなお話をされたのでしょう。
気になります。


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