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【5分小説】僕の声は君に届かないけれど――。
もう何年も前の話だ。
僕、堤小太郎は、隣の家に住む僕よりいくつか年上の女の子に恋をしていた。
女の子の名前は、大木さくら。
彼女と僕は、家族ぐるみで付き合いのあった、いわゆる幼馴染というやつだろうか。
物心の付いたときには、もうすでに彼女は僕の姉を名乗っていた。
僕が何かをするたびに、彼女は僕の頭を撫でて褒めてくれたし、僕が何か間違いを起こせば、彼女は厳しく叱ってくれた。
僕にとっ
もう何年も前の話だ。
僕、堤小太郎は、隣の家に住む僕よりいくつか年上の女の子に恋をしていた。
女の子の名前は、大木さくら。
彼女と僕は、家族ぐるみで付き合いのあった、いわゆる幼馴染というやつだろうか。
物心の付いたときには、もうすでに彼女は僕の姉を名乗っていた。
僕が何かをするたびに、彼女は僕の頭を撫でて褒めてくれたし、僕が何か間違いを起こせば、彼女は厳しく叱ってくれた。
僕にとっ