2020.9.26 "マーケティング戦略とWEB広告クリエイティブをつなぐ思考を実践する!"を視聴した
前回参加した「マーケティング戦略とWEB広告クリエイティブをつなぐ思考を学ぶ」の続き、実践編を視聴しました。実際に手を動かすのはマーケティングトレースのメンバーということで、私はひたすらフムフムとプレゼンに聞き入るばかりでしたが、今回も発見が盛りだくさんでした。
前回のレポートはこちらです。
今回も講師は黒澤さんと川端さん、そしてコメンテーターの徳田さんでした(司会が黒澤さんのため、ファシリテーターではなくなってしまった…)
そして特別ゲストMEDULLAの坂口さん!実践編ということで、坂口さんが販促をご担当されているパーソナライズシャンプーのマーケティングトレースを行い、戦略を出した上で川端さん作成のシートを用いてクリエイティブに落とし込んで実際に広告を出してみよう、というのが今回のテーマでした。かつて、ここまで実践的なウェビナーがあったでしょうか…。
MEDULLAはひと目見ただけで「あら、おしゃれ〜😍」となるビジュアル。なにより、冒頭に坂口さんからブランドコンセプトや商品についてのプレゼンがあったのですが、私だったら「もう私からご提案することはありません…」と言ってしまいそうなほど、しっかり練り込まれた内容でした。
しかし、マケトレのメンバーの皆さんは果敢にも(?)、第三者の視点からあらためてマーケティングを紐解き、どんな戦略でどんなターゲットに売ったら良いか、様々なアイデアをプレゼンしてくださいました。
マケトレメンバーでもなんでもない私がその場で思ったことは、
・ぱっと思いつくド真ん中の競合はmy BOTANIST
・機能的価値からするとサロンやドライヤーなどヘアケア全般が競合
・アンケートに答えてサブスク型はスナックミーやPostCoffeeっぽい
・大手も「しっとり」「さらさら」「ダメージ」など2〜5種類に分けてる
→それで十分だという人を納得させる競合優位性を見せる必要がありそう
・買ったけど「合わなかったらどうしよう」の懸念がありそう
・シャンプーを使い切るのは大変なので初回は小さいサイズだといい
というようなことでした。もちろんそのあとのプレゼンで同様のアイデアは出ていたので、私のぽっと出の感想はともあれ皆さんの発表をご紹介。
その前に、あらためて川端さんのシートを振り返りましょう。
■川端さん「今回のために作りました」
こちらが川端さん作成の「10STEPワークシート」もとい「QUIECKEDIT」(読めない…)もとい、カワバタメソッド(非公認)の振り返りから。
実は数日前にわたしも半分ぐらいシートを埋めて実践してみる機会があったんですが、まあなんと難しいことか!シート自体はとてもわかりやすく、説明を聞くと「ふむふむ、なるほど!このシートを埋めれば顧客理解は完璧だわ!」となるのですが、シートを埋めるのがめちゃくちゃ大変です。
たぶん何回も読むより、実際に埋めてみる作業をすることで、このシートの真の凄さがわかります。なぜなら「しっかり具体的にユーザーをイメージできていないとこのシートは埋められない」のです。特に、マケトレメンバーのみなさんも苦戦したという「④心理図」と「⑥ターゲット考察」。
これ、いずれもわかりやすく思えるのはあくまでもすでに川端さんの言葉で埋めてあるからであり、まっさらな状態で埋めていくのはとても難しいのです。しかし、埋めたあとにはターゲットにすべきユーザーがありありと思い浮かべられる、つまり、制作に携わるすべての人で方向性が共有できるというめちゃくちゃすごいパワーを持ちます。
あともう一個びっくりしたのは、川端さんがこのシートについて「今回のために作りました」と言っていたこと。nanocolorメンバーの中ではこれをいつも会議の中で口頭でやりとりしながら認識のすり合わせを行っていたそうです(それもまたすごいんですけれども…)
■アホみたいなツイートでプレゼン実況
徳田さんがありがたいことにnoteで私のツイートをもとにプレゼンのまとめをしてくださったんですが、いや使うならもっとちゃんと実況しましたのに…!となるほどひどいツイートです。だってお一人目の中村さんがこれ。
おいしいごはん作りそうって(実際は建築士さんだそうです念の為)
あらためて中村さんのプレゼンですが、一人目として完成度高すぎでは!?と思う、しっかりマケトレと10STEPシートを生かしたプレゼンでした。離脱の原因(低評価レビューの分析)に着目して、そもそもあまり悩みが具体的でない人には、パーソナライズの良さが最大化できず、高評価を得られてないのでは、という指摘も納得でした。心理図でいうところの、+側にいる人たちをターゲットにするには、訴求についても「悩みを解決」だけじゃない切り口が必要ということですね。
続いて二番手、池野さんチーム(実況中はお名前聞き漏らしてしまって失礼いたしました…)今回のプレゼンの中で、実際に一番商品のターゲットに近いであろう池野さんは「悩みが解決して、髪質が改善して、褒められたら嬉しい」という価値を最大化することで「イケメンが褒めてくれる」という斬新な訴求軸を提案してくださいました。
確かに、脱毛の広告とかでも「すべすべな君は素敵だね✨」みたいなことをイケメンが言ってるクリエイティブありますもんね。また、自分で改善を実感すること以上に、他の人から「良くなったね」と言われるのはより効果を感じられる要素だと思うので、理にかなってると思いました。
三番手はとみーさん。本職は営業なんです、とおっしゃっていたように思ったのですが(聞き間違いだったらすみません)全体のプレゼンの中でも一番ユーザーを具体的に想起されているように思いました。個人的に営業さんって、クライアントやエンドユーザーの声をヒヤリングして課題感を引き出すところにめちゃくちゃ強みがあると思っています。ターゲットも「テレビ会議での映りで髪のぱさつきなどを気にする人」と絞ることによって、クリエイティブへの落とし込みもイメージしやすいように思いました。SNSなどと相性のよさそうな切り口ですよね。
四番手は大阪からオンライン参加のおおかわさん。これから大手の新規参入があることを考えると、これまでの会員データの蓄積・サロンとの連携などのほかにない強みを出して競合優位性を出していく必要があるだろうといった内容でした。
それを聞いて私が思ったのは、そもそもパーソナライズシャンプーという市場自体まだまだ狭いだろうなということ。たとえば現状シェア1位なのであれば、市場自体を成長させるだけでも、MEDULLAのユーザーは同じかそれ以上の成長率で増えることになります。自分がシャンプーを買う時にパーソナライズシャンプーという選択肢はあるかな?と考えると、例えば、髪がぱさつき出したとしても、「高めのトリートメント買おう」とか「ドライヤーをナノケアにしよう」とか「美容院で相談しよう」といったチョイスがまず頭に浮かぶように思います。そこに「パーソナライズシャンプー」という選択肢をくわえていく、という認知拡大というのもひとつの方向性だなと。
最後は、Twitterで実況していたと思いきや「え、あなたもプレゼンテーターだったんですか?」となった三船さん。さすがトリ!という感じで、最初の中村さんと同様にしっかりマケトレと10STEPシートを生かした分析でした。
他の方のアイデアの中でも「香りが良い」というキーワードはよく出てきたと思いますし、実際に高評価のレビューでもひとつのポイントにはなっていたと思うのですが、オンラインで香りの良さを伝えるって難しいですよね。一度買ったものをリピート購入する(いつも買ってるお気に入りの香水とか)ならハードルは低いですが、これから初めて買う、となると「どんな匂いか」ってやっぱりビジュアルとかテキストで伝えるのは限界があるもの。試供品やオフラインでの販売と絡めるアイデアも出ていましたね。
と、皆さん同じインプットから、同じシートを使って分析していてもいろいろな方向性のプレゼンになっていたのが印象的でした。そしてさすがマケトレメンバーといいますが「そもそもの事業の戦略にこれを加えてみては」みたいな提案も多くて面白かったです。事業へのインパクトまで試算されている方もいたのが印象的でした。マケトレでしっかりマーケター筋(?)が鍛えられているのでしょうね…。
■もうちょっとだけ続くんじゃ
さて、まだここで終わりではなく、今回の5つのプレゼンをもとにクリエイティブを作成し、広告を実際にやってみよう、そして広告の効果を見てみよう、というのが実践編のラスト。
企画やマーケの仕事をしていた経験があるので、ものすごーくよくわかるのですが「マーケティングしました」「ターゲット決まりました」「企画作りました」「プレゼンしました」で終わってしまい、実際に世に出る企画の少ないこと。そのもどかしさから、わたしは新卒でスタートしたマーケターというキャリアをやめて、より制作に近い方面へと転職してきた経緯がありました。でも、本当はマーケターもデザイナーも(私のようなディレクターは特に)同じ方向を向いて、同じ戦略を共有しないことには良い施策はできないですし、そこにクライアントさんも加わってもらわなければ、成功もないだろうなと思うわけです。
でも、それってめちゃくちゃ大変じゃん?絵に描いた餅じゃん?机上の空論じゃん?と思っていたのですが、前回・今回を通して「戦略とクリエイティブを繋げることが大事」と考えている人がたくさんいるというのがわかったことは非常に嬉しいポイントでした。自分だけじゃなかったです。
■最後に
前回、シャツが背景と同化してしまった徳田さんですが今回は…
まさかの双子コーデ💑でした。
次回は三つ子コーデであることを期待しつつ、今回のためにご購入されたという青シャツでオシャレにキメてきた徳田さんの最速noteはこちら。
SHEさんのスタジオもオシャレでした(このアー写好きですw)
黒澤さん、川端さん、徳田さん、ご協力の坂口さん、マケトレメンバーの皆さん、ご準備に携わっていただいたスタッフの皆さんありがとうございました&お疲れさまでした。まだこれで終わりじゃない…次回も楽しみです!