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音楽家がサティから学ぶこと5選!

サティ

あらゆる専門用語やエピソードと共に紹介される異端児サティですが、そんなことはさておき、吸収できることを探していきましょう。

この手の記事を書くと必ず「史実と異なる」と主張する人が出てきます。そんなことはどうでもいいのです。以下の記事の「史実は不要」のセクションで手前共の歴史に対する考え方を述べていますのでご一読頂けると嬉しいです。

①モード

まずはモード、つまり教会旋法の使用がサティの特徴の一つです。モードの使用により、長調と短調の枠から抜け出して新しい雰囲気を作ったのです。後の多数の音楽家に影響を与えています。現代では当たり前のように使われるモードですが、一度歴史を振り返り、サティからの流れを研究してみてはいかがでしょうか。

②BGM

当時はBGMという言葉は使いませんでしたが、サティは「そこにあっても邪魔にならない音楽」として《家具の音楽》を作りました。これが後のBGMに繋がったのです。サティは酒場のBGMを目的として作曲したのです。私も個人的に2012年まで銀座や関内のバーで名前を隠してボサノバ歌手としてBGMに徹することができるか検証しました。技巧をひけらかさず、インパクトのある演奏をせず、そしてクオリティ高く、単調に ・・・・・・ 非常に困難でした。読者の方も「聴かせる音楽」とは別に「そこにあっても邪魔にならない音楽」をお試しいただくのはいかがでしょうか。

③嫌がらせ

《ヴェクサシオン》は「いやがらせ」と訳されることが多い曲で、ゆったりとした1分超の曲を840回繰り返します。どれだけ急いでも15時間はかかります。イベントなどでネタとして扱われることも多い曲です。このような真面目なのか不真面目なのかがわからないような曲を世に残している異端児精神を参考にするのもいいかもしれません

④ネーミング

《犬のためのぶよぶよとした前奏曲》《犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲》《梨の形をした三つの小品》《あらゆる意味にでっちあげられた数章》など紹介し始めるときりがないユーモアのある楽曲のネーミングです。これらの曲名を知ってしまうと、どうしても聴いてみたくなります。そして、聴いてみるとすべて期待通りであることが嬉しい部分です。私達も期待させて、期待通りの体験をさせられる音楽家を目指したいものです。

⑤楽器音以外

天才を見付ける天才として知られるディアギレフは何かと前衛的な企画で世間を賑わせましたが、サティの《パラード》はその代表的な作品です。台本がかのジャン・コクトー、そして舞台美術や衣装はなんとピカソです。この3人がチームを作ってディアギレフ率いるバレエ・リュスとして演奏するとなると大騒ぎの予感しかしません。そして期待通りの作品です。音楽だけを聴いても、タイプライター、サイレン、くじ引きのガラガラや、缶を叩く音まで楽器音以外をふんだんに取り入れています。楽器音以外を音楽に取り入れるという発想はその後の音楽家に引き継がれますが、当時は奇抜なものでした。私達もセンセーショナルな音楽制作を目指すのもいいかもしれません。

上記元ネタ

上記の元ネタは以下の『音楽家の歴史吸収術』です。100人の音楽家から5つずつ即、ご自身の音楽人生に取り入れられるように書きました。

史実をつらつら並べた本ではありません。

上記内容を気に入って頂けましたら是非本書を手に取ってお読みください。

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津本幸司

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