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音楽家は白黒付けてはいけない

白黒付けたがる

SNSではアレが正しくて、コレが間違っているという議論で盛り上がっています。女性は奢られるべき、割り勘にすべきとか、差別は悪いとか区別だとか、何かに付けて白黒付けようとしています。

私にもたくさんの質問が来ます。最も多いのは「音楽家は持ち家がいいですか? 賃貸がいいですか?」です。その次に多いのは「音楽家は副業すべきですか?」です。

このような考え方自体が間違っているんです。白黒付けてはいけないのです。

二項対立

二項対立とは白黒付けることを意味します。つまり、Aが正しいならBは間違い、Aが間違いならBが正解と考えることです。

これが何を意味するか・・・

思考停止

なのです。つまり、AとBについて考えるのが面倒くさいから、考えたくないから、誰かにどちらかが正しいと言って欲しいのです。無理なら自分でどちらかが正しいと思い込みたいのです。その信念が揺らぐので、確証バイアスとしてその思い込みが正しいと思える人だけで集まり、正しいと言っているネットの情報を寄せ集め、反対意見をボコそうとするのです。

結果

このように白黒付けてしまうと、AとBの両方が正しかったり、両方が間違っていたり、Cという存在の可能性に気付かなかったりします。つまり、多様性を排除してしまうのです。

音楽の行き止まり

芸術はこの二項対立、つまり白黒付ける発想により進展が止まります。自己成長も止まります。例えば、「この音楽が正しい」「この練習法が正しい」と新たな可能性を排除してしまうのです。

最も危険なのが「この生き方が正しい」と決めつけてしまうことです。

これはある意味しょうがないことです。これを肯定しないと自分の存在自体を否定することになるからです。

じゃあどうすればいい?

白黒付けたらだめ、でも「この生き方が正しい」と決めないと自己否定になる・・・・・・ではどうすればいいのでしょうか?

答えは

仮の決断をして仮であることを忘れないこと

つまり、概念は常に揺らいでいるから、揺らいでいることを知り、日々新しくなることを覚悟するのです。

明日、世界中の白鳥とカラスの色が入れ替わる可能性があるのです。

まとめ

これは2004年に没したデリダです。

8,250円は少し高いかもしれません。ただ、積ん読だけでも人生変わると思います。飾っておくだけでもパワーのある本です。

日本の音楽家を応援しています。読んでも消化吸収できない音楽家のために上記を含めて5時間の講義を行います。先行情報だけでもお取り寄せください。

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津本幸司
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