音楽家はワーグナーを見習って?
ワーグナー
いまさらワーグナーを見習うなんて当たり前ですよね。音楽的な内容はもちろん勉強すべきなのですが、音楽家としてどのようなマインドセットで生きたかを見習うべきなのです。
復習
まずはおさらいとして、ワーグナーって誰? という初学者のために私達音楽家が知っておくべきワーグナーの特長をザッと挙げますね。
①拍手が嫌い
ワーグナーは拍手があるとオペラなどの劇が邪魔されると感じていたので、一曲ずつが終わらないようにしました。曲と曲の間になんとなく音楽が続いているような音を鳴らして次の曲に行くイメージです。モーツァルトのような明らかな「おしまい!」という拍手を促す終わり方とは真逆です。これを「無限旋律」といいます。
②なんかのテーマ
この旋律は剣のテーマ、この旋律は特定の人のテーマという感じでメロディを作りました。このような試みはベルリオーズの時代からやられているのですが、ただ、メロディを当て込むだけでなくそれらを変化させて使いました。例えば、剣のテーマが、特定のシーンの裏で薄ら流れていたら「誰かが剣を隠し持ってる?」みたいなイメージです。これを「ライト・モチーフ」と呼びます。ちなみにベルリオーズの頃は「イデ・フィクス」と呼ばれていました。
③総合芸術
ワーグナーは自分で台本を書いて、作曲して、総合芸術を確立しました。オペラとは一線を画す壮大なものです。これを「楽劇」と言います。
ここから
上記3つはある程度音楽に携わった事のある人は常識として覚えてください。
ここからが大切です。
①他分野の勉強
ワーグナーは美術、文学、鉄学、政治などあらゆる分野の勉強をしました。音楽だけでは音楽家にはなれないんです。これが私が最も主張したい部分です。
②国外追放
政治活動のせいで国外追放になっています。借金だらけにもなってます。こういうのって「付きもの」なんです。目立つとアンチが集団で襲ってきます。これは経験しないと納得できないことですが、必ず嫉み軍団が何かしらしでかすと思ってください。理不尽な逆境に立たされている音楽家の皆さん、大丈夫ですよ!
③夢を捨てない
この借金+国外追放にも関わらず、自国で楽劇を演奏する劇場を建てるという壮大な夢を持ち続けました。私でもこの環境なら「え? てか、お金はもちろんのこと、国に入ることすらできないんだから・・・」と思ってしまいます。しかし、ワーグナーは夢を捨てませんでした。
そして、夢を実現しています。
音楽家として
音楽家として史実を知って、「ふーん」で終わらせてはもったいないんです。
常に史実を基に「どのように自分の音楽人生に活かそうか」と考えるべきなのです。これが私が世界中の音大で叫び続けていることです。
一人でも多くの人に伝わればと思います。
一応動画でも語ってます
津本幸司
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津本幸司