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【2024/2/24】身延山久遠寺【鰍沢】
前座の頃はBボーイというかただの輩のようだったけれど、
二ツ目になってからはスーツを着てマフラーを首から垂らして銀縁のサングラスをかけてハットを被って歩き方もオラオラで『もはや渡世人』でお馴染みの柳亭市松兄貴からお仕事を頂戴し、身延山久遠寺で落語をやらせていただくことになった。
渡世人のようではあるが、ご実家が法華と縁があって二ヶ月に一度落語会を開催してくださっているのだ。
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身延山久遠寺といえば法華の総本山で【鰍沢】の聖地。
朝11時に身延駅集合ということであったが9時半には着いて、聖地巡礼ということで駅から久遠寺まで歩くことにした。
【鰍沢】のあらすじは大体皆さんご存知だろうが、人によって舞台が違う。
旅人が小室山で毒消の護符をいただき、法論石から鰍沢に向かう途中で道に迷うところから始まる人もいれば、久遠寺を参詣した帰りから始まる人もいる。
私が仕込み中の【鰍沢】は勿論大師匠のもので後者になるので、身延山は登っておきたかった。
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駅の前には名物の生ゆばや、みのぶまんじゅうを扱うお店がある。
いつも思うが、日本全国何処の名物も大体あんこの菓子だけど、どこも財を成しすぎじゃないだろうか。(餡子好きですけど)
店の近くまで行くと饅頭を蒸すいい匂いがしたので、出来立てが食べられるのでは? と二個買ってみた。
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出来立てではなかった。
味は甘さ控えめで生地が独特。
調べてみると生地が店によって違うようで、醤油とか黒糖とか、中には味噌を練り込んでたりするところもあるそうだ。
鰍沢の流れを見ながらいただいた。
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落語と違って穏やか。(荒々しかったら問題だが)
そもそも鰍沢ってなんなんだ?
ってのを以前調べたことがある。
落語では「鰍沢の流れ」とか「鰍沢を船で降るな」と言っているので、なんとなく川の名前かと思ってたけどそうじゃない。
鰍沢は地名で、噺に出てくる川は富士川。
じゃあ「鰍沢の流れ」って何?
噺の舞台が鰍沢なら、「鰍沢の流れ」=「鰍沢での富士川」と納得も出来たのだけど、
大師匠の【鰍沢】は久遠寺からの帰り。
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鰍沢と久遠寺は随分離れているので『鰍沢での富士川』ではなさそう。
半ば【鰍沢】の主人公にイライラしながら調べてたら、速記本に答えが書いてありました。
「鰍沢の流れ」=「鰍沢の方からくる富士川の流れ」のことだそう。
あんまり興味ない?
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じゃあコインランドリーにマッサージチェアがあってビックリした時の写真載せとくね。
緩やかな山道を登っていく。
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外を歩いている人などいなくて、閑散としている。
途中、立派な高校があったが、それは市松兄貴の通っていた高校らしい。
高校生達は何処からあの高校に通うのだろうか。
大きなローソンも見かけた。
市松兄貴の知り合いが働いているらしい。
何処も市松の息がかかっている。
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久遠寺総門。
ここをくぐったあたりから急に賑やか。
山を登れば登るほど賑やかというのは不思議。
みんな門の内側に住んでいるのだろうか。
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商店街を抜けると山門(三門)。
コレがデケェ。
住める。
このデカさをを伝えたくて写真をたくさん撮ったが、どうも伝わらない気がする。
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こんな立派なものに一番最初に千社札貼った人すげぇな。
どうやって貼ったのあんな高いとこ。
ひとしきり感心をして山門を抜けると287段ある石段が待ち構えている。
登り切れば涅槃に達する(悩みから解放される)そうだ。
コレもデカすぎて伝わらないが一段一段が結構高い。
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これを着物を背負って上がっていくのだけど、150段あたりで顔真っ青。
酸欠になった。
座って休んでたら上から市松兄貴が降りてきて、
「うわ、神聖なとこからヤ○ザ降りてきた」
と思った。
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登り切った。
涅槃に達したかというと、確かに呼吸もままならなくて身体が冷たくなってきていたので、悩んでる場合じゃなかった。
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身延山久遠寺。
参詣をして御朱印も頂戴した。
ちいかわの御朱印帳だ。
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後日【景清】の聖地巡礼で圓通寺にも行ったので、法華ガチ勢みたいになった。
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落語会は大盛況。
立ち見のお客さんもいらっしゃった。
お寺だけあってネタ帳が本格的。
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200ページあった。
二ヶ月に一回の開催で1ページ使うので、33年使える。
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お客さんから小室山の毒消を一包み頂戴した。
毒消の護符にはこの包みが5つくらい入っていて、開くと小さな丸薬が入っている。
へー。
落語でそこまで描写できるだろうか。
いやはや勉強になったな。
帰る時に、チラッと山を見下ろしてみた。
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これで雪が積もってて道がよくわからないんじゃ【鰍沢】の旅人もそら迷うよな、と思ったけど、
暗くなってきてるんだし雪も降ってるんだろうし、翌朝久遠寺をたてばよかったのに、とも思った。