【十五日目】岡崎〜名古屋
二ツ目になって一年が経った。
去年の今頃は披露目の40日を毎日ネタ変えて毎日エッセイ書いてたか。
あの時の辛さとか不甲斐なさとか今でも覚えていて、あまり楽しくはなかったはずだが、一年経った今は良い思い出になっている。
人生は良い思い出づくりなんじゃないか、という。
二十代の頃の良い思い出というのがほとんどない。
いや、その時の楽しいことはしているはず。
ゲームしたり漫画読んだりテレビを観たり、確かにその時は楽しかった。
だけどこの楽しさは良い思い出として残ってなくて、たぶん走馬灯には流れない。
それよりも毎日漫才のネタ書いたり、相方と喧嘩したり、ライブで負けたりした時の方がいい思い出になっている。
良い思い出はたぶん、楽しさと苦労やなんかが混じった時に完成するんだろう。
師匠方が何十年も前の前座修行のことを笑いながら話せるのは楽しかったし大変だったからじゃないか。
ゲームしたり漫画読んだりテレビを観たりしていたあの時、身体に電流でも流してりゃ今良い思い出だったかもしれない。
後数日でこの旅も終わる。
良い思い出になる。
十五日目。
岡崎と言ったら岡崎城。
てなわけで城周辺もそれらしい武士の像なんかが建てられている。
上の写真三枚はX(旧Twitter)にも載せた。
11月上席より二ツ目に昇進した三人のつもりだ。
応援している。
城にはなかなか興味が持てないのだけれど、徒歩数メートルのところにあるなら見ておこう。
んー、分からん。
城が好きな人は、どこから攻めるか考えるらしい。
竹千代橋を渡ったら八丁町。
八丁町と言ったら八丁味噌。
延元二年創業。(1337年)
とんでもない歴史。
この旅で一番古い物かもしれない。
それだけ古くからの商売なので蔵が建ちまくり。
蔵が建ち並んで、ここを八丁蔵通りという。
火事なんかの際は、やはり鼠穴を味噌で塞いだりしたのだろうか。
いやはや圧倒される。
矢作橋を渡って真っ直ぐに。
大きな道路沿いをゆく最短ルートでなく、遠回りの東海道を歩いた。
寄り道できるのも足がだいぶ鍛えられたからだ。
旅を終えてこの健脚を失うのは惜しい。
東京に帰っても歩くか。
安城市にある永安寺の雲竜の松。
コチラは県指定の天然記念物。
一般的に松は垂直に伸びるそうだが、この松は1.5メートルのあたりから三又に分かれて伸びている。
凄い生命力だ。
さらに真っ直ぐ進んで池鯉鮒宿。
池鯉鮒宿は馬市が有名だったそうで、馬市について書かれたものがそこかしこにある。
しかし馬市が有名って、街づくりがやりにくそうだ。
この辺は熱心に歩き回った。
元祖あんまきのお店にやって来た。
あんまきとは餡を薄い生地で巻いた池鯉鮒の名物で、旅人に人気だったそうだ。
暑かったのでアイスあんまきを買ってみた。
食べ頃は「餡がシャリシャリしてきたら」らしい。
しかしシャリシャリしているかどうかは食べないと分からないのでは?
5分後くらいに食べたらゴッって感じ。
さらに5分後に食べたらモソッって感じ。
食べ頃逃したっぽい。
逢妻橋渡って真っ直ぐに。
暗くなってくると東海道名所どころではなくなる。
1キロくらい小走りした。
小走りできるくらい足が丈夫。
境川あたりの鉄塔。
鉄塔見てるとゾワゾワする。
「あそこに登って作業する人がいるのかな」とか考えるとヒヤッとする。
暗くなってきたので晩御飯を食べたいが、名古屋名物みたいなものはやはり名古屋の中心にしかなくて、道路沿いはファーストフード店しかなくて、かつやで天津飯チキンカツ丼食べた。
食べ放題の漬物がめちゃめちゃ美味くて、ボリボリボリボリ食べてたけど、塩分が不足してたんだな。
暗くなってきたのでそのまま宿へ直行。
鳴海宿も少し歩いたけど、有松の主張が強かったような?
資料館のような建物もあった気がするけど暗くて分からない。
散策は諦めて宿の24時間スーパー銭湯へ。
しかし体力に余裕があると、風呂の気持ちよさも半減する気がする。
興津のスーパー銭湯の時の全身溶けていく感じを味わいたい。
支出
アクエリアス950ml 179円
マクドナルド(新バーガー、シェイク)710円
チェリオ(自衛隊コラボ)100円
アイスあんまき 200円
プロテイン 247円
かつや 659円
湿布代(足は丈夫とはいえ、足首は筋肉がつかなくて痛む。湿布で誤魔化している)1628円
経口補水液 203円
宿代 4030円
計7956円
反省
ずっとそうなんだけど、朝8寺くらいに出発すれば明るいうちに色々見られる
(朝旅日記を書いているのでそれができないでいる)