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【19日目】note

名刺

初めて会う人に名前を覚えてもらおうと名刺交換をする──というのは社会人の常識だと思うけど、名刺交換をしたからといって、じゃあ顔と名前が一致するかというとそうとは限らない。
名刺に写真がついていてもそう。
「こんな人会ったっけ?」じゃ意味がない。

記憶というものは何か体験したり、余計なものと結びつたりすると強固になるそう。
『鳴くよウグイス平安京』なんて語呂合わせもそう。
平安京単体では遷都した年号を覚えにくいからウグイスを付けちゃう。
そういうこと。

名刺交換の時に、ウェイターがコーヒーぶちまけて「熱っ」となろうものなら、名刺のコーヒーのシミを見るたび相手のことを思い出すだろう。
「熱っ」という体験とシミ。
ね。

ということを踏まえて名刺を作りました。

裏が花札になってます。
名刺交換したあと

「裏を見てください。花札になってるんです」

「あ、ホントだ」

「桜に幕、持ってると点数高いですよ」

この無駄なやり取りをすることで記憶を強固にして覚えてもらおうという。

「桃月庵黒酒? 誰だっけ? 裏が花札……あー、点数高いとか言ってたあの人か!」

となればこっちのもん。

は? 上手くいくか?

今のところ名刺交換する相手もいないので、noteをサポートしてくれた方に配るグッズみたいになってます。ありがとう。

元帳

「元帳ってどういう意味ですか?」

そんな声をいくつかいただいた。
なるほど、確かに最近は【替り目】を「元帳見られちゃった」でサゲる人ほとんどいないですもんね。
yahoo知恵袋にも同様の質問があって、解答者が不親切というわけではないのだけれど、最後には質問した側が投げ出すような展開になっていました。

元帳の意味を検索しても、

簿記で、すべての勘定口座を設け、取引を仕訳帳から転記して各勘定別に記録・計算する帳簿。総勘定元帳。
goo国語辞書

と出るだけでおそらく意味がわからないと思います。
でもこれは間違ってなくて『元帳』=『お金についてアレコレ書かれたもの』で合っていて、そこから『お金についてアレコレ書かれたもの』→『見られちゃいけないもの』と転じて、そこからまた転じて『見られちゃいけないもの』→『本音』となっております。

【替り目】では酔った亭主がおかみさんに感謝を述べる。
それを当人に聞かれたので「元帳見られちゃった」。(サゲの説明なんてこんな野暮なことないですが)

ですから『桃月庵黒酒の元帳』というのは『桃月庵黒酒の本音』という意味ですね。

また現在の披露目は前座から二ツ目への替り目で、それが終われば二ツ目期間、所謂真打への替り目期間。
また【替り目】という噺が『酒』のハナシというのも上手いと思うんですがどうでしょう?
自分に酔ってますかね。

キャンペーン中

披露目の最中「note見ました」と言っていただくと千社札をお渡しするキャンペーンをやってますが、今のところ寄席関係者にばかり配っています。
いや、意味ないやん。


19/40 池袋演芸場 九日目
【たいこ腹】
江戸っ子ですとか隠居とか子供はわりと自由にやって良いんですが、幇間と若旦那に関しては「こうだ!」と型が決まってる感じがします。

私が教わった【たいこ腹】は若旦那が少し乱暴な型でそれが好きで教わりましたが、
ダメ出しなんか全くしないうちの師匠が「ただの江戸っ子じゃねぇか、もっと若旦那らしくできないの?」と仰ったので、今日は若旦那を若旦那らしく、と意識してやってみましたが、んー……と言う出来に。
あと三回くらいどっかでやりたい。

あと羽織脱いじゃいけないのに羽織脱いだ。
うぇっ。

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