【十六日目】名古屋〜桑名
ゴールを意識し始める。
ゴールした時、私は泣くのだろうか。
いや、こうしてゴールの事を考えていることで心の準備ができて「こんなもんか」となるかもしれない。
それに旅が終わる寂しさも少なからずある。
全力で「終わったー!」とは喜べないのではないだろうか。
足がズタボロで痛みに耐えながらゴール──ならば少しは感動的だろうか。
そもそもゴールはどこなのかちゃんと設定しておきたい。
伊勢に着いたらなのか、伊勢神宮に着いたらなのか、お伊勢参りを終えた時なのか、大阪の実家に帰った時なのか。
形としてはお伊勢参りを終えた時。
旅自体の終わりなら『帰るまでが遠足理論』で実家に帰った時か。
一番グッとくるのは伊勢神宮に到着した時かもしれない。
んー、どれだ?
分からないが、きちんと参拝すると半日かかりそうだし、お伊勢参りを終えた時をゴールにしておく。
理性を超えて涙が勝手に溢れる、みたいな経験したいな。
十六日目。
道徳橋を渡って山崎川を越え、桑名を目指して真っ直ぐ西へ歩く。
昔のお伊勢参りは、ここから宮宿(名古屋市熱田区)へ向かい、東海道唯一の海路、七里の渡しで桑名に向かう。
しかし今は海が埋め立てられ、七里の渡しは無くなってしまった──と思っていたが、調べてみたら今もやっていた。
『七里の渡しクルーズ』と称して定期的に。
乗りたいっ。
まぁでも今回の旅は乗り物禁止。
歩いて桑名を目指す。
いつか七里の渡しクルーズ、それから渡し船も乗ってみたいものである。
ひたすら西へ。
海路が埋め立てられて陸路になっても、ここはちゃんと東海道らしい。
だけどやっぱり元々は海。
察しの良い方はお気づきかもしれないが、埋立地だと史跡がない。
桑名まで景色がほとんど一緒。
どうすればいいんだ。
日の出橋から……だと思う。
写真のフォルダが川だらけで何が何だかわからん。
『写真を毎日五枚以上撮る』という目標を立てて、多い日は100枚近く、少なくても60枚写真を撮っているが、今回は30枚くらいしか撮れていない。
史跡もだいぶ寄り道すればあるらしい。
埋立地でない陸の方だろうか。
殆どが神社仏閣。
これは……巡りだすとキリがない。
そう、私が神社や寺に興味が持てないのはこれだ。
神社仏閣の数が多すぎる。
御朱印帳もそれで辞めたんだった。
また、桑名まで距離があって、時間の都合で大きな寄り道はできないし、神社やなんかは神聖なものなので写真を撮りにくい、というのもある。
蟹江川。
船がたくさん見られる。
漁をするわけじゃないよな。
釣り用のマイボート?
めっちゃ沈んでるけどいいの?
奥のもそうだよなぁ。
放置ボートかもしれない。
車のようにナンバーが付いてたりしないのだろうか。
日が沈む。
ここからが怖い。
どこから? と言われても目印がないので説明もしづらいが、
善太橋越えてから国道一号に合流するまで、真っ暗で街灯もなくて、歩道もなくて、自分の脇をビュンビュン車が通るエリアがある。
この白線の左側を通る。
草のとこは坂になってて歩けない。
そもそもマップ通りに歩いているが、ここは歩いてよかったのか?
国道一号までくると明るくて歩道も広い。
ここまで来れば安心。
尾張大橋。
退屈なので橋の上だけ走るというルールを作ったのだけれど、橋が長すぎてしんどい。
あとこの橋は釣り禁止じゃなかったか?
釣りしてるやついたなぁこの野郎。
寂しい写真が続いているのでメシ。
長島あたりで窯焼きピザ食べた。
甘いのと辛いの。
「甘いのと辛いのですね!」
と店員さんに笑顔で言われて「へへ」としか返せなかった。
へへ、じゃねーよ。
おしゃれな店でピザ2枚食う図々しさ。
長島といえば長島温泉に入りたかったけど、営業時間が短いようで間に合わなかった。
残念。
遠くに輝く光が桑名。
あそこが今日の宿。
長い橋を走り抜けて、汗だくで桑名へ辿り着いた。
桑名ということは三重県。
愛知は思ったよりあっという間に抜けてしまい、ゆっくり観光するつもりでいたけどそう思う通りには行かず。
寄りたい美味しいお店をいくつかメモしていたんだけど行けなかったな。
また仕事で来た時に。
支出
ガストで牛丼セット 600円
マックでシェイクと新作バーガー 640円
アクエリアス950ml 179円
キレートレモン 105円
プロテイン 226円
モンスター 220円
ピザ 2500円
宿代 5940円
洗濯乾燥 250円
計10560円
反省
同じ景色が続くと意識が飲食店やコンビニ、自販機に向いてついなんか買っちゃう
これまでの旅日記の地名の分かりにくい(基本は宿場で、分かりにくい場所は市で統一した)
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