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時代の変化と大学の教育研究改革

地方創生…というキーワードが出て何年経つでしょうか?
そんなに簡単に結果が出るわけではありませんが、難しいテーマであると思っています。地方自治体を中心にいろいろと国からの補助もありましたし、様々な企業の皆さんが地方都市の課題を解決するソリューションをもって実証実験を行ったりと…。

一方で海外に目を向けると、環境問題のプラカードをもった市民がデモを行ったり、政治も絡んで経済Vs環境といった国内が分断するような争いも。企業の方々にとっては社会貢献‥というレベルの話が、今はESG投資に代表されるように、存在価値そのものを問われるような重要な経営指標にまで価値が高まり、特に欧州諸国の企業の挑戦的な取り組みが目立っています。

世の中、経済も社会もそして環境への配慮も大きく変わろうとしているんだなと一人の大学職員のおじさんとして感じています。でも、なんとなく私の周りは変わろうとしている…というより、これまでの考え方の中で新しいことをやろうとしている…んんー。微妙な違いなんですが…。何か外部環境の変化を汲み取るというより、これまでの経験値に基づいた取組や考え方が多いな…と感じています。

話変わって…諸先輩方から聞いた話です。
本学は、過去に大きな変革があったと聞いています。平成3年に当時の中央教育審議会が大学経営の大綱化の方針を示されました。ちょうどバブル崩壊の時です。
何かというと、これまで文部科学省の方針に基づいて大学経営を行っていくことが当たり前だったのですが、これからはそれぞれの大学が経営理念をもって特色ある教育研究を推進してもよい…。という主旨の規制緩和みたいなものです。
当時、高等教育機関の最先端と言えばアメリカの大学です。じつはそのころアメリカでは大学淘汰の時代が訪れていて、その厳しい環境の変化を乗り越えた時期でもありました。日本でもいずれ大学淘汰の時代が訪れる(今がまさにそうなんですが…)という危機感のもと、そのアメリカの大学を徹底的にベンチマークする取り組みを行ったと聞いています。
いろんな武勇伝を聞きましたが(笑)ようやくすると以下の通り。
・特色ある教育が存在する
・学生を中心に考える
・学生の主体性を引き出す「場」をいかに構築するか
・教員だけではなく職員もプロフェッショナル
なんでも、最初は研究大学を目指す!という思いでベンチマークにいったらしいのですが、その際、視察先の各大学で言われたことが、「その研究大学を目指すにあたって、どういう特色ある教育を実施しているのか?」という問いだったそうです。まさに目からうろこ。根幹である教育実践の卓越性を追求しなくては!という話だったそうです。
当時の教職員の方々が、時代の変化を肌で感じ、そしてこのベンチマークを行い、大きな変革に向けた決断を行った結果、全国に先駆けて教育改革を推進することができ、名もない地方の単科大学から、現在に至っていると聞いています。

まさに、高度成長期以降右肩上がりの成長を遂げていた、日本経済が大きな壁にぶつかったタイミングであり、時代が大きく変化したタイミングでもあります。そのタイミングで、本学は大きな挑戦に挑み、そしてその調整をあきらめずに継続してきたわけです。

では、今はどういうタイミングなんでしょうか?

当時以上に激変なタイミングなんでは???と思ったりします。
時が経ち、定年をまじかに控えた諸先輩方は、都会のビルの一角に大学の拠点や学部等を設置する大学を横目に、石川県の山奥にキャンパスを設置しました(汗)。これが何を意味しているのか?私にとってはもう一度大きな変革に挑戦するぞ!という意思表示の表れとしか思えません。ただ、その変革は今度は私たちが担い続けていかなければなりません。

おっ。なんか長くなってしまいました。地方の大学の改革なのでたいしたことはできないのかもしれませんが、ポジティブなことに繋がると信じ、新たな改革に取り組んでいます。少しづつ、取り組んできたこと、これから取り組むこと、そしてその未来の姿を共有している仲間たちとの取り組みを、引き続きアップデートしていきます!今日はこの辺りで。

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