息子がうまれた頃
出産前後に詠んだ歌があまり無い。その頃はまだ結社にも入っておらず、短歌は人の作品を鑑賞する方が主だった。
当時のありのままを、たくさん歌として残しておけば良かったなと思うこともあるけれど、それは今だから言えることで、はじめての出産を経たあの頃の日々は、息子と向き合うことで精一杯だった。そしてまあそれで良かったんじゃないかな、とも思う。
産まれくる子にリスクなき策ならば帝王切開われは同意す
署名するこの名は母として記す 帝王切開手術同意書
書き眺め読み呼びかけて人の名はつけられるものこの子も我も
母なれど「おかあさん」ではいまだなく子にその声で呼ばれるまでは
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