⑥クリニックの後ろ向き研究に特化した倫理委員会設立の可能性⑥【お願いする先生のハードルを下げる】
先日の投稿では【IRBではなくてRECを。そしてそれぞれのステークホルダーのため息】について書かせていただきました
※IRB=Institutional Review Board 施設内審査委員会
※REC= Research Ethics Committee 倫理審査委員会
先日の思考まとめAGAIN
@【日本には倫理委員会が2,000〜3,000もありますが、これはアメリカの2倍、韓国の7〜8倍、そしてフランスの約40倍という数です。この数の多さは、審査の質のばらつき、審査手続きの煩雑さとなって表れ、すでに問題視されています。】
@開催頻度(開催とメンバー側は低頻度 提出者はフレキシブルにを希望)
開催側:コストやスケジュール管理の面から低頻度を希望
審議メンバー:謝礼金やスケジュールの面から低頻度を希望
提出者:フレキシブルな開催を希望
@コスト(開催と提出側は安く メンバーはたくさんもらいたい)
開催側:安いもしくは同じコストなら審議数が増えて収入が増えると嬉しい
審議メンバー:高いもしくは時間が短く終われば時間上がりの時給が上がるので嬉しい
提出者:安いまたは適切な価格であれば嬉しい。 問い合わせなどが面倒
@スケジュール(提出者はフレキシブルに 開催・メンバー側はその時にならないとわからない)
開催側:審議メンバーのわがままで定例など設定できないよ!
審議メンバー:それぞれがスケジュール提出・すり合わせ面倒だと思っている。
提出者:提出期限の問題なども有り近々にしてほしいこともある。フレキシブルな開催を希望
ではこのようなステークホルダー間の矛盾をどう解決したらいいのでしょうか?
私の特性で朝令暮改どころでなく 08:45令08:50改くらいのこともあるので 次の投稿ではまた言っている事が変わっていること前提としてお読みください。
自院でIRBを有しない先生はどうすれば良い?
学会発表や論文発表についてのスタンスは
発表やSTUDY行わない・行いたくない
1-IRBやREC無いから諦める
2-IRBやRECアクセス容易ですが諦める
発表やSTUDY行う・行いたい
3-IRB(REC)通したと嘘をついて発表
4-自院のIRBや他院のRECに容易にアクセスできる
5-新たにIRBを自院でつくる
6-他院のRECにアクセスする
くらいかな?MECE的には。
*MECEはビジネス大学院時代のはじめての授業で 僕だけがわかっておらずショックを受けた言葉でした。
MOTEMOTE
以前の投稿で英語には日本語の【モテ】に相当する言葉がないので MOTEという言葉を作ろうと思いましたがMOTEはすでにあったので MOTEMOTEという新単語を提唱しました。
基本は人間はモテたいと思わない限り継続しないので、#1や#2の先生方を説得するのは現実的では無いと思います。
Theoreticallly Possible, but Practically Impossible
いつも意識していることでますが
NYAUWの目的の一つとして【Theoretically Possible, but Practically Impossible(理論的にはでいるが、現実的には不可能なこと】の解決をしたいとかんがえています。
何でも理屈上はできます。 日本の首相にだってなる可能性はゼロではありません。 しかし、頭の中で期待値(=確率x得られる利益)とそれを得るのにかかるコストのバランスの中で リソースの配分を毎日行っているわけです。
では#1-#6の現実解は?
上で#1,#2は説得はしないとしました。
#3は一時的は良いかもしれませんが 信頼をなくすので期待値がリスクを上回ることは無いのではなしです。
もともとIRBやRECにアクセスできないというハードルがあることで学会や論文発表を行わない・行えないというため息が今回の大前提ですので#4もなしです
そしてこれまでのSTUDYの期待値の損益分岐がコストを上回らないと判断してIRBを自院で作っていないので#5もなしですよね。
#6 is the way to go
そうなると STUDYをしたい人にとっては
#6ー他院のRECにアクセスする
が現時点で選ぶべき道かな?と思います
なぜこれまでRECにアクセスしなかった?のでしょうか?
A-そのようなRECの存在を知らなかった
B-存在は知っていたが心理的ストレス
C-存在は知っていたが物理的ストレス(金銭や時間や準備の手間)
はいっ、先生はもう知ってしまいました!
この記事を読まれた先生ははい!Aは消えました
B-存在は知っていたが心理的ストレス
C-存在は知っていたが物理的ストレス(金銭や時間や準備の手間)
だけになりました。
RECの心理的ストレス
これはn=1(井手)というサンプルサイズですが 自身も存在は知っていましたがアプローチはしてきませんでした。
「REC 倫理 委員会」でGOGOLEでたくさん調べるといろいろ出てくるわけです。
しかし、
・いくらか書いていないなー、高いんだろうなー
・日程書いていないなー、時々しかやっていないんでしょ?
・我々の専門性やサブスペシャリティ受けてくれるのかな?
・こんなクリニックのデータ解析だけのデータSTUDYなんか受けてくれないのでは?
・問い合わせが面倒
などという心理的ストレスがハードルで「いいや」という気持ちになっていたのです。
例:楽天
商品比較サイト、レストランサイトや旅行サイトもいろいろREVIEWシステムには批判があったとしても 条件検索出来るというのはNEGATIVE SIDEも有りますが POSITIVE SIDEが非常に多いわけで利用されているわけです。
例えば、楽天の仕組みとしては 小さな商店でもお店を開いて その検索結果が大小に関わらず表示されるという仕組みなのです。そして 単に検索結果だけでなく そういった小さなお店の面倒を代行したり教育したりして顧客にも店舗側にもメリットを提供して対価として手数料をいただくというビジネスモデルなわけです。 小さな商店がGOGOLEにSEO対策をしたり 店舗運営のノウハウを自身で獲得すようとすると すごいコスト(年月や費用)がかかるのです。コストの削減分を手数料としていただくというモデルが楽天だと個人的には考えています
ここで QUALITY CONTROLされた商品についてはどこで買っても同じなので 価格だけで判断されるという厳しい競争が店舗ごとに繰り広げられ 利益率は低くなり たんなる仕入れて売るという店舗は生き残れないため工夫は必要になります。
RECに戻ります
RECの物理的ストレス(金銭や時間や準備の手間)
これは上記の心理的ストレスとかぶるところがありますが 依頼するRECによって かかる値段や 準備フォーマットなどが異なるので それもストレスなんです。
個人的な嗜好なのでお許し下さい
買い物はほとんどAMAZONで行います RAKUTENのほうが検索結果がRICHではあるのですがなぜでしょうか?
楽天は
・検索結果がRICHすぎる
・様々な検索結果が混在(送料込?カード利用可? 配送日程?)
アマゾンは
・検索結果がRICHではない(POORでもない)
・AMAZON PRIME対応という視点でいうと 送料や配達日程考えなくて良い
そういったことで数十円の違いなら 考える時間や更に場合分け検索をしなくてはならないRAKUTENはアマゾンで納得いかなかったときのSECOND OPTIONになるのです。そういったことでアマゾン利用が個人的には多いのです
しかし、アマゾンも楽天も良い点は
一回 送付先の住所やクレジットカード情報を入力しておけば何回でもそのデータは自動で利用されるのです。
RECの文脈に当てはめると
①RECを探す前に審査書類(買い物サイトの住所情報のようなもの)を仕上げておけば 後でどのRECでも使える状況にしておきたい。RECを決めてからそのRECのフォーマットに合わせるのは嫌だ
②RECの検索とやり取り
・サブスペシャリティ
・費用
・次回開催予定日時
などが出て来れば人づてにRECに依頼するより主体的に動ける。
今回はSTUDYの審査をお願いする立場の視点でした
次回は審査を行うREC創設者や審議メンバーの視点での現実解になるかを考えていきたいと思います。
SHARED RECということをしたいのです
このNYAUWという活動の発露は2015年に社会人大学院に入学したときから変わっていません。
医師の知識、経験や医療資源の有効利用により、患者、医師、社会の関係をサステイナブルなものにしていくことを大きなビジョンとしています。外部の方々では理解し難い共通の暗黙知のある専門家同士のハードやソフト共有・有効利用を考えております。
このあたりの理解のある方々と議論を開始できればと考えて キックオフスライドを作り始めました。
難しいのは重々承知ですが
クリニックデータの後ろ向き研究に特化した全国レベルの倫理委員会の設立の可能性を自分がするかどうかは別にして提案したいと思います。一緒にやりませんか?そんな倫理委員会成り立たないと思うかもしれませんが やはり日常のROUTINE症例の中にいろんな真実が隠れていると思うので。
難しいのは重々承知ですが
現時点はありえない夢物語かもしれませんが、まずはハードルの低い後ろ向き研究の倫理委員会から適切&簡便に承認できるシステムを構築できればなーと(大切なのは簡単というと審査も簡単と思われるかもしれませんが 審査は適切にです 自院のIRBよりも外部のRECのほうが忖度が発生しないので 良いかも という考え方も成り立ちます)
一緒に議論参加してもいいよという医師や弁護士、治験会社、製薬企業などの方々の連絡お待ちしています
(メッセンジャーかメール tokyoeyeasagaya@hotmail.comで)