【疑義照会 仕切り直し】⑦<読書>小倉昌男 経営学-1
疑義照会 仕切り直し
これまで疑義照会アプリSLACKのAPIで提供していましたが、SLACKの仕様変更に伴い使えなくなったため、これまでの経験と反省をもとにあらたな疑義照会アプリを作成中ですのでその辺りの背景を書いてみたいと思います
古いアプリのサイト
新しいアプリのサイト
先日の投稿
先日の投稿では、今回新しい疑義照会アプリを作り直す際に前の経験が会ったからPros and Consがわかったということを書かせてもらいました。(参考リンクは下に)
クロネコヤマト宅急便とクリニック
家に大量にある積読本から昨日【小倉昌男 経営学】という本を手に取り通勤時に読み始めました。クロネコヤマトの宅急便がどのような考えや過程でで創り上げられたかを書いたもので非常に学ぶべきところが多く印象に残った部分を記載して、クリニックや疑義照会にとってヒントになる点を書かせていただきます。
P26 小さな会社だっただけに労務管理から現場の作業にまで目を配らなくてはならない。トラック運送会社の経営の色はを身につける上でこの出向は実に役に立った。
【NYAUW的視点】
医師は医学部に入学してから勤務を通じて普通はマネージメントを学ぶことなく人生を過ごしてきています。開業して院長になったり関連病院の部長などになってはじめてマネージメントを学ぶことになるわけです。企業ですと少しずつ階段を登っていくことでマネージメントを学ぶことになります。商社の方だと海外赴任でマネージメントを若いうちから学ぶことになります。医師の場合にはマネージメントをする段になっても先輩や同僚の院長や部長から学ぶことになるのですが、その見本が正しいかどうかは不明です。
しかし、内科のようないわゆるメジャー科のような大所帯の科ですと、上司のマネージメントが上手くいかなくても悩みを相談できる同科の先生がおられます。しかし、いわゆる私の眼科のようなマイナー科といわれる科ですと、1-3人くらいのチームのところも多く、そうなるとトップのマネージメントが拙いとその下の先生方のこれからの人生の方向性を誤らせることにもなりかねません。そういった意味で若いうちに外病院で医療の研修と同時にマネージメントも学んだ方々が大学に戻るようなシステムもいいですよねー。というのが感想でした。
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P45 製造業に比べて小売業の商圏は非常に狭い。大きな百貨店やスーパーでもせいぜい店舗のある都市内程度で、普通は数キロ以内である。さらに両者が根本的に異なるのは製造業が商品の在庫を抱え、時間をかけて売っていくのに対して、小売業は1日1日が勝負である点だ。特に運輸やホテルのようなサービス業は、在庫を持つことができない。今日売れ残った座席や部屋を明日売ることは不可能なのである。だから小規模なのはあたりまでで、その代わりに多店舗化しなければならない。また販売の機会損失を防ぐためには、どうしても長時間営業をせざるを得ない
【NYAUW的視点】
クリニックも似たところがあり、医師の専門性の高い分野は診療圏広いです。しかし、クリニックは地域の患者さんのゲートキーパー的な役割も有るためその診療科の一般的な疾患もカバーする必要があります。そして特に都市部では競合が多いため予約枠を埋めていく<運営>も考えなくてはならない。しかし、機会損失を防ぐということのために予約をいっぱいいっぱい入れたり、長時間診療することが長期的な<経営>視点で望ましいかは疑問があるかもしれません。この<運営>と<経営>のバランスをどこに置くかが個々の院長のスタンスであります。しかし、患者さんにはそれがわからないということもあります。
<関連投稿>
P50 海上コンテナ船が就航するようになるとまず港の姿が一変したのである。港で働いていた大勢の労働者もいなくなった。さらにこれまで1週間も10日もかかっていた積み込みがたった1日で完了し、直ちに出港出来るようになった
P70 商業貨物の市場は常時需要があつ。特定の荷主と契約すれば安定した収入が得られる。ただし、競争が激しいから運賃は安い。しかし、事業を安定して継続できることは大きなメリットである。一方、個人の生活にもとづいて行われる小荷物の宅配は需要が全く偶発的でつかみにくいから事業は不安定である。しかもどこへ行くかは出荷先の家庭に行ってみるまでわからない。たった一個の荷物を求めて表札を探しながら依頼者のお宅に伺うと、配達先は青森と言われるかもしれないし、鹿児島と言われるかもしれない。コストはいくら掛かるかわからないが、運賃は郵便小包料金より高くは取れないはずだから、儲からないどころか大きな赤字が出ることは間違いない。でも悪いことばかりではない。家庭の主婦は運賃を値切らないし、現金で払ってくれる。
P72 吉野家に学んだメニューの絞り込み
牛丼以外を食べたいと思っている人は、よその店に行ってしまうではないか?それでもよいのであろうか?おもわずそんな素人考えが浮かんだ。しかし、牛丼に絞ったことにより良質な肉を安く仕入れることができ、味が良いし値段も安いと評判になっている。その上メニューが一つのため。熱々の丼をすぐに出せる。しかも店員は素人のアルバイトでよく、人件費を抑えることが出来る。お陰でお客は増え、収支も好調だという。
【NYAUW的視点】
クリニックは地域の医療ゲートキーパーということもあり、
・ある程度狭い診療圏
・様々な疾患のスクリーニングをする必要
というスタイルを取らざるを得ない。
しかし、クリニックの診療分野の比率(その診療科の一般的な疾患:その診療科のサブスペシャリティ疾患)が前者寄りですと、その地域のあらゆる人々がそのクリニックの患者さんになりえます。しかし、隣町にもそのようなクリニックは有るわけですので隣町からの流入はありません。また他医からの紹介も期待できません。そうなると口コミ発生はその町の方々のみからになります。
比率が後者寄りですと、全部の疾患をカバーは出来ないのでその地域の一部の患者さんは他のクリニックに行ってしまうことになります。しかし、専門性が高いことは他医からの紹介や他地域からの患者さんもお越しになるので口コミ発生がより広範囲そして、医師からの紹介というのは非常に患者さんにとっては心強いものですのでレバーが効くことになるわけです。つまり、一部の患者さんには適さないクリニックだとしてもより多くの将来の患者さん数を期待できることになるというストーリー仮説で【医師のいつもの紹介先プロジェクト】をおこなっております
患者さんは医師の紹介を信頼(厚生労働省受療行動調査のPDFから)
<関連投稿>
今日はここまで
通勤時に色々な読書をするのが楽しみですが、この本は特にNYAUWの活動と親和性の高い本でした。続きをまた書いてまいります
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